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【キャリアクエスト】食費を削ってCGに打ち込み『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』の3Dアニメーターに!KONAMIで働くT.K.さんに聞く、ゲーム業界に就職するために必要なこととは?

今回のインタビューは、株式会社コナミデジタルエンタテインメントに新卒で入社後、3Dアニメーターとして活躍されているT.K.さんです。

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【キャリアクエスト】食費を削ってCGに打ち込み『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』の3Dアニメーターに!KONAMIで働くT.K.さんに聞く、ゲーム業界に就職するために必要なこととは?
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Game*Sparkと4Gamerは12月22日(日)に、東京ビッグサイトにて第2回「キャリアクエスト」を開催します。こちらのイベントは「ゲーム業界で働きたい」と考えている学生の皆様に向けた就活イベントです。

本記事ではこちらのイベントにあわせて、実際に現場で働いている方に質問を投げかけた“ゲーム業界を目指す学生のためのインタビュー”をお届けします。

今回のインタビューのお相手は、株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)に新卒で入社後、3Dアニメーターとして活躍されているT.K.さん。『SILENT HILL: The Short Message』『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』などの開発に携わっています。

なお、本記事はGame*Sparkと4Gamerによって共同制作された連載記事となります。

【ゲーム業界就活イベント】キャリアクエスト公式サイトはこちらから!

業界を志すきっかけは映画「寄生獣」。食費を削ってCGを猛勉強

――本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介と、入社年度とお仕事についてお聞かせください。

T.K.:2020年度からKONAMIで働いています。入社から現在まで3Dアニメーターとして、家庭用ゲームの開発に携わっています。

開発に関わった作品で代表的なものだと『悪魔城ドラキュラ - Grimoire of Souls』『SILENT HILL: The Short Message』『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』があります。

ほぼすべてのアニメーションを作り変えたという『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』。T.K.さんも開発に携わっている。

――学校ではどのような分野を学ばれていましたか。

T.K.:日本工学院八王子専門学校のCG映像科(3年制)に在籍し、3DアニメーションとCG全般について学んでいました。

そこは3Dモデリングと3Dアニメーションに分かれていくんですが、僕は3Dアニメーションを専攻しました。映画、ゲーム、アニメなどジャンル問わず、アニメーションについて幅広く勉強していましたね。

――学生時代に打ち込んできたことについてお聞かせください。

T.K.:ずっと学業ばかりで、アルバイトをする時間もなかったです。昼夜問わずCGに没頭して、お金もないので食費も削っていました。

――それほどの熱はどこから来たんですか?

T.K.:山崎貴監督の「寄生獣」という映画がありまして、僕が高校生の頃にその映画のメイキング番組がテレビで放送されていたんです。

「CGを作ってそれを仕事にしている人間がいる」ということを初めて知り、面白そうだなと思ったのがきっかけです。そこからはCGの勉強を真剣にやらないといけないなと考えました。

それで覚悟を決めて、地元の鳥取県から上京するときに、スマ-トフォンにインストールしていたモバイルゲームを全部消して、勉強に集中しました。

――凄まじい覚悟ですね……。ちなみにCGに没頭した経験は、現在の仕事に活かされていますか?

T.K.:直接繋がっています。そもそも仕事に繋がるような勉強が好きだったので。

――具体的にどんなソフトを扱っていましたか?

T.K.:学生時代は主にMayaを触り、社会人になってからもMayaです。加えて、Unreal Engine、DaVinci Resolveも触れています。あとは手描きアニメも作るようになりました。

――絵も描くのですか?

T.K.:でも、絵を描くのは苦手なんですよね。上手くなりたいです。

ミリタリーアクションと野球とサッカーが好きだったからKONAMIを第一志望に

――就職活動時は、どのような業界をチェックされていましたか。

T.K.:最初は映画業界を考えていて、CG会社に入社するものと思っていました。けれど、学校に入ってみるとゲーム会社に就職している先輩が多くて、2年生からはゲーム業界ばかり考えていました。

――先輩の影響が強かったんですね。

T.K.:目指した理由は先輩の影響ですが、明確に意識したタイミングがあって、他の会社のインターンに参加したことです。実際のゲーム制作を体験させていただいて、その際に楽しさを感じたんですよね。

――もともとエンタメ系のコンテンツに興味をお持ちでしたか?

