【ワシントン=渡辺浩生】米政府が中国による新疆ウイグル自治区などの人権弾圧に抗議し「外交的ボイコット」を表明した北京冬季五輪について、7日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は「ジェノサイド(民族大量虐殺)五輪」と命名する社説を掲載した。
社説は「米国のボイコットは始まりにすぎない」として「同盟国は後に続くべきだ」と強調。派遣される選手団には「弾圧の犠牲者と連帯して非難の声をあげる必要がある」とし、メディアには「紙面や放送時間を費やし、凄惨(せいさん)な虐待の真実を伝えるべきだ」と注文した。
スポンサー企業には「習(近平)政権が人道に対する犯罪を封印することに手を貸すことに恥を知るべきだ」と厳しく指摘。世界中の国や企業、市民が「大会を『ジェノサイド五輪』と呼ばねばならない」と呼びかけた。
人権尊重などをテーマに100以上の国や地域が参加する民主主義サミットが9日から開催されることから、国際社会へのアピールを狙ったようだ。