存在があたりまえすぎて忘れられがちな水。でも、身体に入れるのに最も適したものは、水なのです。そこで、健康的な習慣として、できるだけたくさんの水を飲む方法をお伝えします。

水をたくさん飲んだ方がいい理由

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水は生きるためにも必要ですが、それだけではありません。間接内でクッションと潤滑剤の役割を果たし、脳や内臓を守り、体温を調節し、尿や便、汗として体内のごみを排出するなど、たくさんの機能を司っているのです。人はほぼ水からできていると言いますが、あれは真実なのです。

水が足りないと、脱水症状が起こります。脱水症状になると、ドライマウス、血圧低下、頭痛、めまい、ドライスキンなどの症状が出るほか、何よりも疲れやすくなってしまいます。逆に言うと、水を飲むことで、どんな病気にも多少の効果はあると言えるでしょう。脱水症状は、自覚を伴わないことがあるので注意が必要です。もっとも手っ取り早く確認する方法は、尿の色を見ること。透明の薄黄色(または無色)が理想的な状態です。色が濃い場合は、水が足りていないと考えてください。

ではいったい、私たちにはどの程度の水が必要なのでしょうか。以前、必要な量を具体的に提示することは困難と知りつつ、Pamila Brar医師に相談したところ、以下のようなガイドラインを教えてくれました。

  • 男性:1日3リットル(約コップ13杯)
  • 女性:1日2.2リットル(約コップ9杯)

男性の方が多いのは、平均的に体が大きいのと、筋肉が多いためだそうです。筋肉は、脂肪よりも水を多く保持します。もちろん、妊娠中や授乳中であれば、女性でも多くの水が必要です。

「え、そんなに飲むの?」と感じたあなた、それは危険信号です。単純に計算すると、1時間当たりほんの4から8口の水を飲むだけでいいんですよ。といっても、忘れずに飲むことが課題なのですが。

ほかの飲み物に目移りしてしまうことも課題です。炭酸飲料やスポーツドリンクは、のどを潤すのに適していると思われがちですが、大量に含まれる砂糖と添加物はあなたのためにはなりませんし、いっそう喉が渇く原因になることも。ですから、できるだけ水を飲んでください。どうしてもほかの飲料に手を出すのであれば、水も一緒に飲むこと。それに、何といっても水は安い! 「The Simple Dollar」のTrent Hamm氏によると、炭酸飲料の代わりに水を飲むことで、年間312ドルもの節約になるそうです。

日々の活動にも気を付けましょう。身体を動かす仕事や運動をしていると、必要な水の量が劇的に変わります。コーヒー、カフェイン入りの紅茶、お酒を日常的に飲んでいる場合も同様です。これらを飲むと、利尿作用によってトイレが近くなり、体内の水が不足しがちなのです。暑い季節にも、発汗で水が失われます。水を取りすぎることによる問題もありますが、身体は1日15リットルもの水を処理できます。だから、飲みすぎをそこまで心配する必要はないでしょう。

習慣として取り入れる

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起きてすぐと寝る前に、水を飲む習慣をつけましょう。朝のコーヒーを飲むのはOKですが、その前に水を1杯飲んでください。ブログ「Natural Choice」では、毎日の習慣として、同じ時間に同じ場所で水を飲むことを勧めています。

朝のシャワー後と夜の洗顔前に水を飲むことを習慣にすれば、少なくとも1日2杯の水を増やすことができます。

起きて1杯。寝る前に1杯。たったそれだけのことで、いろいろなことがうまく行くようになります。これを習慣に取り込むことが難しければ、目に見える位置に水を置いておくのがオススメ。水の入ったグラスを、ベッドやコーヒーメーカーの近くに置いておけばいいのです。

ボトルに時間ごとの目標を書き込む

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水の摂取量を増やすには、ウォーターボトルが便利です。ちょっと高くても、質の高いものを選んでください。ステンレス製や、丈夫なプラスチック製のものがオススメです。お気に入りのものを手に入れたら、常に持ち歩きましょう。

ボトルに時間を書き込むのも効果的。テープやラベルマーカーを使って、毎日何時にどこまで飲むかの目印を付けるのです。目標が見えているので、遅れているのか進んでいるのか、瞬時に判断できます。

自分仕様のボトルを作ってしまうのもいいでしょう。「SparkPeople」のCindy Dysonさんは、自分のボトルを好きになるほど、使う頻度も増えると述べています。

色が好き、デザインが個性的など、理由はなんでも構いません。愛着が増すほど、紛失は減ります。ステッカーや写真を貼ったり、消えないペンで絵を描いたりするだけで、1日中いつでも飲むための準備は万全。空っぽになったら、すぐに補充することを忘れないで。

