ポンペイに豪華な浴場施設、考古学者らが発見
(CNN) 高貴な地位にある古代ローマ人は客人をもてなす際、大規模な宴会で楽しませた後、ゆったりとした浴場でくつろいでもらっていたようだ。古代ローマの街ポンペイの遺跡を巡る新発見で明らかになった。
ある邸宅の中で、考古学者たちはこれまでポンペイで見つかった中で最大かつ最も手の込んだ浴場施設を見つけ出した。ポンペイ考古学公園が明らかにした。
この豪華な浴場は、昨年4月に見つかった宴会場とつながっている。宴会場の壁は黒く塗られ、表面をフレスコ画が飾っている。このことから当該の私邸は、巨大な祝祭の舞台だったと考えられる。ポンペイ考古学公園は17日、報道向けの発表でそう述べた。
高貴な主人に招かれた客人は、入浴で火照った体を低温の浴槽で冷やしていた/Parco archeologico di Pompei
邸宅は地元社会の重要人物のものだったはずだと公園側は付け加えた。浴場施設は30人を収容可能で、熱めとぬるめの浴槽の他、体を冷ますための冷たい浴槽もあった。更衣室にはベンチが設置されているという。
冷たい浴槽は柱廊のある中庭に作られている。中庭は縦横10メートルずつで、中央に大きな浴槽を備える。
「施設の全てが『ショー』の舞台として機能し、その中心には邸宅の所有者自身がいた」と、遺跡の責任者は発表文の中で述べている。
「ショー」の聴衆は歓待に感謝し、主人の仕切りぶりに心底感銘を受けつつ、喝采(かっさい)を送っただろうと、同責任者は付け加えた。
ベンチ付きの更衣室。30人が利用できたと考えられる/Parco archeologico di Pompei
ポンペイは西暦79年に発生したベスビオ山の噴火により、灰と火山ガラスに埋もれた。1700年代以降、考古学者らが大規模な発掘を行い、時が止まった都市から現在も様々な遺物を発見している。