登録日:2025/01/13 Mon 16:32:51
更新日:2025/01/13 Mon 21:16:50
所要時間:約 36 分で、読めますよ。
CV. |
野中ここな |
メンバーアイコン |
目覚まし時計 |
メンバーカラー |
氷青色 |
誕生日 |
1月13日 |
身長 |
157cm |
趣味 |
お弁当作り、お弁当研究 (市販品や駅弁のチェック) |
特技 |
計画を立てて物事を進める |
好きな食べ物 |
味付け海苔、濃い目に淹れたお茶 |
好きな言葉 |
心堅石穿 |
好きな教科 |
現代文、数学 |
好きな動物 |
レッサーパンダ |
人物像
103期生で、花帆とはクラスメート。
藍色の髪を水色の
リボンでふたつに纏めたお下げ髪と水色の瞳が印象的な、「実直」という言葉がそのままカタチになったかのような人物で、親族を除いて
誰に対しても敬語で話す。首元のほくろも特徴。
フィギュアスケートの経験者で、その実力も高い。しかし登場時点では表現性の問題を指摘されスランプに陥ってしまっており、蓮ノ空へはその打開の糸口を探しに入学したとのこと。
そんな折に綴理のダンスに衝撃を受け、彼女からの誘いもあって「この人についていけば理想に近づけるはず」と入部を決意する。
物腰丁寧な姿勢が印象的で、何事に対しても真摯に向き合う生真面目な性格。
フィギュアスケーターということもあって競技者精神も身についており、失敗・挫折に対してもある程度向き合い方を心得ている。……本人は「慣れてしまった」と自嘲してはいるが。
ただ、上記の通り初登場時点でスランプの渦中にいたという境遇に加え、身近な目標が揃って天才揃いという環境であることもあって自己評価は低め。
2年生になり後輩が入ってきた104期ではその傾向が顕著に出ており、「後輩目線ではなんでもこなせる『完璧な先輩』」として見られがちな一方で「さやか自身は『先輩達よりまだまだ未熟』」と感じている、という視線のギャップが克明に描かれている。
また
普段はかなりしっかりした人柄を見せる一方で実は甘えん坊な側面もあり、特にプライベートで花帆といる時間は
ごく自然に膝枕していたりも。
その立ち居振る舞いに違わず真面目な常識人で、基本的にはツッコミ役。そして作中屈指の苦労人。
どうも巻き込まれ体質のようで、花帆に初対面からウザ絡みされたり、後述のように惚れた弱みで私生活に問題がありすぎる綴理のお世話をする羽目になったりと何かと面倒な事態に付き合わされることが多い。
本人もその生真面目さゆえに投げ出すという選択が取れず抱え込んでしまいがちなのも、その苦労人ぶりに拍車をかけてしまっている……。
趣味に「お弁当作り」とある通り料理の腕に関してはメンバーの中でも随一に評判がよく、また料理をしている様子もかなり頻繁に描写されている。
いつもお弁当を作って貰っている綴理からは特に好評で、彼女がさやかのことを褒める際には大抵一言目か二言目には料理の腕が出てくるほど。
元々自己研鑽が好きということもあってかレシピの研究や調理用品に関しても興味を抱いているようで、合宿で梢の別荘に訪れた際にはキッチンの広さや設備の充実ぶりに感動してしばらくフリーズしていたなんて一幕も。
さやかとフィギュアと”表現力”
最初は、なんでダメなのかも分からなかったんです。
ある時から全然点数が伸びなくなって。
技に失敗したわけでもなくて、ちゃんとこなせたはずで、
なのに他の子よりも点数が低く出たんです。
それで───”表現力”の問題だと言われたんです。
演技構成……音楽表現……他の子にはあるものが、
わたしには無いんだって。
表現力……?
