私は生まれて一度も、誰かに愛されたことがない。だから、知りたかった。愛されるのはどんな感覚か。「殿下、1年だけ私を愛してください」1年だけ、私を愛する魔法にかかってくれと彼に頼んだ。代わりに私が与えられるのは、彼の未来を変える情報の数々。その代償は私の寿命であることを、わざわざ彼には言わなかった。どうせ長生きするつもりはなかったから。「その提案、受け入れてやる」そうやって彼と結婚し、11カ月が経った。残りはわずか1カ月。私の命も、彼の愛も。しかし、どういうわけか魔法が早く解けてしまい、私は去ることを余儀なくされた。別れの挨拶はわざわざしなかった。愛することを強要された女の顔など、最後だとしても見たくないだろうから。ところが1週間後、彼が私を捜しているという信じられない知らせを耳にする。