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シックス(魔人探偵脳噛ネウロ)

登録日:2011/11/26 Sat 20:26:22
更新日:2025/01/14 Tue 00:34:02
所要時間:約 10 分で読めます


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6 666 Sicks Six ※少年漫画のキャラです 「あ」←最期の言葉 いともたやすく行われるえげつない行為 ひどい動機 ひど過ぎる動機 まさに外道 やべーやつ アニメ化不可能 アニメ未登場 エゴイスト エナジーバンパイア キチガイ クソ上司 サイコパス サラブレッド シックス ジャンプ史上最悪の外道キャラ ゾディア・キューブリック タグに偽りなし テロリスト ドS ド外道 パワハラ ベルモンド ベルモンド Le VisiteuR ラスボス ワカメ 世界最悪の犯罪者 人間ではない領域に達した 人類の到達点 人類の敵 何千倍にも強化された元人間 作中最凶のゲス 倫理観ゼロ 全ての元凶 全部こいつのせい 共存不可能 同情の余地がない悪党 名悪役 品種改良 圧倒的存在感 地球上に生きていてはいけない生物 外道 外道な犯人 天上天下唯我独尊 存在してはいけない生き物 定向進化 害悪 底なしの悪意 思想以外の全てが完璧な傑物の力を有する怪物 悪の限界のない男 悪意 悪意と6に愛された男 悪意の塊 悪魔 拷問 拷問好き 拷問漫画「ベルモンド Le VisiteuR」連載中の凄まじい拷問 新しい血族 新生物 新種 映像化不可能 最低 最悪 極悪 極悪非道 武器 武器商人 死の商人 殺人鬼 清々しいまでの外道 滅ぶべき存在 独裁者 理不尽 生きている者の敵 生まれた事が罪 生まれながらの悪 異常者 病気 純粋にして究極の悪 絶対悪 腐れ外道 自己中 自己中の極み 自己愛 誕生罪 超COOLだよアンタ! 超人 身勝手な動機 進化 邪悪の権化 金属 金属細胞 非道 魔人探偵脳噛ネウロ 黒幕




全ての人間は私の敵であり私の所有物だ。私だけが壊す権利を持っている


6(シックス)」とは、漫画『魔人探偵脳噛ネウロ』に登場する敵組織「新しい血族」の頂点に君臨するキャラクターであり、
本作品のラスボスである。

●目次

■概要

表向きの名前は「ゾディア・キューブリック」*1
だが、この名前が本名なのかどうかは不明。その他にも作中内では「絶対悪」と評されている。
世界最大の兵器メーカー「ヘキサクス」の会長だが、その裏では「新しい血族」の首魁として非人道的な人体実験を行っている死の商人。

その目的は「新しい血族」以外の全人類を滅ぼすことである。
彼の「シックス」という名前は数字の「6」(Six) を意味すると同時に、「新しい血族」が「人類にとって「病気(Sick)」のように有害である」と評されたことにも由来する。
数字の「6」については、「魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類に続いて人類から分岐し、人類の先を行く第六の種族」という願望も込められており、一種のダブルミーニングになっている。
「新しい血族」トップの称号込みでの呼称・敬称でもあるため「様」などは付けず、部下からは「シックス」と呼び捨てで呼ばれている。

定向進化

彼の祖先は武器製造を営んでおり、家系は約7千年前に鍛冶屋を営んでいた頃まで確認できる。
一族はその職業柄、人殺しの手段のみを考え続け、「一族繁栄のためには強い悪意が必要である」という考えに至る。
そして、より優れた武器を生み出せる「強い悪意」を求めるために子供の悪意を育て、悪意の一番強い子供に家業を継がせていくという行為を代々行っていった。
この取り組みはより鋭く他者の悪意を読み取り上回るセンスとしても磨かれ、「迷い無き悪意で敵の弱点を見つけ、えぐり、つけこむためにいかなる研鑽も厭わない者」が家督を継ぎ続けた結果、他者や商売敵をも上回る利益を出し先祖代々争いに勝利して栄え続けてきた。
力が同じ動物同士なら「悪意」が強い方が勝つからである。