はい。それで、どうにもならなくなって、なんの解決策もないまま
気がついたら高校生になっていました。
さやかは元々、フィギュアスケーターとして中学まで過ごしてきた。
そのきっかけは彼女の姉・村野つかさの影響。
さやかの語るところによれば、つかさは全国にも通じうるほどの実力を持っていたスケーターで、さやかも姉のそんな姿に憧れてフィギュアを始めたという。
しかし、さやかが高校に進学する2年前のこと。
つかさは怪我をして選手生命を絶たれてしまい、その事実にショックを受けた彼女はスケートリンクに行くこともできなくなってしまった。
そんな姉の姿を見ていたさやかは、彼女の夢も引き継いでフィギュアを続けることを決意する。
……だが、そこで壁に突き当たってしまった。
技に失敗したわけでもなく、プログラム通りに演技をこなせているのに点数が伸びない。
当然、さやかはその原因をコーチや仲間たちに訊いて回ったが……問題は「演技力」、他の子が持っているような”きらめき”がさやかにはない。そう言われただけで、具体的に何をどうすればいいのかは終ぞ得られなかった。
姉の夢を継ぐと誓った手前、当時のさやかがどれだけ必死だったか、どれだけ追い詰められていたかは察するに余りある。
事実、さやかは「藁にもすがる思いで」蓮ノ空にやってきたと後に語っている。
その果てに出逢えた綴理という”きらめき”は、さやかにとってはまさしく「最後の希望」だったのだ。
配信では
配信では初期こそ「固さ」が出てしまい花帆の助けを借りながら進行したこともあったが、回を重ねるごとに徐々に慣れていった。
基本的にはストーリーで見せる姿と同様に丁寧で落ち着いた進行がスタイルではあるものの、他メンバーとの共同企画では周囲のフリーダムさに振り回されたり、恥ずかしい役どころを回されて思いっきり照れることもしばしば。
特にDOLLCHESTRAとして行った「セリフ読み配信」は神回として評判。
個人配信では、村野さやかのラジオという単独企画を不定期に行っている。
ラジオ内ではパーソナリティ(=さやか)は「村長」、リスナーは「村人」、ゲストは「旅人」と呼ばれる(ここから、さやかのファン自体を「村人」と称されることもある)。
ラジオとついてはいるが要はリスナーとの対話型の雑談枠で、村人達がスクコネのポスト機能から投稿したお便りの内容を基に話を進めていくというもの。
ちなみに、配信やストーリーで時折見せる部屋着姿が……その……独特。
「おやさいさんシリーズ」なる野菜になんとも言えない表情の目が付いたグッズを集めているようで、問題の部屋着もそのひとつ。配信内で語った所によれば、姉から誕生日プレゼントに貰ったものをキッカケにハマったのだとか。
活動記録
……。
花帆さん、言っておきますけど。
すみません、わたしはこの学校で、
あまり人と仲良くする気がないので……。
初登場は入学式に向かうバスの中……同乗していた花帆に、初対面から異様な距離感で絡まれていたという、なんというかこれからの苦労が既に見え始めているものだった。
……が、当時スランプ真っ只中だったために余裕もなかったさやかは、上記の通り「人と仲良くする気はない」と後々の姿からは信じられない発言をしていた。しかしその姿勢も、色々とフリーダムな花帆や綴理と出逢ったことでわりと早い段階で氷解していく。
スクールアイドルというものについてクラブの勧誘看板でその存在を知った程度だったが、そこに急に現れた綴理に「キミはたぶん、凄いスクールアイドルになれる」といきなり言われ、そうして誘われたライブでの姿に衝撃を受けたことで彼女の元で表現力を磨くため、入部を決意する。
わたしも早く……もっと上手くなりたい。
頑張らないと……。
上記の通り、蓮ノ空に入学した理由は「フィギュアの表現力を磨くため」であったさやか。そのためスクールアイドルに関してはほとんどノーチェックであったものの、部活動募集の看板を見て少し興味を抱く。
そんなところに綴理が急接近してライブに誘われ、驚きながらも初めて観た彼女のステージに衝撃を受けたことで綴理についていくことを決意、入部を決める。
そして綴理に師事し始めてすぐに明らかになる先輩の問題児っぷりに頭を抱えつつも、しかしそのパフォーマンスに憧れていることも事実であるため真摯に彼女についていく。
が、同時に入部した花帆にライブ出演で先を越されてしまったこと、そして綴理がライブの予定を見送り続けていることから、さやかは「自分の不甲斐なさが先輩の足を引っ張ってしまっている」と考えてしまい……?
