プロボクシング元WBC世界フライ級王者で現WBA世界バンタム級4位の比嘉大吾(29=志成)が15日、東京・目黒区の志成ジムで練習を公開した。24日に東京・有明アリーナで同級王者堤聖也(29=角海老宝石)に挑戦する。この日は、シャドーボクシング、スティックミットを活用したディフェンス練習で順調な調整ぶりを示した。さらに減量と最終調整で疲労も蓄積する中、70キロのバーベルを腰の位置まで持ち上げて振り回す体幹トレーニングも披露した。

報道陣を前に「きつい」と苦しい表情をみせながらもフルメニューを消化した比嘉は「相手の嫌なボクシングをしてくる。1番は気持ちの強さですけど。攻撃もそうだし、予想外のボクシングをしてくる。それを含めて全部、想定した上でやっている」と手応え。世界戦以上のラウンド数となる14ラウンドのスパーリングなども消化。スタミナ、持久力も鍛えてきただけに「自分のやれることをやって。あとは野木(丈司トレーナー)さんに任せて、当日、自分の体に任せるしかない」と自信の表情を浮かべた。

公開練習を視察した王者堤陣営の石原雄太トレーナーは「いつも通りの調子の比嘉選手だなと。雰囲気はいつも通りだが、やはり体幹が強いと思いますね」と率直な印象を口にした。約4年4カ月ぶりの再戦となる。過去にスパーリングでも拳を交えてきた関係だけにお互いの持ち味は熟知している。石原トレーナーは「(比嘉は)試合とスパーリングで本当に違うので本当に警戒心を持ってトレーニングしています」と明かした。【藤中栄二】