天候不順の影響で今もキャベツや大根など野菜の高値が続いています。そこで、家計に優しく野菜たっぷりの「あったか料理」をフードジャーナリストの浜このみさんに教えてもらいました。
■キャベツ、白菜、ネギなど高値
年の瀬も押し迫り、鍋料理が恋しくなる時期になりました。中野市の「綿半スーパーセンター中野店」でも鍋に欠かせない白菜やネギなどが並んでいます。
ただー
綿半スーパーセンター中野店・水口憲太郎さん:
「(野菜は)今年は高い傾向にあり、去年と比べても1割ほど単価が高くなっています」
大幅に値上がりしているのが「キャベツ」。長引いた暑さや大雨によって生育不良が続き農林水産省が発表した12月9日から11日の平均小売価格は平年の3倍近くになっています。
綿半スーパーセンター中野店・水口憲太郎さん:
「今年はちょっと高いということで(売り場は)半分のものを広めにとって販売しています。ずっと年末年始も高い状態が続きます」
他に白菜はおよそ2倍、ネギも1.5倍と、鍋料理に欠かせない野菜が高くなっています。おでんの定番「大根」も。
綿半スーパーセンター中野店・水口憲太郎さん:
「今年特に温暖化でずっと高値を推移しています。一本は少し高いですが、買いやすい2分の1カットをそろえています」
需要が高まる年末年始はさらに上がる見込みです。
客:
「野菜は(子どもに)食べさせたいので高いと困る」
「ほとんどの野菜が値上がっているなと感じるので野菜以外の豆腐やほかの物を多めに代用して」
■レンコン、キノコは手ごろな価格
一方、手ごろな価格のおすすめ野菜も。
綿半スーパーセンター中野店・水口憲太郎さん:
「今年はレンコンが他の野菜に比べて価格が安定していて、たくさん入っているので買いやすいと思います」
こちらの店では入ってすぐの「鍋コーナー」にレンコンも並べてPRしています。
工場生産で供給が安定している「キノコ類」もお薦め。「白菜」も一時期よりは価格が安定してきたと言います。
綿半スーパーセンター中野店・水口憲太郎さん:
「例年だとこの時期から上がっていくのですが、その中でも上がらないものもあるので」、価格が安定したものをご購入してもらえれば」
■体も家計も「あったか」キムチ鍋
まだまだ続きそうな野菜の高値。そこで、食材を一工夫した家計に優しい「あったか料理」をフードジャーナリストの浜このみさんに提案してもらいました。
アナウンサー:
「浜さん、まず最初はどんなメニューを?」
浜このみさん:
「冬の定番、キムチ鍋を作りたいと思います」
材料は豚肉やモヤシ、キノコ類など。そして、野菜はー。
浜このみさん:
「今、葉物野菜が高くなっているので、鍋はどうかなと思うかもしれませんが、一工夫!今回使うのが、キムチの漬物です」
アナウンサー:
「もう加工されて販売されているもの?」
浜このみさん:
「これだと、白菜で味もついているので、一石二鳥、切る手間もない」
■加工食品使うのがポイント
価格の変動が少ない加工食品を使うのがポイントです。
作り方は至ってシンプル!まず水、鶏がらスープの素、しょうゆを入れ、火にかけます。
浜このみさん:
「ここで入れるのが、さきほどの白菜キムチ。具材でもあり、味付けにもなる。
汁も入れて」
さらに「なめ茸」も投入!だしとなって味に深みが増すそうです。
ひと煮立ちさせたら、豚肉や残りの具材を入れていきます。
浜このみさん:
「今回はエノキタケとブナシメジを入れます。栄養的にもものすごく優れているので、たくさん食べてほしい」
「価格の優等生」キノコはたっぷりと!種類は、何でもOKです!
■「家計お助け食材」もやし、豆苗も
そこに「家計お助け食材」の代表格・モヤシと油揚げ、そして「豆苗」を入れます。
浜このみさん:
「(豆苗は)炒め物に使うイメージがあるかと思うのですが、鍋にも最適。安い、そして何回も栽培できるので、はさみで切ると便利」
実は冒頭で紹介したスーパーでも豆苗をプッシュしています。
綿半スーパーセンター中野店・水口憲太郎さん:
「価格がずっと安定しているので。お客さんによっては、そのまま水に入れて再生する人もいます」
豆苗は一度使っても再び根から育てることができるそうです。生でも食べられるので、鍋に入れるのは一番最後。
浜このみさん:
「家計お助け野菜を使ったキムチ鍋、完成です」
味は?
アナウンサー:
「あったまる、おいしい!このスープが濃厚で、コクがあって、ピリ辛なので、体の芯から温まる気がします。豆苗のシャキシャキとした食感も合わさってとてもおいしいです」
■〆の雑炊には長芋も投入
これで終わりではありません!
具材を食べ終わったら、しめの雑炊も!プラスするメインの食材はー
浜このみさん:
「長芋なんです。盛んに栽培されていて、なにより今が旬。長芋は今年お手頃値段になっているかと思うので、それをしめに使います」
スープにご飯を入れて温めます。そこにすりおろした長芋を流し込み、ピザ用チーズをかけます。お好みでのりを乗せたらとろ~りチーズがたまらない長芋雑炊の完成です。
アナウンサー:
「すりおろした長芋がとろとろふわふわで、あとからチーズのコクがやってくるので、満足感が高い一杯に。長芋とチーズを入れることで、洋のリゾット風の雑炊に」
■包丁使わず「焼きそば」
最後にもう一品。なんと包丁を一切使わずに作ります。
浜このみさん:
「年末年始、とても忙しいので、時短になる焼きそば」
用意するのは市販の焼きそばにウインナー、エリンギ、そしてカット野菜。
浜このみさん:
「リーズナブルなお値段で、しかも洗わなくていい、切らなくていい、まさに時短」
実はカット野菜も価格の変動が少なく、店のお薦め商品になっていました。
綿半スーパーセンター中野店・水口憲太郎さん:
「価格も安定していて、いろいろ種類も入っているので、おすすめしています。例年よりは売り場を広げて販売しています」
浜さん提案の時短やきそば。作り方も工夫しています。
浜このみさん:
「(麺は)ほぐさないで焼きながらほぐす。自然にほぐれますので、ちょっと蒸してから、最後に絡めるときにほぐした方がいい」
麺の上にごま油、水をかけ手で割いたエリンギと、カット野菜を乗せます。
ウインナーもそのまま投入!酒をかけ5分ほど蒸したらー
浜このみさん:
「いい感じに蒸されています。焼きそばがほぐれているか見てみましょう。こんなに簡単にほぐれています」
■10分で完成!
最後に付属の粉末調味料をかけて軽く混ぜ合わせたら完成。時間はわずか10分です。
浜このみさん:
「家庭料理のいいところは何がなくてはならない、何を入れなくてはいけないという決まりがないので、その時に応じて、ちょっと工夫すると新たな発見があって楽しいですよね」
物価高が続く今少しでも安く、そして手軽に。
この年末、皆さんもトライしてみてはいかかでしょうか。