綴理のもとで……いや、綴理の「隣」でスクールアイドルを頑張ることを改めて決心したさやか。
しかし、そんな二人にはひとつの悩みがあった。
全く同じはずの振り付けでも、さやかが踊ると「何か」が違う。
具体的に何かが間違っている、というわけでもない……そんな、言いようのない違和感。
そんなさやかに、綴理は語る。
ボク、いつも思ってるよ。
さやが全力を出せば、凄いことになるって。
……もちろん、さやかにとっては今この瞬間こそが全力だった。
だが、そう反論するさやかを綴理は諭す───さやか自身が分かっていないだけで、さやかの「全力」はまだ先にあるのだと。
ボクにできることをしたい。
だからそのために、さやのことをもっと知りたい。
そう訊ねられたさやかは、かつてフィギュアで味わった挫折の経験を語った。
自分に足りない”表現力”。
憧れの存在で、夢を受け継ぎながらも果たせずにいるままの姉のこと。
そして、綴理のステージには姉と重なるもの───自分にないものを感じ取ったこと。
ボクにあって……さやに無い。
さやが欲しいものかぁ。
なんか分かった気がする。
そう言って、翌日綴理がさやかを連れ出したのは、金沢駅周辺にある近江町市場。
もちろん、ここに来た目的は買い物……ではなく。
手伝いに来たよ。
あらあらあらあら!
綴理ちゃん久しぶりー!!
そう言って出迎えたのは、市場に務める女性、
れいかさん。
彼女は蓮ノ空のスクールアイドルクラブとの親交が深く、また最新の配信も追っていてさやか達新入生のことも認知していた。
実は綴理も、かつて
先輩の紹介で、同期達とれいかさんの元にお手伝いに来たことがあるのだという。
おそらくはその時の経験からなのだろう。綴理は、ここに来ることできっとさやかが何かを掴めると確信していたのだ。
……とはいえ、そんな事情など知らないさやかはわけもわからぬままにれいかさんに振り回され、市場の仕事を手伝わされる。ただ、これが今さやかが求めているもの……さやかに足りない「何か」が何なのかを知るためだと言う綴理の言葉を信じて、今はとにかく頑張ることに。
しかしそんな日々にも徐々に慣れていき、そして綴理やれいかさんからのアドバイスも受けて、徐々に「何か」を掴み初めてゆく。
お客さんは応援してくれる人
それならわたしは、なにを返す?
わたしなら、みんなに
……うん
こうやって、自分で納得できる自分になりたかった。
そのために一年以上、つらくても頑張ってきた。
わたしのこと、見ててね。お姉ちゃん。
綴理という「スクールアイドル」に出逢えたお陰もあり、一歩ずつでも成長を感じつつあったさやか。
その成果もあってもう一度フィギュアと向き合う決心がつき、スケートリンクにも通い直すことにする。
……元々、それはけじめをつけるため……「ブランクが空いてしまった今、もう上手く滑れはしないだろう」という思いもあってのことだった。しかし花帆を連れて久しぶりに訪れた時に予想以上の成果が得られたことで、元々考えていたフィギュアの大会にも本気で出てみようという気になったのだ。
そんな折、さやかが練習に通うリンクに、つかさが現れる。
……「もう二度とリンクに来ない」とまで言っていた彼女だが、さやかのスクールアイドルとしての活動を偶然知り、その活躍に背中を押されて自分のフィギュア人生と向き合うことを決めたのだ。
ちゃんと、引退しようと思うんだ。
怪我してから、みんなに何も言わずに引き籠っちゃったからさ。
それでね。引退することをみんなに言ったら……
最後にアイスショーをすることになったんだー!
それは、つかさが今までお世話になってきた人や友達達が出てくれる、「送別会」とでも言うべきものだった。
つかさは、さやかにもそのアイスショーに出てほしいと頼むが……もちろん、さやかに断る理由などなかった。
わたしのフィギュアには、ずっとお姉ちゃんが居たんだよ。
だから、見送りくらい、させてよ。
……だが、不運なことに肝心のアイスショーの日程と次に控えるライブが被ってしまう。
しかもそれは、綴理にとっては「来年誰かと一緒にステージに立てたら……綴理もスクールアイドルだよ」と先輩に言われたというほど大事なステージだった。
それでも綴理は、さやかの事情のほうが大事だと考えライブを見送ることに決めていた。
そう……。
このこと、村野さんにはもうお話ししたの?
