University of Nebraska-Lincoln
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)が保有する最大のインターネット株は、シティ(Citi)のアナリストたちに2025年の「トップピック」と呼ばれている。
ベリサイン(VeriSign)はバークシャー・ハサウェイが保有する最大のインターネット株で、同コングロマリットは2024年末にその株式保有を増やしている。
このバフェットのコングロマリットは27億ドル(約4271億円、1ドル=158円換算)分のベリサイン株を持ち、同社の14%近くを保有する筆頭株主だ。
ベリサインはドメイン登録事業とリストサービスを提供し、重要なインターネットインフラを運営している。1995年に設立され、.comと.netドメインの登録を行う唯一の企業であり、13のグローバル・インターネット・ルート・サーバーのうちの2つを運営している。
シティのアナリストによると、ベリサインは2025年に向けて手堅い様相を示している。シティの目標株価は238ドル(約3万7649円)で、現在の水準から16%上昇する可能性がある。強気シナリオでは、シティはベリサインが312ドル(約4万9350円)まで上昇すると見ており、これは50%強の潜在的上昇を意味する。
「ベリサインは、株価が左右される幅が狭く、インターネット業界における安全な投資の1つであると私たちは見ている。それは、ドメイン登録業者としてほぼ公益事業者のような性質があり、定期的な価格上昇が転嫁可能なために回復力のある収益につながることと、クラス最高のEBITDAマージンを持つため、投資家にとっては魅力的なリスクとリターンを提供すると考えられている」(シティ)
(編注:EBITDAマージンとは、EBITDAを売上高で割った値で、企業の収益性を示す指標のこと。EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization)は「金利、税金、償却前利益」を意味し、減価償却費の影響を除いた本業の収益力を測る指標。)
ベリサインはS&P500で最も収益性の高い企業の一つだ。
第3四半期時点の財務データによると、同社はS&P500の中で最も利益率の高い企業として第5位にランクされ、約56%でエヌビディア(Nvidia)と並んでいる。営業利益率ではベリサインは3位、売上総利益率では13位である。
シティは、.comドメイン登録数が前月比で最近伸びていることから、2025年も前年比で伸びる可能性があると述べている。
「トレンドがこのまま安定し、価格設定に関する疑問が後景になれば、ベリサインの過去のピークに対するディスカウントは強気要因になるだろう」
S&P 500の23%の上昇に対し、同社の株価上昇はわずか2%にとどまり、ベリサインにとっては(昨年は)厳しい1年だった。また、同社の株価は2021年12月につけた史上最高値から約20%下落している。
その結果、ベリサインの株価収益率は約24倍となり、15年間の過去平均と同水準となっている。ベリサインの株価収益率プレミアムは、S&P500の15年平均を27%、ピークを52%下回っている。
この現在のバリュエーションの状況が、シティがベリサインを最有力銘柄としている理由なのだ。
「ベリサインが一桁台半ばから後半の収益成長(~5%の価格設定+~2%の取引量)の軌道に乗り、高い利益率を確保し、継続的な自社株買いが二桁台のEPS成長につながれば、この水準の株価は割安となる」(シティ)