ビジネスなどにおける知的財産(知財)活用をテーマにした特許庁のセミナー「つながる特許庁in佐賀」(佐賀新聞社共催)が17日、佐賀市で開かれた。県や県内企業の代表者らが、知財やデザインを生かした地域振興について意見を交わした。
パネル討論で宮原耕史県SAGA2024・SSP推進局長は、県が進める「さがデザイン」について、「地域をよりよくするためにクリエーターの力を借りて課題の本質をあぶり出している」と説明。その上で「(事業などの)コンセプトを大事につくれば、縦割りでなく横のつながりで協業できる」と呼びかけた。
佐賀市出身の建築家西村浩さんは、佐賀のクリーク網の地図などから着想した図柄を県内の施設やファッションに盛り込んでいると紹介し、「県内各地の柄をいろんなものに使ってもらい、地域の誇りを醸成できたら」と考えを話した。
つまずきにくい靴下などを開発したイイダ靴下(江北町)の佐竹裕介企画販売部課長は「競合の中で商標や特許を取得して生き残ってきた」と語り、「知財とうまくつきあうことで製品を世に出せる体制を続けていきたい」と述べた。
対談や講演などもあり、オンラインを含め162人が耳を傾けた。セミナーは全国9都市で開催している。(北島郁男)