寒さに凍えたい!常夏タイから銀世界体験が人気 旅行先で日本トップ、円安が追い風に
2025年01月26日 07時05分
常夏のタイで冬景色見物を目玉とする日本旅行が今冬も人気だ。自国にはない銀世界を満喫し、寒さに凍える体験がタイ人の「憧れ」として定着。最近は円安も追い風に、若い世代をターゲットにした格安ツアーの予約も好調だという。(共同通信バンコク支局 伊藤元輝)
「タイ人は親日的で、年間を通して日本は旅先の1番人気。特に冬は予約が殺到する」。首都バンコクで2024年11月下旬に開かれた旅行業界の展示会で、大手旅行会社の販売員カンヤーポンさんが力説した。看板にはスキー場の写真を背景に「JAPAN」の文字が躍る。
旅先は北海道が定番。大分の温泉とスキーを組み合わせたツアーや岐阜の白川郷も客からの問い合わせが多い。
展示会にはダウンジャケットなど冬物古着を並べた店も出店。店員のナタワディさんは「タイに冬はないが、この時期は書き入れ時だ」と笑った。バンコクのショッピングモールでもコート売り場が目立つ。
地元経済紙「クルンテープ・トゥラキット」によると、2024年上半期だけで既に約62万人のタイ人が日本を訪れた。ツアーは最安で約2万5千バーツ(約11万5千円)ほど。展示会担当者のジュサダーさんは「タイの経済成長や円安の影響で、20代の若者にも日本旅行が手に届くようになってきた」と解説した。
ただ、相互のビザ免除が始まった中国人気の高まりも今年のトレンド。日本の観光施設やレストランで高額の外国人客向け料金を設定する「二重価格」が導入されているとの情報が広がり、タイの旅行業界で日本人気への悪影響が懸念されたこともあったという。
ジュサダーさんは「日本への憧れは簡単に消えないが、素晴らしいおもてなしを続けてもらえれば人気維持はより確実だ」と期待した。