結果、遂には常人には耐えられない悪意に耐えるために、外見こそ人間なのに脳細胞だけがDNAレベルで人間とは別物の異なる生物にまでに到達。
つまり彼は人間ではなく、「悪意」と脳を進化させることで「人」から進化した新しい生物なのである。
その結果、7千年という途方も無い年月をかけて高められた悪意は、本来なら自我すら構築されていないであろう0歳の時から開花しており、父親が悪意を測る為持たせた剃刀を使い、0歳にもかかわらず本能だけを頼りに1人で他の新生児数十人の首を掻き切って殺害*2
また、自分を産み育てた両親ですら殺す対象でしかなかったらしく、2歳の時に母親を自宅のテラスから転落死させ、5歳のときに父親を自宅の書斎で「箱詰め」死体にしたことが示唆されている。

その強すぎる悪意ゆえ、部下の葛西善二郎でさえ怪しく心を揺さぶられた電子ドラッグも全く効かず、「これのどこに人を惑わせる要素があるのかな?」とニヤニヤ笑っていた程。

シックスを蛇蝎のごとく忌み嫌ったネウロもシックスの一族が成し遂げた進化自体は認めており「我輩は貴様に…ある種の感動をおぼえている。人間は「悪意」にせよ何にせよ結果としてここまで進化できるのだと」「それだけの悪意を持っていれば究極の『謎』も作れたかもしれない」と最大級の賞賛を贈った上で、シックスの存在を「間違った進化をした」「未来を作れない歪な進化」だと断じ、シックス抹殺に踏み切った。


■性格

その成り立ちゆえに生まれついての「悪」であり、性格は超が付くほどの冷酷無比なサディスト。
同時に、シックスという存在を示す唯一にして最大の要素。

自分だけが人類の上位種といわんばかりに他者を見下し、徹底的に舐め腐っている。
よって他者に向ける価値は「自分を楽しませる玩具であるか否か」の1点のみ。
それは彼の懐刀である五本指も例外ではなく、その内の一人であるDRは「普通の部下より強い使える捨て駒」程度にしか認識していなかった。
能力・成果至上主義的な部分もあり、自分を不快にさせた部下や敗北した部下はたとえどんな状況であっても一切の躊躇いもなく殺してしまう。
他人が不快になることにも楽しみを見いだせるため、ネウロから不快にされたと聞かされた際は「ありがとう。最高の誉め言葉だ」と楽しそうに返していた。

そして悪意を以って他者を苦しめる事はシックスという生物にとって本能に等しく、ナレーションでは「誰かに悪意を向けずにはいられない」とまで書かれている。
  • 部下に任務失敗の罰と称して、「こんなこともあろうかと」こっそり作った特別製の鋸での割腹自殺を面白半分に強要する。*3
  • 人質をとった上で無理難題を押し付けて相手が苦しみながら死ぬのを楽しみ、その後人質も言葉巧みに欺いて絶望のどん底に叩き落として殺害する。
  • ほぼ確実に失敗する人体実験の真っ最中、「実験に愛娘を差し出して苦しむ父親の顔が見たい」との理由から、人体実験対象の人物にその旨を伝え、その人物の手で実験対象をに変更させる。
  • 自分の不利を演出するため、敵のトラップに引っかかって負傷した部下の首を敵の眼前で「間違えて」踏み潰し殺害する。
  • おまけのギャグページでは、余興として部下に対して無理難題(一発ギャグやクイズ等)を押し付け、一発ギャグの場合はネタが余りにも下らないものだった場合は即処刑し、クイズの場合は例え頓知を利かせて正解した場合でも「何となく」という理由で処刑する。
など、まさに傍若無人と極悪非道を絵に書いたような性格をしている。
また、普段の口調こそ紳士的で穏やかではあるものの、取り乱したり、焦ると粗暴になる。

■能力

戦闘能力は極めて高い。少なくともXのそれを遥かに凌駕しており「Xがそれこそ子供に見える」「Xですら霞む位の異常な印象」と表現されている。
生まれながら持つ強靭な肉体もさることながら、相手の「悪意」を直観で読み取ってその悪意を上回る悪意によって常に相手よりも優勢に立ち回れ、勝利の鉄則である「敵が最も嫌がる行為をやり続けること」を常に実行することが可能。
即ち自分が常に絶対優位に立つ事に関して天才的な才能を持っている。
配下である五本指が持っていた全ての能力を使用することも可能*4*5であり、その強化された身体能力は弱体化しているとはいえ魔人であるネウロ「全開の吾輩でも手こずる」とさえ思わせる程。
その戦闘力を見て、弥子は彼を「何千倍にも強化された元人間」と比喩した。

