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平成11年3月23日
アサヒビール(株)、欧州での「スーパードライ」現地生産を決定
チェコ・プラハ社における委託生産に基本合意
日本のビールメーカーとしては、初の欧州大陸での現地生産へ
アサヒビール株式会社


 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 福地茂雄)は、英国バスPLC社のビール事業部門(所在地 バートン・オン・トレント、代表者 イアン・ネピア)との間で、バスPLC傘下のプラハ・ビール社(本社 チェコ共和国 プラハ、CEO グラハム・スタリー)のブラニク工場において「アサヒスーパードライ」の現地生産を行うことについて、3月17日、基本合意しました。今後、設備導入など準備を進め、明年2000年の年頭から欧州各国に「アサヒスーパードライ」を出荷する計画です。製造品種は、びん330ml・500ml、缶330ml・500mlの4種を予定しています。

 今回の基本合意により、「アサヒスーパードライ」の海外現地生産は、北米のモルソン社バンクーバー工場、中国の煙台ビール会社、本年5月から出荷開始する深青島酒朝日有限公司の深工場に続き4拠点目となり、アサヒビール(株)は海外ビール事業展開の重点地域としている、欧州・北米・中国の3エリアすべてで現地生産を行うことになります。また、日本のビール会社としては初めて、欧州大陸において自社ブランドの生産を開始することとなります。

 プラハ・ビール社は、ブラニク工場のほか計3工場で、年間約24万キロリットルのビールを製造し、チェコ国内では13%程度の市場シェアを有して第3位のメーカーにランクされています。また、プラハ社は、バスPLCが78%の株式を有するその傘下企業で、今回の委託生産は、アサヒビール(株)とバスPLC社のビール事業部門が1996年より結んでいる、両社の海外ビール事業展開における包括業務提携の一環として合意されました。

 アサヒビール(株)は、欧州での販売強化のため昨年5月にイギリス・ロンドンに現地法人アサヒビール・ヨーロッパを設立し、流通網の構築を図るとともに欧州各国での各国の販売業者と連携した販売促進活動を、積極展開しています。昨年年間の「アサヒスーパードライ」輸出販売実績は8万箱(1箱は330mlX24本)となっています。

 今回の現地生産の決定は、「アサヒスーパードライ」の欧州での展開強化の一環であり、現地生産の開始にあわせ、アサヒビール・ヨーロッパ社は欧州全域におけるアサヒビール製品の総販売会社となります。これにより北米に続いて、欧州においても「アサヒスーパードライ」の製造・販売一貫体制を構築することとなります。今後、アサヒビール(株)はアサヒビール・ヨーロッパ社の人員を拡充し、同社の経営・営業体制を一層強化していくこととしています。

 こうした取り組みにより、欧州において、2000年には30万箱、 2005年には150万箱(1箱は330mlX24本)の販売を目指します。



プラハ・ビール社の概要
社 名 プラハ・ビール(Prazske Pivovary,a.s.)
本社所在地 チェコ共和国 プラハ
Nadrazni 84, 150 54 Prague 5, Czech Republic
CEO グラハム・スタリー(Graham Staley)
売上高 1997年実績 24億コルナ(約89億円)
従業員数 1300人
年間生産数 1998年実績 約24万キロリットル
(=約1900万箱:1箱は大びん20本)
その他 1992年設立のプラハ・ビール社が、1997年、オストラバル、ブラティスラビッチェ・ビールの2社を合併して現在の会社のかたちとなる。3工場を有し、1998年の総生産量は24万キロリットル。同年のチェコ共和国の国内マーケットシェアは、約13%で第3位。また、1998年は34000キロリットルのビールを輸出し、チェコで3番目の輸出量をもつビール会社である。 主力ブランドの「スタロプラーメン」は、チェコ市場での有力ブランドであるとともにドイツ、スロバキア、ロシア、イギリスなど25カ国に輸出されている。
バスPLCが、プラハ・ビール社の78%の株式を所有している。

バス社・ビール事業部門の概要
所在地 英国 スタッフォードシャー州バートン・オン・トレント市
代表者 イアン・ネピア(Iain Napier)
ビール部門
売上高
17億8700万 英ポンド(約3600億円)
従業員数 7714人
その他 1777年に英国のバートン・オン・トレントにてウィリアム・バス氏によって設立された。その製品は伝統ある醸造技術に基づき、英国で200年以上にわたり愛され続けている。また、1830年代にそのトレードマークが英国で初めて商標登録されるなど、長い歴史を持つビール会社である。その後、事業の多角化・系列化を進め、現在はバスPLCを頂点とする、企業グループを形成している。
バスPLCは、飲料事業、リテール娯楽事業、ホテル事業を3基幹事業とし、その1998年9月期の総売上高は46億英ポンド(約9200億円)となっている。

ビール事業部門は、英国国内に7工場を有し「カーリング」「バス・ペールエール」など50銘柄を生産している。イギリスにおける市場シェアは、約24%で第2位。チェコ、中国にビール子会社を持つなど積極的な海外展開も図っている。
英国国内シェア第2位のバス・ブリュワーズ社を中心としたビール事業部門は、バスPLCの売上高の約4割をしめている。

バスPLC社概要
所在地 英国 ロンドン
会長 イアン・プロッサー(Ian Prosser)
その他 バスPLC社は、ビールを含む飲料事業部門のほか、リテール娯楽事業、ホテル事業を3つの基幹事業部門とし、その1998年9月期の総売上高は46億英ポンド(約9200億円)となっている。

ホテル事業については世界最大のホテルチェーンであるホリディインを世界90カ国で2600軒以上展開するほか、1998年にセゾン・グループからインター・コンチネンタルを買収するなど、積極的な事業拡大を図っている。リテール娯楽事業では、バプ、レストランチェーンを展開している。



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