「よく寝付けるような気がするから」という理由で、寝る前にお酒を飲むのが習慣化していませんか? 仕事の疲れを癒すのも大切ですが、飲酒で睡眠の質が落ちてしまうことがわかってきました。睡眠評価研究機構の代表で医学博士の白川修一郎氏によると、「お酒は、睡眠にとって百害あって一利なし」とのこと。今回は、睡眠専門メディア「Fuminners(フミナーズ)」の記事より、お酒と睡眠が相成れない理由についてご紹介します。

アルコールで眠くなるように感じられる理由

お酒を飲むと眠くなる原因は、アルコール自体に眠くなる作用があるわけではなく、覚醒が妨害されているから眠くなるのだそうです。

アルコールには睡眠を直接引き起こす作用はありません。実は、多量のアルコールによって覚醒が抑制されているだけで、レム睡眠や深い睡眠は減ってしまうのです。また、アルコールが代謝されると、中途覚醒が増えて眠りが妨害されます。そのうえ、交感神経(自律神経系のひとつ)も休息しないので、朝起きたときに疲れがとれていないと感じる原因にもなります。

さらに、毎晩のようにお酒を飲んでいるとアルコールへの耐性ができるので、「寝つきがよくなる」「深く眠れる」と感じる錯覚効果はなくなります。これが、アルコールの摂取量がどんどん増えてしまう一因になるのです。

アルコールの作用は長続きしない

寝る前にアルコールを飲んで「睡眠薬の代わり」にしている人も多いかもしれません。でも、白川博士によると、眠くなる効果は持続しないそうです。

寝酒を睡眠薬の代わりにする人もいますが、微量のアルコールは脳を興奮させ、寝つきを妨害します。少量のアルコールで寝つきがよくなったように感じても、5日ほどで耐性ができてしまい、効果は長続きしません。

また、アルコールの利尿作用によって、お手洗いで起きてしまうことが多くなるのも問題です。

それでは、夜のお酒にはどうやって付き合っていけばいいでしょう? 白川博士によると「就寝3時間前からは飲酒しないこと」を心がければ、お酒との上手な距離を保ち、睡眠の質を保てるそうです。白川博士からの詳しいアドバイスは以下のリンクから参照してみてください。

眠れないときにお酒を飲むことはよくないことですか?|Fuminners(フミナーズ)

(ライフハッカー[日本版]編集部)

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