トランプ「米にケンカ売る国は容赦しない」の本気度。世界を火の海にしかねぬ“トランプ2.0外交”の大混乱

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デンマーク領のグリーンランド購入やパナマ運河の獲得など、大統領就任前から次々と物議を醸す発言を繰り出すトランプ氏。今月20日の新生トランプ政権誕生からの4年間、世界はどのような事態に見舞われるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、「トランプ2.0」が国際社会にもたらす影響を外交面にフォーカスし予測。併せてウクライナや中東地域において米国がどのように振る舞うべきかについて考察しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:“ハリケーン・トランプ”は世界に平和と取り戻すのか?それとも秩序の完全なる崩壊に導くのか?

“ハリケーン・トランプ”は世界に平和と取り戻すのか?それとも秩序の完全なる崩壊に導くのか?

今回のタイトルにもなったこの問い。

正直、私にも皆目答えは分かりませんが、このような問いが頻繁に投げかけられる状況から、各国も、ビジネス界も、トランプ政権の再来に期待と不安の両方を抱き、その動向に、政権発足前から注目していることが分かります。

新年早々、開会された米連邦議会では、大統領選を戦ったカマラ・ハリス氏が、現職の副大統領として、議会上院においてトランプ氏の当選を確認し、これで実質的にトランプ政権の再来が制度的にも確実になりました。

あと10日ほどで第2次トランプ政権が誕生し、世界はこれからの4年間、ドナルド・トランプ氏が率いるアメリカ合衆国と付き合うことになりますが、それはどのような4年間であり、その影響は“その後の世界”にどのように及ぶのでしょうか?

トランプ氏に心酔し、自他ともにアルゼンチンのトランプと称するミレイ大統領や、「きっとトランプ氏は露骨な形でイスラエル、特に自分の味方をしてくれるだろう」と期待するイスラエルのネタニエフ首相は分かりやすいとしても、イタリアのメローニ首相が、バイデン大統領のイタリア訪問を前に、マーアラーゴ(フロリダのトランプ氏の別荘)を訪れて、親密さをアピールする姿はちょっと意外に映りました(まあ、彼女はイタリアの極右政党を率いていますので、共通点が見いだせないわけではないのですが)。

それに反して、北朝鮮は、前政権時にトランプ大統領との歴史的な首脳会談を行ったにも拘らず、今はロシアの庇護があるからでしょうか、トランプ氏のアメリカに対して“超強硬戦略”で臨むと表明して、早くも対決姿勢を強めています。

あとの国々は、「実際に政権運営が始まるまで何が起こるか分からないから」と静観を決め込んでいるようですが、トランプ大統領がどのような出方をしてくるのか、戦々恐々としていると思われます。

イランはトランプ前政権時には目の敵にされ(というよりは、トランプ大統領のオバマ政権への当てつけと対抗の餌食)、イラン核合意からの脱退に始まるイランの国際社会への復帰を阻まれたこともあり、「きっと第2次政権でもイランに強硬姿勢で臨むのではないか」と身構えているようです。

特にイスラエルの攻撃によって、支援してきたハマス、ヒズボラ、そしてシリアが崩壊もしくは著しく弱体化され、イランの面子を潰されたこともあり、国内外で政権への突き上げが起きていることで、これまで以上に、イランは体制維持のために強硬手段に出かねないという懸念を抱いています。

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