実にさまざまなボトルが販売されていますが、何よりも大切なのは、あなたが気に入っているかどうか。使いたくない、見たくないようなボトルでは、絶対に長続きしませんよ。

ゲーム化する

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いろいろなことに効果を発揮するゲーミフィケーションは、水を飲むことにも適用できます。マイルストーンを達成したら自分にご褒美というような、インセンティブを用意するのです。たとえば、1週間連続で目標を達成できたらご褒美といった報酬型でも、目標を達成できなかった翌日はゲーム禁止といった罰則型でも、どちらでも構いません。

やる気を維持するために、競争を取り入れるのもいい案です。Tri Sport Girlさんは、自身のブログにおいて、自分との戦いにおいても、競争がパーフェクトだと言います。

なんでも競争にしてしまうことで、楽しくなります。水の摂取にも、同じコンセプトを適用しましょう。たとえば、昼休みまでにどれだけの水を飲めるのか(自己ベストは1.25L)、2Lを何時までに飲めるのか(自己ベストは午後2時36分)など。

朝起きてすぐに大量の水を飲んでおしまい、ではいけません。分散して飲む方が身体のためなのですが、これがなかなか難しいもの。そこで、ゲーミフィケーションが好きか嫌いかは別として、使いやすいツールを見つけて、毎日の結果を記録するといいでしょう。ゲームの進み具合を見るだけでも、やる気の継続につながります。

タイマーをかける。心の中でトリガーを作る

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それでもすぐに忘れてしまうあなたは、スマホのアラームを使いましょう。1日に何回か鳴るようにセットし、そのうちの1回は、大量の水を飲むという内容にしておきます。やりすぎに感じるかもしれませんが、スマホに水を飲めと叫ばれると、はっと我に返ることができるでしょう。

しかし、本当の意味での習慣とは、外部からのヘルプがなくても行動できるようになること。そこで、心の中でトリガーを作っておくのもいいアイデアです。たとえば、「お腹がすいたら水を飲む」というのはいかがでしょう。これは、胃腸にとって消化の準備になる、水分を補給できる、空腹が緩和されるという一石三鳥の方法です。それほどお腹が空いていなくても、脳が誤った信号を出していることがあるのです。

心の中のトリガーとして、トイレに行くたびに水を飲む、仕事を休憩するたびに水を飲む、ジャンクフードが食べたくなったら水を飲むなどの方法もあります。必ず守らなければならない義務にしてしまうのもいいでしょう。女優のLauren Conradさんは、1リットルの水を飲み終わるまでは食事を食べないというルールを自分に課しているそうです。これは極端な例かもしれませんが、このようにして水が1番、食べ物が2番という意識付けをすることは、とても大切です。

水をちょっぴり飾りつける

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退屈なH2Oにちょっと手を加えることで、飲むのが楽しくなることもあります。たとえば、水にフルーツやきゅうりをいれておくだけで、糖分を取らずにフレイバーを楽しむことができます。氷の中にレモンのスライスを凍らせておく「レモン氷」や、ショウガやハーブを使うのもオススメです。炭酸のシュワシュワをお望みなら、スパークリングウォーターや炭酸水をどうぞ。

自分仕様のボトルと同じで、お気に入りのグラスを持つことも大事です。大好きなグラスで飲めば、気分もよくなります。たとえば、私はスパイダーマンのグラスで水を飲んでいますが、これが最高なんです。あのスーパーヒーローも水を飲むんだから、自分も飲まなくちゃという気分にさせてくれます。

スーパーヒーローにいくら言われてもときめかないなら、クレイジーなストローはいかがでしょう。ストローで飲むと、長時間かけて飲むことができます。何度も何度も吸っているうちに、どれぐらい飲んだかがわからなくってしまいますが、ゴクゴク飲むよりも努力を要しないため、気がつかないうちにたくさん飲んでいることが多いものです。

水を"食べる"

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食べ物にも水分が含まれます。それだけでは十分ではありませんが、おやつとして食べることで、多少の足しになるものも。果物や野菜には、水分が豊富に含まれますし、スナック菓子やキャンディの代わりに食べることで、ヘルシーでもあります。特に、以下の果物と野菜は、水分が豊富なのでオススメですよ。

きゅうり、レタス、セロリ、ラディッシュ、トマト、ピーマン、カリフラワー、すいか、ほうれん草、いちご、ブロッコリー、グレープフルーツ、アプリコット、さくらんぼ、ぶどう、ズッキーニ

好きなものを選んで、いつでも手元に置いておきましょう。ただし、調理してしまうと水分が失われるので、生で食べるのがベストです。


水をたくさん飲むことで、本当に人生が変わります。十分な水分をとることで、消化が進み、よく眠れ、クリアに考えられるようになるのです。ぜひ、水の味を楽しめるようになって、少しでも多くの水を飲むようにしてください。

Patrick Allan(原文/訳:堀込泰三)

Illustrations and photos by Tina Mailhot-Roberge, B Rosen, Rubbermaid Products, undressedskeleton, rafael-castillo, Anita Hart, Martin Cathrae.