仏カトリック教会の児童性的虐待、司祭ら約3000人が関与か=独立調査委
キリスト教カトリック教会の関係者による虐待行為を調査する独立委員会のトップは3日、1950年以降、フランス・カトリック教会内で数千人の小児性愛者が活動していたと明らかにした。
独立調査委員会を率いるジャンマルク・ソヴェ氏は、フランス・カトリック教会の計11万5000人の司祭や聖職者のうち2900~3200人が児童を虐待していた証拠を、同委員会として入手したと、仏メディアに語った。
「これは最も少なく見積もった人数だ」と、ソヴェ氏は付け加えた。
この独立調査は、複数の国で教会関係者による虐待スキャンダルが相次ぎ発覚したことを受け、2018年にフランス・カトリック教会の委託で始まった。委員会は医師や歴史学者、社会学者、神学者らで構成されている。
上級公務員のソヴェ氏は仏紙ルモンドに対し、時効が成立しておらず刑事訴訟をまだ起こせる22件について、委員会が検察に証拠を渡したと述べた。
また、司教や教会幹部には、存命する教会関係者の中に、ほかの疑惑が浮上している人物がいることも知らされていると付け加えた。
委員会は5日にも2500ページにも及ぶ最終報告書を公表する予定。報告書は、2年半にわたり行われた6500人以上の被害者や目撃者への聞き取りのほか、教会や裁判所、警察の記録をもとに作成された。
カトリック教会の出版物「The Tablet」のローマ特派員、クリストファー・ラム氏はBBCに対し、虐待スキャンダルは教会を「500年に(中略)一度の最大の危機」に陥れたと述べた。
ローマ教皇フランシスコは6月、カトリック教会の教会法典を改正し、性的虐待や児童ポルノの所持、虐待の隠蔽(いんぺい)などを処罰の対象とした。これは過去数十年間で最大の改革だった。