近年、世界的に海洋鉱物資源の権益を確保する動きが活発化しています。海洋鉱物資源は、分布する場所、形成の仕方、形状、含まれる金属元素の違いなどから、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト及びマンガン団塊の3種類に分けることができます。最近では、第4の資源としてレアアースを含む堆積物(レアアース泥)にも注目が集まり、学術調査の他、資源としてのポテンシャルを評価する試みも行われています。
これらの資源は、銅・鉛・亜鉛などのベースメタルやハイブリッド自動車のモーターや二次電池などに使用されているレアメタルなどの金属元素を含みますが、日本からはるか遠い海域に分布しているものから、日本周辺の海域に分布しているものまで様々です。
日本は島嶼国であるがため、海底の資源開発について主権的権利が確保できる広大な排他的経済水域(200海里以内)を有しています。これに加えて200海里の外側の公海域の資源についても排他的な権益を確保する活動をしており、日本にとって金属鉱物資源の新たな供給源になる可能性を有しています。
こうした背景の中、2007年(平成19年)7月に、海洋に関する基本的事項を定めた「海洋基本法」が発効され、翌2008年(平成20年)3月には、同法を踏まえて、海洋に関する施策を集中的かつ総合的に推進するため「海洋基本計画」が閣議決定されました。また、これを受け、商業化までの工程表を示した「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」が経済産業省によって策定されました。これらの計画は、5年毎の見直しが行われ、現在の「海洋基本計画」は、2013年(平成25年)4月に、「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」は、2013年(平成25年)12月に、それぞれ策定されました。
JOGMECでは、国が定めたこれらの計画を踏まえ、海洋鉱物資源の開発に向けた様々な取組を行っています。
海洋鉱物資源の特徴
注)これらの海洋鉱物資源は、未だ開発には至っておらず、将来の貴重な資源として期待されています。