アサド政権が注力した麻薬ビジネス 「貧者のコカイン」工場の内部は

有料記事イスラエル・パレスチナ問題

根本晃 其山史晃=ダマスカス近郊 井上亮
【動画】アサド政権が資金源としていた、麻薬の密造拠点だったとされる工場=根本晃撮影
[PR]

 中東シリアの首都ダマスカス中心部から車で20分ほどの街ドゥーマの丘の上に、コンクリート造りの工場がある。アサド政権が資金源としていた、麻薬の密造拠点と指摘される場所だ。政権の崩壊で、これまで闇に包まれていた麻薬製造の実態が明るみに出た。

 記者は14日、政権を打倒した反体制派の中核「シャーム解放機構」(HTS)戦闘員の許可を得て、麻薬製造工場の内部に入った。戦闘員からマスクを着用するよう指示されたが、独特の薬品のにおいが鼻を突く。

 真っ暗な倉庫の床に、白い錠剤が無造作に散らばっていた。戦闘員によると、アンフェタミン系の合成麻薬「カプタゴン」だ。

中東や欧州で急速に流通拡大

 依存性が強く、価格が安いの…

この記事は有料記事です。残り1377文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
根本晃
イスタンブール支局長|中東・欧州担当
専門・関心分野
国際政治、トルコ、ガザ、ウクライナ、語学
其山史晃
中東アフリカ総局長
専門・関心分野
中東、安全保障、地政学、テロリズム
ガザ戦闘から1年 現地通信員が見た戦場

ガザ戦闘から1年 現地通信員が見た戦場

ハマスとイスラエルの衝突から1年。ガザで生まれ育ったマンスール通信員の思いを、メッセージアプリのやり取りから伝えます。[もっと見る]