ちらっと聞こえてきた会話から。
“decrease”という言葉が出てくる文章を読んでいる際、動詞だと思って覚えていたので名詞として出現した時に戸惑った、という話。
以下、どちらとも「日本での売上が10%落ちた」という意味。二つ目はdecreaseが名詞として使われている。
The sales in Japan decreased by 10%.
The decrease in sales in Japan was 10%.
これ自体はただのルールなので覚えるしか無いわけだけど、今回引っかかったのは「動詞として覚えていたから名詞として登場した際に混乱する」という事。
複数の言語を操る際に一番大事だと筆者が思っている点は言葉を理解するという事は「イメージを共有する」ことです。使われている語句の意味や順番を解析する事ばかりに集中していると理解に時間がかかるし、本題である文章や語られている内容そのものを楽しく理解できない。
ではどうするか。我々は折角日本語・漢字という表語文字を持った文化とともに生きているので、できるところではなるたけ外国語の単語は「イメージ」で覚えるとよいと思う。そうした上で、名詞なのか、動詞なのかは敢えて「読み飛ばす」。
今回最初にあがった”decrease”という言葉は「減る」「減少」という意味だ。と言うことは覚えるべきは「減」という漢字のイメージであり、”decrease”という言葉を見つけた時に頭の辞書から引き出してくるのはこの一文字だけでいい。それが「減る」なのか「減少」なのか気にするのは文章全体の意味がこんがらがった時だけでよくて、あなたは「何かが減っている、減った」というイメージだけを頭に入れて文章の続きを捉えればいい。
実際、日本語であなたが文章を斜め読みする際にはほとんどの語句が動詞かどうかだなんて考えていないはずだ。「減る」なのか「減少が見られる」なのかは「減る」という行為のイメージを持った上で他のコンテキストと結びつけることによって、詳細が補完されていく。
これはあくまで文章を理解するための考え方であって、文章を書くときはまた別の話。読んだり聞く時は動詞だ名詞だはまず忘れて、イメージを覚えるほうがいい。それがどう文章の中で機能するかは全体の意味がわからなかった時に戻ってくる、くらいのスピードでやったほうが新しい言語を覚える時には楽しいと思うのです。