ううん、話してない。
話すつもりも……ないかな。
それは、「自分じゃどうしようもないところで嫌な思いさせたくない」「やっと『自分らしさ』を見つけられたさやかが、何かの理由に縛られてほしくない」という綴理なりの気遣いだったのだが……さらに間の悪いことに、
その時ちょうどさやかが部室に来てしまい、内緒にするはずだった先輩会議を聞いてしまった。
こうなってはもう隠し事もできないと全ての事情を明かされたさやかは、それが綴理にとってどれだけ重い決断だったのかを悟りショックを受けてしまう。
わたしが、愚かだったんです。
ちょっとフィギュアがうまく行き始めて……
もうなんにも心配することなんてないと思って……
夕霧先輩の気持ちを踏みにじったんです。
お姉ちゃんにも、自分のために無理しなくて良いって言われて!
夕霧先輩にもスクールアイドルを頑張らなきゃいけない理由は
どこにもないって言われて!
わたしは……何を間違えたんですか……?
部室を飛び出し、雨に打たれている姿に驚いて駆け寄ってきた花帆に、さやかは自らの心情を吐露する。
だが花帆は「各々の事情を知らないのでどうすればいいかは分からない」と前置きしつつも、そんな自分にもわかることはあるとさやかを励ます。
綴理センパイも、さやかちゃんのお姉ちゃんも、
さやかちゃんが要らないからそう言ったってわけじゃないってこと!
付け加えて、花帆はさやかに「どちらか選ぶなら、フィギュアよりスクールアイドルを選んでほしい」と打ち明ける。
でも、そういうことを本人に言うのは、ずるいことだとも語る。
……それはきっと、綴理もつかさも、そう思っているから花帆のようには言わなかったのだろうとも。
さやかちゃんにしてほしいことはあっても、
さやかちゃんに無理はしてほしくないんじゃないかなって。
……そうして迎えた、アイスショー当日。
さやかの出番も終わり、応援に来たクラブ一同ももう行かねば───というところで、突然リンクの照明が落ちた。
照明が戻ったとき、リンクの上にはさやかが立っていた。
急遽時間を作ってもらったのだ。
今ここにいるであろう人に、想いを───本音を、自分の全てをぶつけるため。
10月末に迫る蓮ノ空三大文化祭がひとつ・竜胆祭。
スクールアイドルクラブにとってはここでのステージをラブライブ!の予選にも活用でき、更に今回は102期生……特に慈にとっては昨年のリベンジも掛っているとあって、例年以上に重要な舞台であった。
そのためにステージに向けて一層の気合が入る一同だったが……よりにもよってこのタイミングで、前フリの如く言っていた張本人が即落ち二コマの如く部長である梢がオーバーワークの末に風邪を引き寝込んでしまう。
大黒柱を失ったスクールアイドルクラブを当面の間とりまとめるためにも、他のメンバーの状況も鑑みた結果自分が適任だと考えたさやかが部長代理を務めることに。
すると当初リーダー代行を二人で務めようとして揃って音を上げた先輩ズとは裏腹にあらゆる業務を先回りで解決していく手際の良さを発揮して一同を驚かせる。
そうして、差し当たり竜胆祭でステージを使う許可を得るべく生徒会へ申請を出すが……
よし!じゃあ、出そうか!おお、使用許可!いいや?このままじゃ、
認めら
れないんだぜ!なんだってー!?出すって言ったのは───キミたちに、3つの試練を、さ!!
生徒会長・沙知が、さやか達1年生に課した「試練」。
手始めに「ビラ配り」をしてこいという使い走りにしか思えない内容に憤慨する花帆&瑠璃乃だったが、その一方でさやかは「きっと何か考えがある」と沙知に理解を示そうとしていた。
事実、次に言い渡された「クラブの宣伝動画」からは沙知が何を求めているのかが概ね察することができる内容になっていく。その意図とはすなわち───
沙知は最初から、3人にそう問うていた。
しかし、3人が答えたのは……言葉は違えど、要約すれば揃って「先輩が出たいと言ってるから」。
それはそれで先輩達を心から慕い、力になりたいと願っている証。美徳ではあるが……あえて言葉を悪く表現すれば、他人の理由を借りているだけで、『自分が』出たい理由になっていない。……「本気の熱意」が求められる全国大会において、ともすれば致命傷にもなりかねないその事実を、沙知は憂慮したのだ。
しかし、103期生達には既に「ラブライブ!に出る理由」がきちんと出来ていた。
あとはそれをきちんと言語化するだけだったのだ。
花帆は、やっぱりはっきりしてて良いね。
花咲きたい。ん、良いと思うぜ!