T.K.:幼少期からアニメ・映画・ゲームが好きでした。思い出の作品は「スターウォーズ」で、クリスマスプレゼントでDVD-BOXを貰ったんですよ。エピソード1ばかり繰り返し観ていました。特にレースシーンが大好きでした。

高校生ではアニメばかり観ていて、とりあえず放送されているアニメの一話は全部チェックしていましたね。特に好きなのは「ハイキュー‼︎」で、高校生のときに観てからずっと今でも楽しんでいます。

――「業界の動向」「福利厚生」「働き方」など、就活時に重視されていた要素はありますか。

T.K.:新卒で入るとなると、配属される部署がどこかわからないということもあって、できるだけ自分が好きなコンテンツを作っているところにしようと思っていました。当時、ミリタリーアクションと野球とサッカーが好きだったので、KONAMIを第一志望にしたんです。

――面接時に伝えられて印象的だったことはありますか。

T.K.:自分から質問したことなのですが、当時は「メタルギア」や「サイレントヒル」シリーズの動きに音沙汰がなくて「これから家庭用ゲームを作る予定はありますか?」と正直に聞いたんです。

そこで面接官の方が「作りますよ」と返してくれたんですけど、当時の僕は半信半疑でした(笑)。でも、実際に発売されたので、約束を信じて入社して良かったですね。

あとは「全然緊張してないですね」とも言われたのですが、これは過去に一度だけ他社にも面接に行っており、そこでめちゃくちゃ緊張してしまったということがあって。頭痛が起きるくらい酷かったんです。KONAMIの面接はそれがなかったので、これも縁なのかなと思いました。

――入社の決め手は、どのようなものでしたか。

T.K.:就活前にKONAMIの社員の方とは繋がりがあって、よく学校に来てくれていたんです。カジュアルに話す機会も多かったので、就活前から安心感がありました。そういう意味では、企業側の学校訪問というのは大切なのかもしれませんね。

強烈に響いた恩師からの言葉

――就職が決まり、入社する前に「楽しみだったこと」「不安に感じていたこと」をそれぞれお聞かせください。

T.K.:不安のほうが大きかったですね……。一番は、自分がどんなゲーム開発に携わることになるのか、そしてその作品は世の中にちゃんと発売されるのか、ということです。先ほどお話した通り、私が入社した当時のKONAMIは、家庭用ゲームをたくさん出していた時期ではなかったので。もちろん、技術的にプロのレベルについていけるのか、というのもありました。

楽しみだったことは、アルバイトをほとんどしてこなかったので、CGを作りながら給料をいただけるという点でした。今もCGの仕事しかしていないので、夢みたいな状況ですね。

――それらの「楽しみだったこと」「不安だったこと」について、入社後には実際にどのように感じられましたか。

T.K.:先輩たちとの技術的な差はあったんですが、その差を埋めてくれる研修がありました。自分からすると丁寧すぎるくらい丁寧で……といっても、社会人としてのマナーや常識に関する研修は、コロナで初めて緊急事態宣言が出たタイミングで、1日しかありませんでしたが。

ただ、CGに関する研修は時間を取ってくれて、研修やOJTが半年間もありました。本当にスローペースで、最初は『悪魔城ドラキュラ - Grimoire of Souls』の敵キャラクターのモーションだったのですが、今だったら半日で終わる仕事を、研修では1週間くらいかけて、先輩からリテイクを貰いながら作っていました。

――就活生だった頃のご自分に何かひとつアドバイスをするとしたら、どのようなメッセージを伝えますか。

T.K.:当時、専門学校の先生に言われて強烈に響いたことがありまして、それは「外に出ろ」という言葉です。

自分はCGに夢中で家に引きこもっていて、課外活動にも出ていなかったくらいだったんですが、見かねた先生が「作品を作ってるだけだと意味がない。とにかく世の中に発表しなさい」と言ってくれたんですよ。

それからはインターンにも出るようになって、軌道に乗った感じがしたんです。別の学校の学生とも出会って就活の情報交換もしました。家にいただけだったら何も生まれなかったでしょうね。

――ありがとうございました。


覚悟を決めてCG一本で頑張っていくことを決めたその姿に、背筋を正される思いがしました。T.K.さん、ありがとうございました!T.K. さんにはこのほかにも、入社してからの経験や苦労などについてもインタビューしています。詳細はこちらからご覧ください。

ゲーム業界に入って改めて分かった大切なこと。
入社後についてのキャリクエインタビューはこちらから!
ライター:各務都心,編集:TAKAJO

ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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