全地連HP 「日本列島の地形と地質環境」より
ジオパークは、目に見える地形や地質から大地の成りたちを学び楽しむ公園です。しかし、日本において大地の仕組みを知るうえで避けて通ることのできないものが、自然災害です。
日本列島は、海のプレートである太平洋・フィリピン海プレートと、陸のプレートであるユーラシア・北米プレートの4枚のプレートが複雑にぶつかり合う、世界でも例のない特異な場所に位置しています。そのため、地震が非常に多く発生します。また、日本列島の下へ沈み込んだ海のプレートの一部が、地下深くで溶けてマグマとなり、それが地表に噴出して火山をつくります。日本は、世界有数の地震・火山国なのです。
アポイ岳ジオパークのある北海道太平洋沿岸は、海溝に近いために火山はありませんが、地震はひんぱんに起こります。
2011年3月11日に発生した東日本大震災も、太平洋三陸沖の日本海溝付近を震源とする地震によるものでした。当時、様似町の震度は4と、さほど大きいものではありませんでした。しかし、その後、最大3mを超える何度かの津波が様似にも押し寄せました。幸いにも人的被害はありませんでしたが、住居の床上浸水、漁船の沈没や水産加工施設の損壊など、7億円を超える甚大な被害が発生しました。
①地震発生後、様似漁港の底が見えるほど水が引く。
②その約30分後、岸壁を越える津波が襲った。
③地震翌日の様似漁港。横倒しになった船や漁具が散乱。
津波が起きたら、「逃げられる人からてんでバラバラに自分の判断で逃げろ」という三陸地方のことわざです。
様似町では、東日本大震災を踏まえ北海道が予測した「最大クラスの津波」を想定した津波ハザードマップを作成しました。ここには、津波の到達範囲や避難場所が地図上に示されているほか、非常持出品の準備などの非難の心得などが分かりやすく示されています。いざ津波となれば、物を取りに戻る暇などなく、一目散に「てんでんこ」に高台などへ逃げなければなりません。
日ごろから、目指すべき高台の場所やそこまでの経路などを確認しておき、いざというとき迷わず行動できるようにしておきましょう。