ゴリラのひとつかみ開発者にヒットのヒントを聞いた 試作品「失敗」がきっかけ【経済トレンド】
2025年02月14日 07時03分
ドウシシャが2024年2月に発売したふくらはぎを強い力でぎゅっと締め付ける家電「ゴリラのひとつかみ」が好評だ。開発を担当した水島英恵(みずしま・はなえ)さんにヒットのヒントを聞いた。(共同通信=出井隆裕記者)
「間違ってすごくパワーの強い試作品ができたのが開発のきっかけでした。『失敗だ』と思ったのですが、我慢して使ってみたら今までにないスッキリした感覚になり、『これは面白い』と発売に向けて社内を説得しました」
希望小売価格は5500円(2025年1月時点)。ふくらはぎに巻き付けてスイッチを入れると内部のエアバッグが膨らむ。「痛くて気持ちいい」という使用感で若い女性の支持を獲得。むくみを軽減するとされる着圧ソックスの流行も開発の手がかりになった。
「商品名は強いイメージのあるゴリラに『何かされる』という連想から出発しました。500キロの握力があるといわれているので『ひとつかみ』です。報告した際に上司が笑ったので『これはいける』と思いました」
生活用品を企画販売する同社で製品の開発を担う部門に異動。健康家電の分野で競合の少ない「ふくらはぎ」製品の開発を任された。「5千円程度の商品なら手に取ってもらえるのではないかと開発を進めていました」
インターネットでバズり、入手困難な状況が長期間継続。「まだ入社間もない時期に開発を任され、消費者に近い素人の目線で携われたのがヒットの要因だと考えています」。水島さんは大阪府出身、25歳。