タイムトラベルものは考えると面倒くさいことがたくさん出てくるので脇に置くと、カッコいい保安官である彼の正義感や、彼のヒロインへの愛情表現が良い。この類の話ではやってはいけないとされている、過去の書き換えが、ヒロインの愛と友情に基づくのも、内
容に屈折点を面白く与えている。1・2巻共にストーリーは先が読めず興味を最後まで繋ぐ。ハーレクインに珍しい展開が気に入っている。
特にこの、ルーというヒロインのストーリーの前半のキャラが好き。
彼との盛り上がりも、ストーリー進行の盛り上がりとシンクロして良い。
彼の愛情描写も良かったが、二人のそれぞれの自分の本来の時代へのこだわりも、判りやすい。
終わりかたが良い。何でもかんでも、結婚式や、その後二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ、的な締めくくりは、たまには良くても毎度毎度だと飽きる。
その辺、この作品、堂々と目新しい内容に向かっていっていたので、そこも良かった。
お墓についての第一部の時の引っ掛かりは解消した。
だが、一巻目では短期間の失踪でも心配していたエリザベス(リジー)の身内、二巻目では「傷心旅行」レベルで思考ストップさせて片付けていて、一貫性がない。こちらのヒロインのルーが物語冒頭に見せていたように落ち着かない。リジーのターンではないから深追いの義務はないだろうが、これは合わせ鏡のような問題。保安官ファーリーさんは仕事を、一巻目のリジーは手紙を書き残すけじめはつけたものの、彼だって身内に黙って行動を起こす。
このテの話は、こうした状況を信じてくれる(物語世界の)周囲の人が限定されるため仕方がないとはいえ、ルーだけがリジーを心配する親友、ということと、ルーの行動の理由のためだけに、リジーの身内が心配してないということにしてる点が、一巻目の設定を覆して、ご都合主義に見えてしまうのだ。
話の先を予想しにくいストーリー展開には楽しませてもらった。
ペンダントについて、私には最後の種明かしが理解力無くて、放置されたような気分もある。
保安官氏がもう少し私好みのハンサムだったら言うことなしだ。メインキャラのオーラは殆ど無かった。
ただ、116頁のファーリーさんだけは大いに気に入っている。
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