戦闘能力以外にも周りの人間を威圧する邪悪なプレッシャーを放つことができ、様々な事を一瞬で覚える瞬間記憶能力等も持っている。
おまけに人間から進化した全く異なる生物である故か、心臓を抉り取られ、肉体の半分以上を切断されても脳さえ無事なら平然と生命活動を維持できるもはや脊椎動物としての縛りを超えているどころか既存の生物学の括りや系統を超えた生物と言っても過言ではない怪物的生命力も有する。
結局、後述の通り自身の進化の由来たる「悪意」の根源である「脳」を全身諸共粉々にされるまで彼が息絶えることはなかった。

装備

  • 金属細胞
頂点であるために…これ以上の小細工はいらないよ。

曰く「隠すほどのものじゃない。なんて事ない単純な力」
Xの身体から抽出し、数万人を実験台にして完成した強化細胞と、「最も硬く柔らかく強靭な特殊合金」を一族独自の結合技術により融合させて製造した特殊細胞。
シックスの身体に埋め込まれており、強化細胞特有の変幻自在性と強靭極まりないパワー、金属の剛性・強度・硬度を併せ持つ。
肉体の一部を自在に金属化させて打撃力を高めたり、細胞を金属化させた上で刃の様に変えて足の裏や指から展開することで刃を楔のように用い、垂直な壁を昇ったり音速で飛ぶステルス戦闘機の上で戦闘も可能。
当然強化細胞の性質も備える為、元々並外れていた自身の身体能力はより飛躍的に向上する。
欠点は心臓が制御装置を兼ねているため、心臓を破壊されると制御を失い細胞の統制が取れなくなること。

  • 長剣
最終決戦で使用した身の丈に匹敵するような長さの両刃の西洋剣。
金属細胞により超強化されたシックスの身体能力に耐えうる強度と、弱体化しているとはいえネウロやXの体を容易く斬り裂く斬れ味、ステルス戦闘機の翼を簡単に貫通する鋭さを誇る。
武器職人の末裔としてのノウハウが惜しみなく注ぎ込まれたであろう、本来なら凄まじい業物に匹敵すると思われる一品。
但し、普通の人間でも扱えるのかは不明。


■作中での行動

初登場時は自らの分身であり、子供である怪盗Xを確保する為に、信用している部下である葛西善二郎をXの元に派遣しつつ、自身はアンドリュー・シクソンに成り済まし、表向きは日本警察に協力していた。
そしてネウロとXの二度目となる決戦後、本性を現し、Xのパートナーだったアイの蟀谷をピンポイントで撃ち抜き射殺、2人の逃走用のヘリコプターを墜落させる。
回収したXを約10年間逃げ続けた事による私怨も含めてボコボコにした後、予め準備していたジェット機に捕まりその場を離脱。
シックスはシクソンに成り済ますために、本物を拷問し、話させたアンドリューに関すること全てを瞬間記憶能力で覚えた後、本物の体から剝ぎ取った頭の皮を被っていた*6

その事件の後ネウロを茶会(弥子曰く「ドSサミット」)に誘い、新しい血族とその方針に関する内容を話し、味方に引き入れようとするが、彼との対談を通して方向性の違いからお互いが決して相容れない倒すべき敵と判断。
ネウロと人類の支配権を賭けて組織を通しての死闘を繰り広げる事になる。


人類を効率良く殺す為、血族の人間の一人であるDRにダムを破壊させ、数十万もの人間を人為的な洪水に巻き込み溺死させたり、
その後もネウロの活躍によって未遂で終わるが大規模なテロを次々と企てる。
さらに物語が進む内に前エピソードのボス「電人HAL」が事件を起こすに至った原因である本城刹那の死因が彼の人体実験によるものだったと判明する。
実験自体は、失敗する事は目に見えていたのだが「愛娘を無謀な人体実験に差し出す苦しみに歪む父親の顔を見たかったから」という理由だけでそれを強行した。


また、笹塚の家族を殺害したのもシックスの仕業であり、自分たちが行っている非人道的な人体実験の情報を掴んでしまった笹塚の両親を消す為にした事であった。
その事を知った笹塚に襲撃されるも、シックスの手によって『再教育』されて復活した怪盗Xの『完成形』であるⅪ(イレブン)とともに返り討ちにし殺害する。
しかしその後ネウロ達の活躍によりアジトを突きとめられ、警察組織である笹塚を殺されて怒りに燃える笛吹達の働きにより、テロの首謀者である事や人体実験の証拠を全国的に報道され全国指名手配され、更にこの件がきっかけで国際指名手配も確定してしまう。



