もう内々定ゲット? 「安定」以上に求めるものは? 就活生106人に聞きました<就活研究隊が行く>
3月7日と8日、札幌市豊平区の札幌ドームで就職情報サービス会社「マイナビ」(東京)が主催する合同企業説明会「マイナビ就職エキスポ」が開かれました。
リクルートスーツに身を包んだ学生が列をなし、企業のブースでは採用担当者が熱心に学生を呼び込んでいました。マイナビによると、2日間の開催で、参加企業数は延べ386社、参加人数は延べ3231人でした。2024年に卒業する大学生、大学院生らを対象にした新卒採用の会社説明会が3月1日に解禁されて以降、北海道内では初の大規模イベントです。
北海道新聞デジタル報道チームでは7日に参加していた学生ら106人に現在の就職活動の状況について聞き取り取材をしました。企業に求めることなど、北海道の就活生の気になるホンネを探りました。
■就活スタート、昨年夏からが最多 すでに内々定持つ学生も
最初に、この日までに「内々定を持っているか」を聞きました。
政府は、就活の日程について3月1日から会社説明会、6月1日から面接などの選考活動、10月1日に内定解禁との「ルール」を定めています。
ただ、就活をめぐる現実のスケジュール感は「ルール」とは随分とかけ離れたものになっているようです。今回、取材した合同説明会に来ている学生の中では「内々定をもらっている」と答えた学生が16人いました。早い人では昨年12月に内々定を得ていたそうです。
7日時点での内々定はゼロでも、面接の最終選考中で、「結果待ち」と答えた学生も複数いました。「ルール」の上では、説明会の解禁からまもなく実施した札幌ドームのイベントですが、来ている学生のうち、少なくない数の学生がすでに就活のゴールである内々定が見えるところまで進んでいました。北海道の就活においても、「ルール」の形骸化と、スケジュールの前倒しが進んでいることが改めて見えてきます。
企業は優秀な学生を早く確保したいとして採用活動のスタートも早めています。学生側は就活スケジュールをどのように作っているのでしょうか。
「いつから就職活動を始めましたか」と学生に聞きました。
取材の中では、インターンシップや企業説明会への参加のほか、自己分析や企業研究を始めるなど、就職活動を見据えた取り組みをスタートした時期について聞きました。
最も多かったのは「2022年夏(6~8月)」という回答で46人を占めました。大学生であれば3年生の夏に、各企業がインターンシップなどのイベントを用意しており、これらの機会に参加することで、就活のスタートを切る学生が多いようでした。
会場にいた室蘭工業大3年の男子学生は22年夏に道内のIT系の企業のインターンシップに参加しました。すでに、採用面接も行われ、3月に入ってから内々定を得られたそうです。「今日の合同説明会には、視野をもっと広げたいと思って、参加しました。ただ、内々定を一つ持っているのと、持ってないのでは心理的な負担が大違いだと思います。じっくり他の企業も検討したいです」と余裕に満ちた表情で話していました。
会場を歩いていると、企業側の学生の呼び込みがすごいことに改めて驚きます。まるで飲食店街を歩いているかのような錯覚すら感じます。熱心に採用活動をする企業側に対し、じっくりと品定めをしている学生側。「売り手市場」と呼ばれて久しい就活の実態を、改めて感じます。
内々定を持っているという学生に聞くと、同じ時期に就活を始めた友人の多くがすでに内々定を得ていたり、内々定までは達していなくても最終面接に進んでいるそうでした。早期に内々定を得るためには、昨年夏以前に就活をスタートして、企業のインターンシップが集中する夏休みに積極的に参加することがポイントのようでした。
取材の中で多くの学生に声をかけていると、思いもよらない反応がありました。「すいません、私、大学2年生なんです」。
え?この合同説明会、3年生ばかりではないんですか?...
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