ひたすらに正義感で世界的遺物の保護研究に努めるイゾベル。少々頭が固い女性だが、略奪者かもしれないと疑った男アレッサンドロは公爵だったと、知った時には一目ぼれしていた。しかし私は、遺物に係わることで知る闇の現状と、アレッサンドロへの愛情とに引
き裂かれ思い悩むイゾベルの気持ちに理解しつつも青臭さを感じる。ああイゾベルは若いのだなと。私もたいがい希望という物からは遠く身を置いてしまっていると残念に思う。アレッサンドロもイゾベル同様一目惚れ。イゾベルに理解しつつも自分の行動をも理解してもらいたくてイゾベルを連れまわすが、なかなか上手く運ばない。そんなやり取りがとてもよく伝わりドキドキします。公爵という立場に甘んじることなく過酷な現状に挑んでいくその様は、生活に追われることのない彼だからこそできる事であり、そんなアレッサンドロに惹かれるイゾベルに共感もできる物語でした。
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