やっと辿り着いた
唯一…我が輩が手を下すべき犯罪者 そう

犯人は…貴様だ 「シックス」

…もう 目を離さん
貴様の息の根を止めるまで

……ネウロ…
私は正直…他人を憎むのには慣れてないんだ
自分の玩具を憎む子供はいないだろ?それと一緒さ
だが…その玩具をメチャクチャにした奴には話が別だ

改めて…おまえの事が心底憎いと思ったよ

同感だな 我が輩もそんな感じだ


その後乗り込んできたネウロ達と正面対決。
Ⅺと共にネウロとそのパートナーである弥子を追い詰めるが、弥子の説得によりかつての心を取り戻した怪盗Xによって、自らに埋め込んだ強化細胞と金属の制御を担う心臓を潰される*7
その後、裏切ったXを躾の一環で彼(彼女)の体内に仕込んでおいた自爆装置と、剣による袈裟斬りで始末し退却するが、最後には追跡してきたネウロとステルスジェット機上で決戦。

末路

終始有利に戦い続け止めをさそうとするが倒し切れず、耐え抜いたネウロが最後の切り札として発動した「二次元の刃(イビルメタル)」で首と右腕以外の全身を切断され、下半身も失い自力で立てなくなったところをネウロに頭を鷲掴みされて宙吊り状態に陥る。
それでも絶命せず、 残った右腕を武器に変化させてしぶとく反撃を試みる が、相手の頭を掴んだネウロが全く無防備な訳もなく、
その直後に脳に直接魔力を流し込まれ、 身体を半分切り落とされても平気な彼が顔を歪め堪らず絶叫するほどの激痛 を味わわされ*8、同時に唯一残された右腕も麻痺させられ反撃手段を完全に失う。
その実質首だけの無力な姿で一度は空中に放り投げられ、追い詰めた自分をネウロがむざむざ手放したことを訝しんだのも束の間…


(ピキーーーーーーーン)

  • 自分の体は半分以上斬り落とされ、右腕の回復も間に合わない。頭だけは無事だがステルス機を避けるには何の役にも立たない。
    • 自分の手駒だった手下も既に全滅*9しており、助けるように命令したくともそれに従う者自体がいない。…つまり、どう思考したところでステルス機の突進から生き残る手段が見出せない。有り体に言えば完全に詰んでいる

  • 悪意の塊なので覚える感情は当然屈辱と怒りのみ。『改心して仕打ちを受け入れる』等なまじ人の心が残っていればあり得る心理も、生まれた時から悪だった存在にそんな概念はない。
    • それに加えて鋼の精神故に現実逃避するとか、全てを諦めて諦観するなどもまず不可能。故に勝てないと分かっていても最後まで諦められず、敵か自分が死ぬ瞬間まで戦闘行為を全うするしかない。

  • これらの思考が放り出された瞬間に一瞬で完了し、ネウロの意図と自分が負けて消えるまでの無駄な過程を存分に見せつけられる羽目になる。思考が「戦闘」に特化しているため、「詰み」を悟るのもまた一瞬。そして、頭の速さが裏目に出て30秒間という時間も十分過ぎる程長く感じる。

  • 上記の事柄は全てネウロも狙っている(本人曰く「最高のお仕置き」)。勿論、相手は最早悔しがるだけで何もできないことも含めて……。






「シックス」  悪意こそが貴様の強さだ

敵の悪意を上回る悪意で常に先手を打ってきた

だから…常人なら理解に時間がかかる事も 一瞬でわかってしまうだろう


実際には自分をこのまま逃がす気などないこと、そして己をどれほど屈辱的な方法で殺す気なのかを一瞬で悟ってしまう。



ネウローーーッ!!


我が輩が貴様に…『何をするつもり』なのか

…くそっ 動けっ
ち 畜生ッ!!クソ化け物め殺してやるッ!!

(やめろ…まさか…)
(この私が…こんな屈辱的な死に方を)

(私を支えてきた悪意が…この私を滅ぼすのか!!)


靴を舐めろ。その全身で



ボッ!!!