そいで瑠璃乃も、楽しそうだから、か。
一年生として、スクールアイドルをこれから楽しんでいくって
はっきり分かってて、これも良い!
果たして、出来上がった動画を観た沙知の感想は概ね上々。
だが───さやかに対してだけは、沙知の声色が変わる。
───ラブライブ!に出ないスクールアイドルもいっぱいいるぜ?
……えっ?
スクールアイドルは、ラブライブ!だけじゃない。
もちろん、ラブライブ!が多くのスクールアイドルにとって
大きなものであることは間違いないけど、
出なくちゃいけないわけじゃない。競技者とは違うのだよ。
……ラブライブ!はインターハイやコンクールなどとは違い、あくまで自由参加。「実力者なら誰もが必ず目指す舞台」とは限らない。
事実、
各々の個性を尊重して、あえて出場しないことを決断した学校も存在する。
……彼女ら以外にも、「『あえて出ない』という選択をしたスクールアイドル」は一つ二つではないだろう。
しかし、競技者出身であるさやかにはその発想がなかった。「スクールアイドルを志す者なら誰もが出場する、出て当たり前の大会」だと考えてしまっていたのだ。
さやか。
なぜ、ラブライブ!に───いや、違うな。
スクールアイドルをやる理由は、答えられるかい?
さやかは、その問いに返す言葉を持てない。
無理もない。元はといえば、さやかがスクールアイドルを始めたのは「フィギュアの表現力を磨くため」。なら表現の場はフィギュアの大会でもいいはず……「ラブライブ!でないといけない理由」が、やはりさやかには無いのだ。
そんな彼女にだけ、沙知は最後の試練を言い渡す。
もちろん、それはずばり……
───なんのためにスクールアイドルをやるのか。
その答えを、持っておいで。
スクールアイドルは、やらされるものではありませんから。
入りたいという気持ち、ここで何かをしたいという気持ちがある子が、
居るか居ないか……それ次第ですね。
104期・入学式の後。
さやかと綴理は、早速新入生をクラブに勧誘───しに行くでもなく、蓮ノ湖のほとりでのんびりしていた。
DOLLCHESTRAとしては、新入部員は「入ってほしい」とお願いして入ってもらうものではなく……ただ、「居場所」を求める人のために扉はいつでも開けておく。
強いて来てほしい人を挙げるなら……今既にある、綴理とさやかという「色」に新たに足せる、「頑張っている色」───そんな方針であった。
そんな二人だったが、ふと湖を見た綴理が隣に問いかける。
その視線を追いかけてみると───
おおおおお───。
……湖の上、凄まじい気迫で筏を漕ぎ───
あ、沈んだ。
はぁああっ!?うわああああああああああああ!!!
そしてたった今ひっくり返って溺れ始めた、新入生の姿であった。
さやかが半分パニックになりかけながら咄嗟に救助に向かった甲斐あってか、その新入生───徒町小鈴は無事だった。
聞くにこの徒町という子、湖を渡ろうとしたのは「それ自体が目的」……簡潔に言えば、「なんでも良いから何かすごいことをしたかった」というものだった。
生まれてこのかた、徒町ってば、すごいこと1回もできたことないんで。
……その無鉄砲なまでにがむしゃらな姿勢に、形は違えど1年前の自分と似たものを感じたさやかは、小鈴を笑うどころか、その「湖渡り」を手伝うことを申し出る。
そうして二人は一緒に筏に乗り、一緒にひっくり返り、仲良く沈んで……
そんなこんなではあるが、距離自体は伸びてきて───ここに来て、小鈴ははっと気付く。
ごめんなさい、それじゃダメなんです!
それじゃダメだって、おろかな徒町は今更気付きました!
