Apple TV+で観てほしい、おすすめ映画22選【2024年最新】

心温まる物語から心に残るドラマまで。『チャーリー・ブラウンの感謝祭』、『ファンシー・ダンス』、そして『ヘニョ 〜最後の海女たち〜』を含む作品は、Apple TV+で見るべき名作映画のほんの一部に過ぎない。
『チャーリー・ブラウンの感謝祭』より。
Photograph: Courtesy of Apple

ハイクオリティなオリジナル映画がNetflixAmazonから数多く紹介されていることは間違いない。しかし、特に『Coda コーダ あいのうた』がオスカーを受賞してからは、多数の期待すべき作品はApple TV+から出てきている。

ビリー・アイリッシュドキュメンタリーからSundanceの注目作まで、アップルによるストリーミングサービスは豪華なカタログをますます充実させている。作品が多すぎてしまうかもしれないので、『WIRED』がおすすめリストを作成した。興味惹かれる作品をぜひチェックしてほしい。

「チャーリー・ブラウンの感謝祭」

ピーナッツシリーズの著作権を持つアップルは、毎年、年末あたりに特別番組を配信する。今年は『ハロウィンだよ、チャーリーブラウン』が無料で配信され、11月末には『チャーリー・ブラウンの感謝祭』、12月末には『チャーリー・ブラウンのクリスマス』がストリーミングに登場する。ペパーミント・パティが感謝祭のお祝いのためにチャーリー・ブラウンを家に招待するが、チャーリーはおばあちゃんの家に行ってしまう。食いしん坊のスヌーピーは、そんななかでもなんとか食事を見つける。

『ヘニョ 〜最後の海女たち〜』

韓国の済州島の海岸では、海女(ヘニョ)と呼ばれる女性たちが海で働いている。スー・キムによるドキュメンタリーは、まるで人魚のような彼女たちを追い、社会や環境の問題に立ち向かう姿を描いている。世代を超える愛と、伝統の真の美しさを捉えた作品だ。

『ウルフズ』

ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが共演する『ウルフズ』。ふたりはヤバい事件のもみ消し屋として同じ仕事で呼ばれ、お互いにどちらが衰えているかを言い合う。内容的には少し軽いかもしれないが、それでも十分に楽しめる作品となっている。

『ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている』

2021年に公開された『ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている』は、ポップの新星ビリー・アイリッシュの生活に迫ったドキュメンタリー。ティーンエイジャーのビリーがデビューアルバム「ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ウェア・ドゥ・ウィ・ゴー?」(When We All Fall Asleep, Where Do We Go?)を制作する過程が描かれている。監督R・J・カトラーは、アイリッシュと彼女の兄フィニアスとの共同作業をはじめ、トゥレット症候群について率直に語るビリーの姿を記録しており、音楽ドキュメンタリーの枠組みを再定義する作品である。

『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』

トッド・ヘインズ監督が手掛けた『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』は、彼がこれまでに作ってきた『キャロル』や『メイ・ディセンバー ゆれる真実』のようなドラマに留まらず、1960年代のニューヨークのアートシーンに深く踏み込んだ作品である。この映画では、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが音楽に対する多くの人々の考え方をどう覆したのかを掘り下げる。新しいインタビューやアーカイブ映像、さらにはアンディ・ウォーホルの古いフィルムを織り交ぜて、音楽史の中で革命が起こった瞬間を捉えている。

『ファンシー・ダンス』

『ファンシー・ダンス』は、オクラホマ州のセネカ・カユガ部族の予約地を舞台に、ジャックス(『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』のリリー・グラッドストーン)が、失踪した姉の代わりに姪のロキを育てる人生の物語を描いている。ジャックスがロキの世話に不適格と見なされた後、ロキは祖父の元へ送られることに。真実を求めてジャックスはロキと共に母親を探す旅に出るが、同時に自分たちを探し出そうとする当局から逃げる羽目になる。植民地化された土地での生活を考察するとともに、コミュニティを守る重要性を深く掘り下げた作品だ。

『ナポレオン』

『ナポレオン』は、批評家の間で絶賛されなかったかもしれないが、リドリー・スコット監督の大作歴史ドラマであり、つい観たくなる。ホアキン・フェニックスがナポレオン役で主演している。この映画は戦いよりも、フランス皇帝ナポレオンと彼の妻ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ(ヴァネッサ・カービー)との感情的に波乱に満ちた関係に注目している。欧州の大部分を征服できる男が、自分の感情を征服できないとき、何が起こるのか?その答えは映画を観て確かめてほしい。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』