ネウロへの恨み節をベラベラ喋りたてるという悪足掻きも虚しく、死の瞬間にも何かを口に出そうとしたようだが、問答無用でネウロの操作により急降下してきたステルス機に自慢の脳髄共々粉々に轢き潰され、血煙同然の肉片になって絶命するという、正に悪党に相応しい末路を迎えたのだった。*10
彼が生涯の中で発した唯一の悲鳴か、はたまた最後の悪あがきに絞り出した最大限の罵倒か。
その事実を知る者は誰一人としていない。

ちなみに、これを言われた直後の彼の表情は正に鬼の形相である。
逆に最期の最期で虫けらみたいに藻掻く程度抵抗しかできなかった彼の心境は推して知るべし。

普通の悪人でもこんな屈辱的な嬲り殺しなど御免被りたいところであろうが、とりわけ悪意そのものな人格と知識、そして人外レベルの感覚と精神力を兼ね備えた彼がそんな状況に置かれたらどうなるか…

結果は、ご覧の通りである。
自身が生まれ持った悪意やプライドがことごとく屈辱に変えられる、極めて惨めな有様となる。

要するに悪意の天才故に『敗北』とはどこまで屈辱的で苦痛な状態であるかを誰よりもよく理解していて、無意識に自分がそちら側になることを非常に恐れていたということであった。
これまで「敗者の絶望」を食らい、繁栄という動力を無尽蔵に生み出し続けてきた悪意のエンジンへ、自身の惨敗という栓を押し込み逆流させたらどうなるか…彼が味わった屈辱は脳が文字通り焼き切れるまで加速し続けたことだろう。
加えて絶対悪を自負した結果「悪役は結局倒されて終わる」というメタな理からは逃れられなかったのは皮肉としか言いようがない。

一切の良心を持ち合わせず、その存在自体が「悪」と断言できるキャラクターであり、必要悪や好感の持てる悪役に対するアンチテーゼのようなキャラクターとも言える。
ある意味「悪」役というものを一番体現したキャラかもしれない。

しかしそんな彼も、ネウロとの最終決戦において「ある人物」の言葉ひいては「存在」を全面的に「肯定」し、受け容れているような場面があり、「絶対」悪を自称していながら他者の存在を是認するという、
本当の意味での「絶対」的な悪になりきれなかったが故に、
つまり、自分の弱さと自己矛盾によって自滅してしまった…とも言えるのではないだろうか。
また、祖先が武器職人だったから悪意に特化した…とは自称していたものの、そもそも人間が人間相手に武器を持つ事情や目的など様々なので、必ずしも悪に傾倒した残虐な性質になるとも限らない。
それこそ自分の身や親しい人間を他人の悪意から守るために武器を持ち戦うこともあり得る。ただ、それはそれで行き着く結論は「(例え殺す気が無くても)襲い来る相手をより早く、効率的に戦闘不能にする手段」。人間の自己防衛であれ天下太平であれ、攻撃力無くしては果たせないジレンマがある限り、彼のような怪物が生まれるのは必然だったのだろうか…?
そんな複雑な人間の悪意に対し、血縁由来だけで「絶対悪」を語り無差別に牙を剝く行為自体が矛盾だったとも考えると、案外ネウロは彼のそんな「内面」「背景」「矛盾」という『謎』を喰らう事無く、前述のようにただ物理的に「殺した」だけに終わったという事になり、本当の意味で勝利したとは言えないのかもしれない。(ネウロ自身、強大な悪意を持ちながら頑なに謎を作り出そうとしないシックスを『惜しい』と評していた。)

決戦時にはいつまでも倒れないネウロに対し明確な焦りを覚えたり、死に際の仕打ちに対してネウロの筋書き通りに反応した末に死亡するなど、終盤の彼は悪意の権化として綻びも見られた。もしかすると魔人というイレギュラーの出現に対して、彼の脳が対応し切れなかったのかもしれない。

あるいはシックスの悪意がすべて遺伝的な本能に忠実なだけの結果と考えると、単にすべては新種としての本能に従い自滅しただけとも言える。
道義を排除して単に遺伝的多様性で考えれば、行き過ぎたシックスの状態は生物としての広がりを持てない行き詰った欠陥に従う、極端な遺伝子の操り人形に過ぎないとも呼べるのではないだろうか。
実質子孫も残せないみたいだし。

