アマゾンの(ズル)賢い税金戦略とは
アマゾンは、現在、先進国を中心に、世界中でビジネスを行っています。そして、アマゾンはタックス・ヘイブンをうまく活用して、大幅な節税を行っていることで知られています。アマゾンは、子会社を税金の安いタックスヘイブンに置き、グループ全体の利益をそこに集中させて、節税をしているのです。クレジットの決済機能をアイルランドのタブリンに置いたり、ヨーロッパでのビジネスの利益はルクセンブルグに集中するようになっています。アイルランドもルクセンブルグも、世界的にタックスヘイブンであり、特にルクセンブルグは、アマゾンに対してはさらなる税優遇措置を講じています。もちろん、これは世界中から非難を浴びています。
が、アマゾンは、グループ全体の納税額の半分をアメリカで納めています。2013年を例にとると、アマゾンは全世界で300億円程度の税金を納め、その約半分はアメリカに納めています。実は、ここがミソなのです。
アメリカにもっとも多くの税金を納めることで、アマゾンはアメリカの税務当局の心象をよくしているのです。そのため、アマゾンが他の国から課税問題でもめたときには、「文句があるならアメリカ政府に言え」ということができるのです。アメリカの税務当局は、アマゾンが他の諸国で税金を払うよりは、自国で税金を払ってもらいたいと思うわけです。結果、アメリカの税務当局がアマゾンの後ろ盾になる形で、アマゾンのグローバル節税が可能になっているのです。