女子テニスの元世界ランキング1位の大坂なおみ(27=フリー)が19日、都内で女の子のスポーツ参加促進やジェンダー平等推進を目指す社会貢献事業「プレー・アカデミー」のイベントに参加した。小学4年から中学3年まで約40人の女子児童・生徒と交流し「スポーツは楽しむことが大事。いろいろなことに挑戦してほしい」と笑顔で呼びかけた。
スポーツ庁の昨年度の調査によると、1週間の総運動時間が60分未満の中学生は男子の約11%に対し、女子は約25%だった。イベントでは鬼ごっこやテニスの要素が入った新スポーツ「ピックルボール」でともに楽しんだ大坂は「スポーツをすることで協調性や忍耐力など多くのことが学べるし、世界も広がる。認識が変わっていけばいい」とスポーツの輪を広げる狙いを語った。
この事業は大坂がスポーツ用品大手ナイキなどとともに2020年に立ち上げたもので、メンタルヘルス(心の健康)のプログラムもある。大坂は「(世界ランク)1位や5位の頃は結果を受け入れられない時もあった」と言うように、過去にはうつの告白も。同事業も絡み、自身と向き合ったことで「私はすごく強くなった。自分を信じられるし、どの試合からも学びがあると感じる。特に娘が生まれてからはメンタルは安定している」と言えるようになった。
父の故郷ハイチでも活動する意向。「世界に広げていきたい。娘や子どもたちのお手本になることは、どのトロフィーよりも大事」と強調した。