このままだと、
『湖横断できました、先輩にやってもらったからです!』
としか、今の徒町は言えないから……。
その言葉で、さやかもはっと気が付いた。
自分でやり遂げなければ意味がない……そのことくらい、さやか自身もわかっていたことなのに。
応援したい一心で、あやうく徒町の頑張りを台無しにしてしまうところだったと。
……自分の力でやらないと、意味がないんですね。
じゃあ、徒町さん。
隣から応援するくらいは、許してもらえますか?
ぁ……。はい!!
……なおここまでの一連の会話、全部蓮ノ湖に浸かった状態のままである。まだ4月だよ!?
ともあれ、湖から上がったさやかを綴理は出迎えるが、あくまで彼女は好意的に2人を見守っていた。
相手を思いやればこそ、相手の気持ちを抑え込むこともある。
それが分かっていれば、さやは大丈夫だよ。
ボクはぐいぐいいくさや、好きだから。
そんな綴理の「応援」も受けたさやかは、改めてその想いも載せて、小鈴にエールを送る───。
さやかさんも1年経って、頼もしくなったわね。
これなら問題なさそうかしら。
104期生3人が新たに加入し、新体制のスタートを切ったスクールアイドルクラブ。
さやかもまた、昨年の経験を契機に梢から部長業務の一分を任されるようになり……「次期部長」の座を彼女に託そうとしていることが、梢の様子から見て取れた。
そこに、北陸中のスクールアイドルを集めて催されるライブフェス、「敦賀スクールアイドルライブフェスタ」への招待状が届く。
しかも、前年のラブライブ!で北陸代表として全国と戦った蓮ノ空には、トリを務めてほしいという高待遇。
ちょうど今年
北陸新幹線が敦賀まで延伸開業したこともあり、今回は例年より大きな期待の集まるフェスになる見込みだ。
ただ───去年までクラブを引っ張ってきた3年生達は、そのフェスタには同行できない。
その日ちょうど、私たちは修学旅行なの!
くっそー、1日だけ抜けられたりしないかなあ。
梢がさやかの調子を見定めていたのも……そんな大きなライブで2年生達にクラブを安心して預けられるかという意味合いが大きかった。そして、いずれは……。
ともあれ、彼女は今の6人なら大丈夫だと判断し、改めてさやかに当面のまとめ役を任せることに。
そんなさやかに、小鈴からお願いがあるという。
というのも、敦賀は小鈴の生まれ故郷。
もちろん今回のフェスには、家族みんなが来てくれるという。
それが嫌というわけではないのだが……それまでの小鈴のこともあったのだろう、いつも心配そうにしている家族に、自分がちゃんと頑張れている姿を見せたかったのだ。
『家族に立派な姿を見せる』
……これは、今回の小鈴さんのみっしょんなんですね。
ただ、さやかはこれまで、誰かを指導した経験はない。
もしもさやかに指導の才能が無かったとしたら……小鈴の魅力を、引き出せない結果に終わるかもしれない。そのことだけは、さやかも心配だった。
それでも、小鈴はどうしてもさやかがいいと言っていたと、綴理はさやかに明かす。それに付け加えて……綴理からも、ひとつお願いがあった。
さや。今回の"特訓"で、すずのことをよく見てあげて。
そして……さやが、作詞をするんだ。
すずの色を入れた、新しいDOLLCHESTRAが始まる曲の。
こうして小鈴と綴理、ふたりの「期待」を受け取ったさやかは、小鈴の課題を洗い出しつつ……
花帆に「鬼だ……!第2号だ……!」とドン引かれたくらいにはみっちりしごく練習メニューを組む。
"特訓"と言っていたのよね?
ならまあ、このくらいでいいのではないかしら。
あたしもう二度と、"特訓"って言葉使わないようにしよう……!
ぐぅ……あと20往復……!?
