名門伯爵家の次男――マックスは不遇の日々を送っていた。戦地で騎士道精神を発揮した末に名誉を失ったうえ、帰国後は世間から放蕩者と見なされるようになってしまったのだ。鬱屈した思いを胸に過ごしていたある日、いとこに会うため領地の邸宅を訪れたところ、間の悪いことに、独身の女性たちが多く集まるハウスパーティが開かれていた。マックスは彼女たちの評判を傷つけないように身を隠していたが、人気のない温室で見知らぬ令嬢と鉢合わせしてしまう。ところが悪趣味なドレスに身を包んだ彼女は逃げるどころか、苦悶の表情を浮かべて、とんでもないことを頼んできて……。■人気作家ジュリア・ジャスティスがリージェンシーの連作に挑戦します。“ランスレイの悪党”と呼ばれる名門一族の紳士たちのロマンスを描く第1弾は、マックスがヒーローを務めます。