結局、バカがバカを支持するから、バカな国になる。
本文でも述べたように、世界経済フォーラム年次会議(ダボス会議)の冒頭演説で、
安倍は徹底的に日本の権益を破壊すると宣言。電力市場の完全自由化、医療の産業化、
コメの減反の廃止、法人税率の引き下げ、雇用市場の改革、外国人労働者の受け入れ、
会社法の改正などを並べ立て、「そのとき社会はあたかもリセット・
ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう」と言い放った。
極左カルトのテロリストが「社会をリセットする」と言うならわかる。
オウム真理教が「新しい国をつくる」と言うならわかる。
しかし、今は政権中枢において国家の解体が進められている。
安倍晋三という個人をバカにしたり、引きずり下ろしても根本的な解決
にはならない。
病んでいるのは、ああいう「幼児」を持ち上げ、野放しにしてきたわれわれの社会なのだ。
近代、少なくともこの四半世紀におよぶ「改革」騒ぎに対する反省がない限り、
わが国の未来はない。
本書は「時代への警告」という形で、今の日本の姿を描写した。
病を治すためには、その根本を直視する必要がある。
(「おわりに 適菜 収」から一部抜粋)