あ、分かりづらいタイトルですみません。要するにこの素晴らしい作品は、メタ一杯のドタバタギャグと思わせて、実は複数の伏線を這わせたストーリー&人間模様(ややドロドロ気味)を展開すると言う、実に上手い手法で沢山のファンを作り出している漫画です。
作者九井さんの知識の泉は物凄く多岐に渡って深く(コレは別作品を拝読すると判明)、でもその知識の小箱をこれ見よがしに誇示するような青臭い展開ではなく、読者が物語に引き込まれるスパイスとしてさりげなく使う、その心地よい手管には脱帽ものです。もちろん九井さんも連載初期は、こやつめハハハ、と笑える作品を考えていたんでしょうが、ドラゴンステーキの辺りから良い意味で物語が暴走し始め、自らの作品で遊び始めてアレもコレもと貪欲に盛り込んで来てるんだと思います(流石中原の英雄)。特にチェンジリングネタ辺りからもうブレーキ効かない、暴走特急状態で大変素晴らしいと感嘆します。暴走を許す(寧ろ焚き付けてる?)編集サイドも正しく名コックですね。2021年2月の時点でまだまだ先は長そうですが、これだけ暴走しているのに、最終局面へキチンとストーリーが進んでいるのが分かるのは、これまた素晴らしい。長期連載を強いられ、蛇足をつけられまくってキメラ(笑)へ変化してしまった漫画(正しくダンジョン)が多い中で、この「ダンジョン飯」はそうはならんやろと、ライオスほんま頼むでと予言しつつ、次巻をお待ちしております。
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