「大きな間違いを犯した」 児童の性的虐待でカトリック教会幹部
オーストラリアで児童への性的虐待を調査する王立委員会で、ローマ法王庁高官ジョージ・ペル枢機卿が29日に証言し、「教会は大きな間違いを犯した」と語った。
オーストラリアで最も高位にあるカトリック教会幹部のペル氏は、ローマからビデオ中継で委員会の質問に答えた。教会内に小児性愛者がいると把握していたかどうかを問われたペル氏は、「弁護できないことを弁護するために、この場にいるわけではない」と述べた。
その上で、「教会は大きな間違いを犯し、今それを正そうとしている。もちろんオーストラリアを含む、教会の多くの場所でひどいことが行われ、人々の期待を裏切った」と語った。
ペル枢機卿自身には疑惑はかかっていない。同氏は1970~80年代当時、司祭を務めていたバララット教区に小児愛者の聖職者がいるとは知らなかったとしている。
王立委員会は、豪南東部ビクトリア州のバララット市で起きた児童への性的虐待について調査をしている。1970年代初頭にバララットの神学校にいたジェラルド・リッズデール司祭が小児性愛者だったことが明らかになっているが、ペル氏も同じ場所に居住していた。
神学校付きチャプレン(聖職者)だったリッズデール司祭は1960年代から80年代にかけて、130件に上る男の子に対する性的虐待を行ったことが分かっている。
ペル枢機卿は29日の証言で、カトリック教会が運営する学校で教える神父らについて、「ちょっとした示唆」や「変わった行為」に関するうわさを聞いたことがあると認めた。