日本の経済界などに大きな影響力を持つ「華僑組織」は近く大きく分裂する。複数の在日組織に属してきた台湾系の人々が、少なくとも数千人で新組織「全日本台湾連合会」(略称、全台連)を結成する参加者は「中国人」と呼ばれることに抵抗を感じる「台湾本土意識」の強い人々がほとんどだ。中国当局は新組織の結成を「台湾独立につながる動き」と警戒を強めている。
関係者によると、全台連は日台関係の促進を図ることを主な目的にしている。6月4日に都内のホテルで結成大会を開催する。日本台湾医師連合、美麗島交流会、栃木台湾総会、九州台日文化交流会など、日本各地の約20の台湾人団体の代表のほか、台湾を応援する日本の保守系政治家、財界関係者も出席する。
台南出身の在日実業家、趙中正氏が初代会長に就任する予定で、今後、日本の親台湾組織「李登輝友の会」と連携を深めるとしている。
結成大会を6月4日にしたのは、1989年のこの日に、中国当局が民主化運動を武力弾圧した天安門事件が発生したことを意識したという。民主化を応援し、中華独裁政権と決別する決意が込められている。
中台すべて合わせた在日華人は約80万人とも100万人とも言われる。そのうち、台湾にルーツを持つ人は1割以上とみられる。今後、その多くは全台連に合流するとみられ、海外における最大級の台湾人団体になる可能性がある。
中国当局は台湾人団体が「華僑組織」から離れる動きが世界各国に広がることを警戒し、情報収集を急いでいるという。