■余談

  • 仲間を求めていた?
絶対悪を標榜しながらも、自身の「悪意」を見せつけ「新しい血族」という組織を作り出していたこと、
自身のクローンを作り、XI以前の失敗作の胎児の頭蓋骨をネックレスにして身に着けていたこと、
(メタ的な見方をすれば新展開への布石でもあるが)自ら足を運んでまでXiを回収することに拘っていたこと、
裏切られるまでXIに全幅の信頼を置いていたことなどから、一部では「本当は仲間が欲しかったのではないか」という考察もされている。
しかしその割には五本指(DRは除く)以外の「仲間」を平気で始末していたし、その仮定が合っていた場合でもシックスが求め飢える仲間とは「別種の生物にまで到達した自分の悪意を共有できる仲間」なので、
そんなロクでもない仲間を求める行為自体が人という種にとっては病気の感染、増殖のような邪悪その物と考えることもできるが。
…また、実は彼と同じジャンプ出身悪役として、彼の登場以前に同質の矛盾を抱えたとある人物がいるのだが、但し、その人物の場合は原作者が後日公の場でそれを否定している。


  • 拷問漫画「ベルモンド Le VisiteuR」
シックスの正体判明・初登場時、同時期の週刊少年ジャンプには新連載の『ベルモンド Le VisiteuR』(2007年32号から51号連載)があった。
この漫画というのが、テーマが『拷問』であり、主人公が特殊能力で悪人を拷問するといった趣の変わった漫画だったが、
少年ジャンプ2007年36・37合併号に掲載されたシックスの初登場回(120話「濁【にごる】」)にて、「シクソンの顔及び生命維持に必要な臓器以外のすべてを文字通り剝いでいき、シクソンのもつあらゆる情報・人生の記憶を吐かせた後、完璧にまねるために、彼に心の底からの笑顔をさせてそれを記憶した上で顔の皮をはいで殺す」という凄惨極まりない拷問の描写が登場。
『ベルモンド』を意識したのか単なる作者の趣味かは不明だが、『ベルモンド』もびっくりの凄惨な描写であった……。

  • 女性説
クローンであるXIが「出生時の性別は雌」であったことから、シックスも遺伝子的には女性なのではないかと一時期推測されていた。
こんな凶悪な髭面の女性ラスボスって…
後に、シックス出生時の回想シーンで「息子」と明記されたことで否定されている。

  • 話数
シックスが倒された第199話のタイトルは『死【し】』
作者が意図したか単なる偶然かは不明だが、刑法199条は『殺人罪』である。




作者によると、「悲しい過去を一切持たない、ただ嫌われるためだけの存在として描いた」とのこと。


「全ての項目は我輩の玩具であり我輩の所有物だ。我輩だけが追記・修正する権利を持っている」


『違うね。全ての項目は私の敵であり私の所有物だ。私だけが削除する権利を持っている』


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最終更新:2025年01月14日 00:34

*1 由来は恐らくアメリカで発生した未解決事件の犯人「ゾディアック」と、六面体を意味する「キューブ」から。

*2 理屈としてはカッコウの雛が他の鳥の卵やヒナを巣から叩き落したり、カバキコマチグモの子蜘蛛が母蜘蛛の体を食い破って餌にするのと似た物らしい

*3 しかも、割腹が始まった途端にガン無視。

*4 作中ではDR、テラ、ヴァイジャヤの能力を使用。

*5 火炎は1から10までトリックを使用している葛西や、他者への扇動能力のジェニュインの能力は使わなかったが、五本指の能力は特定分野に対する知識や超感覚の類なので、作中では使う必要が無かっただけで両者の能力は"一応は"使える可能性はある。

*6 本性を現した際に脱ぎ捨てたアンドリューの頭の皮は、事件後、日本警察の手で証拠品として回収された。

*7 ただし彼は脳が残っている限り生きられる為致命傷には至らず

*8 ネウロ曰く「魔力が殆ど残っていないのでこれくらいが限界」。

*9 ジェット機のパイロットはネウロと戦う直前に自分の機嫌を損ねたとして戯れに始末していた。自動操縦で事足りるからと高を括っていたが、これが巡り巡って自らの屈辱的な最期に繋がっている。

*10 ちなみに本人の「全身」だったものはネウロの靴に舐めるかのように纏わり付いた末に、そのまま飛散して消滅していった。