40歳の主人公と一回り年下の男の子が歳の差恋愛をするお話。14巻まで読了。
地味で孤独な四十路のつぼみが人気・実力のある年下イケメンとお付き合いするなんて、設定はよくあるけど夢のように羨ましくなります。でも実際に描かれているのは、歳の差ゆえに厳しい周囲の反応だったり、それを感じて思い悩む二人のリアルすぎる姿。年上だからと気を遣いすぎたり、遠慮したり、恥ずかしい思いをさせたくないと一歩ひいて最悪のケースを想像してしまうつぼみの気持ちは、同年代だからこそ痛いほど分かります。悪気はないけど、年を重ねることで染み付いてしまった年齢相応でいなきゃという鎧でガチガチに固まってしまう中、勇気を出して一歩を踏み出し、彼と付き合うことで前向きに変わっていくつぼみの姿には共感と共に好感を抱きます。また年下男子航平の頼って欲しい、釣り合うようになりたいという思いの感じ方もまっすぐで、男側の目線や考え方にも納得させられる部分が多かったです。
実際、結婚してない四十路なんて敬遠されがちな世の中で、そういうフィルターなくフラットに見てくれる人がいたらやっぱり嬉しいし、それは真面目に一生懸命生きてきたつぼみの誠実さの現れであることをお話の中から感じました。また、つぼみの考え方や会話の切り返し方には、彼女の思いやりや優しさが詰まっていて心が温かくなります。とはいえ、それだけでは乗り越えられないのが歳の差恋愛。今後の展開にも多くの問題があると思いますが、解決策は唯一つ、二人がずっと幸せでいること。二人が永遠の幸せを掴むまで見守りたいです。