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Folks – 散居村保存コミュニティについて

2022.08.18 / 楽土庵について

散居村の文化生態学的景観、なりわい、伝統文化や手仕事、土徳という言葉であらわされる精神風土など、長い時間をかけてこの土地に伝えられてきたものは、日本のみならず、現在の世界にとって失くしてはならない価値のあるものです。

しかし、それらの保全・継承は、日に日に困難になる状況に直面しています。理由のひとつは、ライフスタイルや経済システムの変化によって、生活の中での維持・活用が現実的ではなくなってきたこと。もうひとつは、それらが当たり前に存在してきた地域住民にとって、その価値が感じられていないことです。

そこで楽土庵(運営母体:株式会社 水と匠/一般社団法人富山県西部観光社 水と匠)では、楽土庵をこの地域の価値を伝えるための拠点とし、旅することが地域資源の保全や未来継承、地域の再生・回復につながる「仕組み」を構築します。

楽土庵がまずできることとして、以下に取り組みます。
1 宿泊料金の2%を散居村保全活動の基金に
2 散居村の魅力や課題を体感していただくアクティビティの実施
3 地元の伝統産業や工芸作家の器などの使用や散居村オリジナル商品の開発、楽土庵ショップでの販売 

価値に共感する域外の来訪者が増えることで、地域の人たちも、ここに在るものの価値に気づき、ともに保全に取り組む。将来的には新たな「ナショナル・トラスト運動」となることを目指し、長期的視野を持ちながら活動を展開していくために、地域と外部をつなぐ、新たな散居村コミュニティを2022年度内に発足したいと考えています。

「Folks 散居村保存コミュニティ」御入会案内

地域の人や既に現在保全に取り組んでいる連携団体に加え、共に地域再生に取り組んでもらえる方たちが「世界中から参加できる」仕組みをつくります。世界中どこにいてもオンライン・サロンとして最新情報の共有や交流ができるよう、DX を活用した「プラットフォーム」を構築中です。

◎御入会をご希望の方・お問合せはこちらのメールフォームをご送信ください。詳細が決まり次第、ご案内させていただきます。

会員特典(予定):
・ツアー・物販・宿泊割引
・世界中から参加者が集まるオンライン・サロンへの参加
・カイニョ、伝統的家屋、水田等の保全につながるアクティビティへの参加
・水田オーナー制度、屋敷林オーナー制度への参加
・散居村の空き家情報の共有
・地域の文化・歴史・環境生態学などの講座、各種催事の先行受付  
・散居村の資源を活用したプロダクト開発・販売への参画
・メンバーによるイベント企画 など

活動概要

そのほか、Folks 散居村保存コミュニティでは以下のことに取り組んでいきます。

● 体験コンテンツの開発と再生・回復につながる仕組みの導入
楽土庵を拠点として、散居村の歴史・文化、精神風土を体感できる文化/農業/ものづくり体験のアクティビティ開発を行います。

楽土庵近隣での散居村体感ツアー
スタッフによるカイニョウォークツアー・サイクリングツアー / 地元の和太鼓「いさみ太鼓」体験 / ワラを使った手仕事体験(例:正月のしめ縄飾りづくりなど) / 水田や畑での農業体験 など 

テイラーメイドのリジェネラティブ・ツアー
散居村を空から眺める「パラグライダー」タンデム飛行 / 民藝同人の足跡を訪ね、精神風土に深く触れるツアー / 日本一の集積を誇る砺波地方の石仏巡りツアー / 伝統産業・工芸作家の工房訪問、文化(プライベート茶道)、寺院での仏教講座 など

● 「現代における新たな散居村活用方法」の検討、商品の開発など

散居村は、屋敷林(カイニョ)、伝統的家屋、水田、という要素が調和を保って維持されることで構成されてきました。しかし、高齢化や生活スタイル、住民意識の変化により、カイニョは伐採され、アズマダチ家屋は近代住宅に変わり、 水田も後継者不足により耕作放棄地が増加。世代交代も進むなかで、生活に根ざした維持・活用は現実的ではなくなってきています。 

完全なる循環型システムを形成していた近世の生活に戻ることはできません。しかし、カイニョとアズマダチと水田を、現代の生活にあった形でアップデートできる可能性はあります。それを関係者で協議し、取り組み自体を宿泊客や旅行者が参加できるコンテンツとして展開していきます。

またこれらの取り組みが経済的な循環につながることを証明するなかで、地銀や金融機関など、ナショナル・トラストを大規模に支えることができるプレイヤーの参画も促進します。 

[水田]
楽土庵の水田(or 契約農家)として作物をレストラン・ホテルで提供 /「Folks 散居村保存コミュニティ」での水田オーナー制度の導入 / ワラをスリッパや装飾(ラグやしめ縄飾りなど)で利用 / 耕作放棄地で「酒米」「大麦」を栽培、連携関係者酒蔵での日本酒やウィスキー作りに活用 /「散居村米」などオリジナルブランド品の開発 / 米粉の利用促進:米粉に向く品種の栽培や製粉施設整備、米粉を使った商品開発 など

[アズマダチ(伝統的家屋)]
楽土庵をアズマダチ活用法の事例として積極な情報発信・見学ツアーの実施 / 空き家利用希望者とのマッチング / 水田に散居する新たな別荘として提案 / アルベルゴ・ディフーゾモデル(地域そのものに滞在する分散型ホテル)を展開

[カイニョ(屋敷林)]
 落ち葉ペレットや薪を楽土庵の暖房エネルギー源に/ 落ち葉堆肥を敷地内のシェフの畑で活用 / 灰を地域の染織・陶芸などに利用、作品を展示 / ―樹木(杉、ヒノキ)などを活用したアロマ精油の開発と販売など

[エネルギーの域内循環への取り組み]
カイニョ剪定枝の木質バイオマスとしての発電利用促進 / 「もみ殻」のバイオマス資源化 / 用水路を活用した小水力発電を促進(富山県内には53箇所) / 砺波の発明品「螺旋水車」の復活

● 散居村関係者連携のためのネットワークづくり 
行政、NPO・民間団体、観光事業者、農家・農協、伝統産業従事者などの関係者が連携して取り組んでいくためのネットワークを推進します。 将来的なビジョンを共有しながら、定期的な会合で情報共有を行ないます。

参加予定の団体
カイニョお手入れ支援隊 / 砺波カイニョ倶楽部 / 地域の農業協同組合・農家/ 伝統工芸職人、工芸作家 / 砺波市野村島自治会など地元住民 / 北陸石仏の会 / 高岡市・小矢部市・砺波市 ・ 南砺市 / 不動産会社 / 電力会社 / 金融機関 など

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