ばかな、もう六文銭はすっからかん……。
三途の川で練習してる……。
ともあれ、さやかは既に今回の特訓のポイントには見当をつけていた。
技術面の問題は山積みではあるが……今の小鈴の魅力は「一生懸命で頑張っているところ」なので、そこはさほど問題視していない。
より正確には、「応援してくれる皆さんを見る余裕」。
今の小鈴は頑張っているのはいいのだが、自分のパフォーマンスに手一杯なのだ。
だから、みんなを見る……見てくれる人々に想いを伝えられるようになるのが、当面の目標なのだと。
果たして、小鈴の死に物狂いの頑張りもあり……1週間のうちに、彼女はめきめきと実力をつけていた。目標であった「皆さんを見る余裕」も、着実にできるようになっている。
これならばきっと大丈夫……そう思いながら、まずは自信をつけさせるために「最後の予行演習」としてセッティングした福井でのライブも演じきり、そうして迎えたフェスタ前日。
最終確認のために福井での録画を見返していたさやかは───ふとあることに気付き、愕然とした。
小鈴さん……踊れてるのに、踊れてるだけだ。
見たことある、わたしはこれを、見たことがある……。
誰かを追いかけることだけで、
頭がいっぱい、の……!
それはまさしく、ちょうど1年前までの自分。
何も変わらない。「表現力」のスランプに陥り、苦しんでいた頃の自分の演技そのものではないか。
このままでは……小鈴もまったく同じ壁に突き当たってしまう。
さやかが手を引いた結果、かつて自分が味わった苦悩を、そのまま小鈴にまで味わわせてしまうことになる───!
指導を間違えたことを悟ったさやかは、小鈴に謝罪するが……小鈴には、何が駄目なのかがさっぱりわからない。
ただ、さやかのようになりたいと、そう信じて頑張ったのだと。
そんな……全部、間違いだなんて……そんなの。
小鈴さん。
あなたには、あなたにしかない魅力があります。
わたしみたいになろうとするのが間違いで、
あなたらしいやり方というものが───
今そんなの聞きたくありません!
……それは、ここまでずっと真摯にさやかについてきた、たった一人の後輩が、初めて上げた悲痛な悲鳴だった。
自分の憧れを……大事に抱えてきた夢を、壊されてしまったかのような。
さやか先輩はっ……さやか先輩は!
そもそも徒町が、さやか先輩に憧れるのが間違いだっていうんですか!?
その言葉に頷いたさやかにショックを受けた小鈴は、部屋を飛び出していってしまう……。
人間関係
呼び方に関しては、相手との距離感に応じて苗字呼び→名前呼びと変わるものの、先輩にはきちんと「先輩」呼びをする以外は全員さん付けで年下・年上に拘わらず敬語を使う(肉親であるつかさは例外)。
ちなみに、自分が名前を呼ばれた時には律儀に呼ばれた回数分返事を返す傾向がある。「さやかちゃんさやかちゃん!」「なんですかなんですか」
さやかの物語は全編通して応援・期待が大きなキーワードになっている。
そのためか、蓮ノ空内に限らず学外の人物……親族であるつかさはもちろん、特にれいかさんを代表に近江町市場の人々など、周囲の人物とのかかわりも多く描かれている。
入学当初こそその境遇ゆえに余裕がなく「人と仲良くなるつもりはない」とまで言い放っていたさやかが、いつの間にか周囲の誰より広い人脈を得るまでになったのはその真面目で実直な性格と、あらゆる物事に対し真摯に接してきた姿勢の賜物だろう。
……ただ、基本的には誰に対しても丁寧かつ誠実に応対するのだが、どういうわけか少々ナチュラルに失礼な節があり、時折しれっと毒を吐くことがある。誰が呼んだかジャックナイフ村野。
さやが居ないと、
ボクはお昼ご飯食べるの忘れがちだから。
まあ、はい。
だから作るようにしたんですけれども。
さやが居ないと、
ボクは起きるのも忘れがちだから。
まあ、はい。
それは別名お寝坊というんですけれども。
……さやが居ない時どうしてたっけ。
さあ……仰る通り居なかったのでわかりません……。
上記の通り、さやかがはじめて出逢った「スクールアイドル」にして、その"きらめき"にはじめて触れて以来ずっと憧れ続けている存在。
綴理のことは心から慕っており、彼女の独特な指導に苦労させられながらも真摯についていっている。
花帆との「先輩自慢大会」にも真っ向から受けて立つほどには綴理を慕う気持ちは篤い。
が、良くも悪くもマイペースが過ぎる彼女に振り回されてばかりなため、その振る舞いには愚痴りたくなってしまうこともしばしば。
まったくもう!
