サッカーの第103回全国高校選手権最終日は13日、東京・国立競技場で決勝が行われ、群馬県代表の前橋育英は流通経大柏(千葉)に1―1からのPK戦で9―8で勝ち、第96回大会以来7年ぶり2度目の優勝を飾った。群馬勢の選手権制覇は2度目。決勝がPK戦となるのは大会史上4度目で、10人目での決着は最多。過去最多となる5万8347人の観客が訪れた。
前橋育英は前半立ち上がり、相手の素早いプレスに苦しみ、同12分に先制点を奪われた。その後は積極的に攻め、同31分にMF黒沢佑晟の右クロスからMF柴野快仁がヘディングシュートを決めて追い付いた。後半の45分間と、前後半10分ずつの延長戦でスコアが動かず、勝負はPK戦へ。10人目までもつれる中、後攻の前橋育英は8、10人目をGK藤原優希がセーブ。最後は柴野が成功して勝利した。
試合後、MF石井陽主将は「苦しい時期が多い1年間だったがチームで乗り越えてきた。みんなが助けてくれ、ここまで連れてきてくれた。本当に感謝しかない」と喜びをかみ締めた。
山田耕介監督は「最後まで選手たちを信じて『絶対にやってくれる』と心の中で叫んでいた。本当によく頑張ってくれた。高校サッカーは素晴らしい」と目を細めた。