ここで描かれている暴力や泥臭さやしがらみの向こうには孤独な魂の求めるきらめきとか至高の何か、とてつもなく美しい尊いものがある。その人が生きている証だったり生きた証だったり。そしてそれが本物の文学の持つ力や息吹だったりするのだろう。一瞬も気が
抜けない無駄が全くない、透徹した眼差しで描かれた凄まじい熱量のある物語だ。
ちなみにドラマ化で知ったがドラマがそれほど話題にならなかったことを見ると、この原作はおそらくドラマとは次元が違うと思う。だからドラマを見た人も知らない人も手にとってほしい。唯一無二の名作と言っていい。
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