マーティン・スコセッシ監督の壮大な映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」は、デヴィッド・グランの2017年の著書に基づいており、オセージ・ネイションに住むモリー・バークハートが家族の死の真相を解明しようとする姿を描いている。1920年代のオクラホマを舞台に、オセージ族が土地に埋蔵されている石油で得た富を巡って次々と命を奪われていくなか、映画はモリー(リリー・グラッドストーン)とアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)の関係、そしてFBIがオセージ族の死を調査する様子を追っていく。

『フィンガーネイルズ』

テクノロジーで「運命の相手」は見つかるだろうか?クリストス・ニコウ監督・脚本による最新作『フィンガーネイルズ』では、ダンカン(ルーク・ウィルソン)が運営する研究所が、真実の愛を見つけるための方程式を発見したと主張している。そして、アンナ(ジェシー・バックリー)はその方法が本物かどうかを確かめようとする。この研究所はアンナと彼女のボーイフレンド、ライアン(ジェレミー・アレン・ホワイト)がマッチングしていると結論付けているが、アンナはその結果に疑問を抱く。やがて、研究所で働くうちにアミール(リズ・アーメッド)と出会い、彼が自分の本当の相手かもしれないと思うようになる。

『フローラとマックス』

ダブリンを舞台に、息子との絆を音楽を通じて深めようとする母親の物語が描かれている。『フローラとマックス』の主人公フローラは、息子が不良少年で悩みながら、ある日ギターを手に入れ、音楽を通じて母子関係を再構築しようと試みる。ユーモアと感動が織り交ぜられた心温まる作品だ。

『ステフィン・カリー:アンダーレイテッド』

ゴールデンステート・ウォリアーズのポイントガード、ステフィン・カリーはアメリカのバスケットボール界で最も愛されている選手の一人だ。彼はNBAの最優秀選手賞を2回受賞し、4つのチャンピオンリングを持っている。また、キャリアでの3ポイントシュート数はリーグ史上最も多い。だが2000年代後半、彼はダビッドソン大学という小さな学校の若者に過ぎず、自身の能力をコーチたちに証明することに必死だった。ピーター・ニックス監督によるこのドキュメンタリーはゲームの歴史に名を刻む偉大な選手になる過程を追っている。バスケットボールファンにとっては必見の作品だ。

『ビースティ・ボーイズ・ストーリー』

ヒップホップの先駆者であるビースティ・ボーイズは、他に見ない独自の物語を持っている。この「ライブ・ドキュメンタリー」では、映画監督スパイク・ジョーンズがマイク・ダイアモンド(マイクD)とアダム・ホロヴィッツ(アド・ロック)の2人が、ブルックリンのキングス・シアターで観客に向けて自らのスター誕生のストーリーを語る様子を撮影した。グループの数十年にわたるキャリアを振り返る古い映像や写真、エピソードを交え、ビースティ・ボーイズが1970年代後半から80年代初頭にニューヨークで音楽を始めた頃からいかに影響力を持つ存在であったかが伝わってくる。さらに、2012年にがんとの闘病の末に亡くなった3人目のメンバー、アダム「MCA」ヤウクの素晴らしい思い出も紹介されている。

『Coda コーダ あいのうた』

『Coda コーダ あいのうた』は、Apple TV+を一躍有名にした作品だ。「CODA」は「Child of Deaf Adults」の略で、聴覚障害のある両親と兄妹を持つ家族で唯一、聴覚があるルビーの物語を描いている。音楽に目覚めたルビーは、自身の夢と家族の夢をどう調和させるかを考えざるを得なくなる。家族は小さな漁業を営んでおり、しばしばコミュニケーションの手助けを求められる。あたたかくも感動的なこの映画は、涙を誘うような作品だ。

『STILL:マイケル・J・フォックス ストーリー』

1985年、マイケル・J・フォックスは、ヒットTV番組『ファミリータイズ』と、その年No.1映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主演を務め、ハリウッドのビッグネームとなった。しかし数年後、29歳という若さでパーキンソン病と診断される。アカデミー賞受賞ドキュメンタリー監督デイビス・グッゲンハイムが手掛けた『スティル』は、フォックスの個人的かつ職業的な生活を描き、ティーンアイドルから治療法を求めて活動する人物へと成長していく過程を感動的に追いかけている。

『スワン・ソング』

マハーシャラ・アリが主演するこのロマンティック・サイエンスフィクション・ドラマには、主人公のクローンが登場する。キャメロン(アリ)は、愛妻(ナオミ・ハリス)との間に子どもをもつ優しい夫であり、父親だ。しかし、末期の病を告げられた彼は、その真実を家族に知られないようにするため、どこまで行動を起こすべきかを決断しなければならない。

