佐賀県などは焼き物の町を舞台にしたクリスマスイベントを有田町、伊万里市のそれぞれで企画している。イルミネーションや音楽ステージなど若い世代が楽しめる仕掛けをたくさん盛り込み、新たな焼き物ファンの開拓を狙う。(青木宏文)

アリタ・マシュマロ・クリスマス

オープニングセレモニーに山口祥義知事らが参加してイルミネーションがともされた=有田町のアリタセラ

 有田町のアリタセラで14、15の両日、「アリタ・マシュマロ・クリスマス」が開かれた。有田焼とマシュマロを組み合わせたユニークなイベントで、「マシュマロ狩り」や焼き物作りのワークショップなどを大勢の人が楽しんだ。21、22日も開く。

焼きマシュマロを楽しむ子どもたち=有田町のアリタセラ

 県によると、初開催だった昨年は4日間で約5万人が訪れた。若い世代が多く、焼き物になじみのなかった人にも有田焼を知ってもらうきっかけになった。

 会場にはマグカップからマシュマロがあふれ出す様子を表した高さ8メートルの「マシュマロツリー」を設置。有田焼の染付を連想させる白と藍色の装飾を施し、6万球のイルミネーションも同じ色で統一している。ツリーは25日まで設置する。

 14日は夕方にオープニングセレモニーがあり、夜は音楽ステージや花火でにぎわった。マシュマロ狩りを子どもと楽しんでいた福岡市の東本かおりさん(50)は「インスタで知って面白そうだったので来た。アリタセラは初めてで、カフェもあっておしゃれな所だなと思う」と話した。

マシュマロ狩りを楽しむ親子=有田町のアリタセラ

イマリ・キャンドル・クリスマス

大川内山の「煙突キャンドル」は25日まで設置される=伊万里市大川内町

 伊万里市の大川内山では21、22の両日、「イマリ・キャンドル・クリスマス」が初めて開かれる。窯元が集まる町並みがキャンドル(ろうそく)でライトアップされ、音楽ステージやワークショップを楽しめる。

 大川内山は江戸時代に鍋島藩の窯があり、幕府への献上品を作るため優秀な陶工が集められた。その伝統を受け継ぐ約30の窯元が、岩山を背後に軒を連ねている。

 窯元の煙突をキャンドルに見立てた照明や、通りに並べた3千個のキャンドルが焼き物の里を温かく照らす。シンガー・ソングライターの七尾旅人さんらが出演するステージや、焼き物作りのワークショップ、雑貨や飲食の販売もある。


 両イベントの問い合わせは県文化課、電話0952(25)7236。