ある年の3月、大雪が降った翌朝に徹夜帰りの広瀬 祐(40歳のバツイチ独身サラリーマン)は凍結した下り坂で転げ落ちていった先で車に跳ねられてしまう。
目が覚めたら驚くことに同姓同名の別人、それも極めて容姿に優れた少年に生まれ変わっていたのだった。
その後わかったのは、自分がいるのは男女比が偏った世界で、女性が社会の主役となり、数少ない男性は保護されるのが当たり前の立場。
婚姻に関しては一人の男性と複数の女性という組み合わせが当たり前であるが、それでもあぶれる女たちの方が圧倒的に多く、若い男性が襲われる事件が後を絶たない。
性欲を持て余して男を求める女性たちと、女を怖がって守りに入る男性という構図が出来上がって久しかった。
そんな中、元の世界の価値観を持ったままで女性と接することを嫌がることなく喜びを表す祐は男日照りの女性たちから見ると天使のような存在であると同時に格好の獲物でもあった。