『Sharper:騙す人』

知っていることが少ないほど楽しめるタイプの映画だ。登場人物は全て、見かけや言葉とは裏腹の人物であることだけ覚えておけばよい。ジュリアン・ムーア、セバスチャン・スタン、ジャスティス・スミス、ジョン・リスゴーが出演するこのネオノワールスリラーは、2023年初頭に劇場で一瞬だけ公開され、ほとんど注目されることなく過ぎ去ったが、侮るべきではない作品だ。

『チャチャ・リアル・スムーズ』

ダコタ・ジョンソン主演の2022年サンダンス映画祭観客賞受賞作品。若いパーティーオーガナイザーの姿を描くこの作品は、実際に観てみると実感されるよさのある作品だ。脚本、監督、主演を務めたコーパー・ライフは特に注目すべき存在。

『マクベス』

シェイクスピアが書いたマクベスの物語のことは多くの人が知っているだろうが、ジョエル・コーエン監督の視点で語られると新鮮だ。この映画は完全に白黒で撮影され、デンゼル・ワシントンがマクベス役、フランシス・マクドーマンドが妻役を演じている。3つのオスカーにノミネートされており、古典に新たなひねりを加えた作品だ。

『ルイ・アームストロング Black & Blues』

ルイ・アームストロングは、誰もが認めるジャズの巨星であり、アメリカにおける平等の闘いにおいても重要な役割を果たした人物であったが、その立場は非常に複雑だった。このドキュメンタリーで監督のサシャ・ジェンキンズが描くように、アームストロングはエンターテイメント業界において人種の壁を打破した一方、同時代の他のアーティストたちと比べ、公民権運動に積極的に立ち上がらなかったとの批判にも直面していた。ジェンキンズ監督は、アームストロング自身が録音した会話や数多くの写真、記事、記録を駆使して、この伝説的なミュージシャンの姿をこれまで以上に豊かに描き出している。

『テトリス』

史上最も人気のあるビデオゲームの一つ、テトリスは1980年代に社会現象を巻き起こした。この映画は、そのゲームを生み出し、当時のソビエト連邦から世界中に広めた人々の物語を描いている。歴史的なドラマとスパイ映画の要素が絡み合う複雑な内容で、映画として必ずしも全ての点で完璧ではないが、テトリスがどのようにして世界に広がったのかを知らないのであれば、十分に楽しめる。

『その道の向こうに』

アフガニスタンで脳の怪我を負った兵士(ジェニファー・ローレンス)が故郷に帰る姿を描いたこのライラ・ノイゲバウアー監督の映画は、トラウマと、それを乗り越えるために人々が互いに支え合う様子をテーマにしている。2022年に公開された際には大きな話題にはならなかったが、深いテーマを扱っており、特に人生が辛い時にこそ観る価値のある作品だ。

『シドニー』

シドニー・ポワティエは2022年に亡くなった。その年、Apple TV+はこのドキュメンタリーを公開し、俳優としての長いキャリアとともに、アメリカ文化や政治への影響を振り返った。スパイク・リーやモーガン・フリーマン、ハリー・ベラフォンテなどとのインタビューを通じて、映画はハリウッドでの活動にとどまらず、バハマでの育ちから始まり、公民権運動などでの大きな影響に至るまでを描いている。

(Originally published on wired.com, translated by Miranda Remington, edited by Mamiko Nakano)

※『WIRED』による映画の関連記事はこちら


Related Articles
article image
「シタデル:ディアナ」、「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」、「フォールアウト」など、いまプライム・ビデオで見逃せないシリーズを紹介する。
article image
『エルヴィス』、『アメリカン・フィクション』、『Saltburn』など、いまAmazonプライム・ビデオをで観るべきおすすめ映画を紹介する。

Apple TVで観てほしい、おすすめ映画22選【2024年最新】

雑誌『WIRED』日本版 VOL.54
「The Regenerative City」 好評発売中!

今後、都市への人口集中はますます進み、2050年には、世界人口の約70%が都市で暮らしていると予想されている。「都市の未来」を考えることは、つまり「わたしたちの暮らしの未来」を考えることと同義なのだ。だからこそ、都市が直面する課題──気候変動に伴う災害の激甚化や文化の喪失、貧困や格差──に「いまこそ」向き合う必要がある。そして、課題に立ち向かうために重要なのが、自然本来の生成力を生かして都市を再生する「リジェネラティブ」 の視点だと『WIRED』日本版は考える。「100年に一度」とも称される大規模再開発が進む東京で、次代の「リジェネラティブ・シティ」の姿を描き出す、総力特集! 詳細はこちら