今度は教室でずっと寝てるんですか。
補習で先生に捕まってるんですか。
お弁当渡したのに食べるの忘れて倒れてるんですか。
カワウソがおなかに乗っちゃって動けないんですか。
二年生の廊下も慣れちゃいました!
もう珍しいとも思われません!
逆に恥ずかしい……。
そもそも綴理が昼食を食べることすら忘れてしまうのでお弁当を作って届けるようになり、一人ではまともに起きられないので毎朝起こしに行くようになり、時折姿を消す(その上放っておくとそのまま行き倒れかねない)ので捜索する羽目にもなったり……と彼女のせいで学生生活が一変してしまったので無理もない。
一応これでも本人曰く「好きでやっていること」なのだそうだが、さすがにずっと綴理のペースに付き合い続けるのは疲れるとも思っているようで、クラブメンバーで合宿がしたいという綴理の要望には賛成するも「24時間付きっきりで綴理のお世話をする」ことになるという事実にもすぐに気づき頭を抱えていた。
が、全くお世話をしていないとそれはそれで不安になり「養育義務の放棄?」と言い出す始末。後輩に養育義務を感じさせる先輩って……。
ただ常にツッコミ一辺倒というわけでもなく、案外ノリの良い一面も見せている。
そんなさやかだったが、103期の1年間一緒に日常を重ねていったことで彼女の人となりを理解し「信頼」することができるようになってきたこと、そして幾度も自分に課されてきた数々の「試練」を乗り越え精神的にも成長できたこともあって、秋頃からは綴理との接し方にもいくらか余裕ができ始める。
特に104期ではもはや熟年夫婦のそれと言えるくらいに信頼関係が完成しており、よほどのことがない限り綴理の言動にもほとんど狼狽えなくなってもいる。
へたっぴだって、良いんです。
だって……伝わりましたから。あなたの気持ちが。
104期になり新たにできた後輩で、それまでずっと「憧れの人」を追い続けてきたさやかにとっては初めてともいえる「自分を慕ってくれる存在」。
「今まですごいことを一つもできてこれなかったから、『がんばれる何か』を全力で頑張りたい」というその姿勢には追い詰められていた時期の自分に重なるものを感じており、それゆえに彼女のチャレンジ精神には心から共感し応援している。
ただ、これまで「自分より凄い人に憧れる」ばかりであったさやかには「成功してきた」という自覚・自信が今までなかったため、そんな自分を心から慕ってくれる彼女に対しては当初うまく接することができずにいた。
特に「周囲から憧れられる自分」という構図には慣れておらず、その筆頭たる小鈴との接し方、指導の仕方について思い悩むこともあった。
しかし敦賀での一件を通して「自分がこれまで抱いてきた『あこがれ』」を見つめ直したことで「小鈴さんが憧れる自分で居続ける」ことへの決心がつき、「先輩」としてさらなる成長を果たすことにも繋がっている。
自分だけでは得られない……きらめきが欲しい。
花咲きたい、ですね。
梢からは当初より「自分と似ているタイプ」だと思われていたようで、花帆の指導に悩んでいた頃は「綴理と後輩を交換した方が良かったのでは」と思いかけたこともあったほど。
実際、直感より理論を重視するタイプであることや「相手に合わせる」ことを重視するスタイル、そしてその生真面目な姿勢など共通点はかなり多く、臨時ユニット「蓮ノ休日」として活動した際は姉妹のように息ピッタリな様子を見せていた。
本編で描写されることこそ少ないながらもプライベートでの仲の良さも示唆させており、梢の得意なお茶菓子作りを学んでいる様子も見られている。
103期竜胆祭の折に部長代理を受け持って貰って以来、明言こそしていないが梢はさやかを次期部長として見ている模様。
平時でも部長としての業務を時折手伝って貰っているほか、3年生が活動から離れる際は基本的にさやかに諸々の引き継ぎを任せていることからもそれが窺える。
もう、行ってしまいました。
オンとオフしかない蛍光灯みたいな人ですね……。
蓮ノ空で最初にできた友達で、ほぼ同時にスクールアイドルクラブと出逢って以来ずっと一緒の仲。
所属するユニットこそ違えど、お互いに背中を押し合う関係であり、また何か悩みがあれば真っ先に相談しあっている相手。
普段は面倒見の良いさやかが花帆の相談を受けたり自由奔放な彼女にツッコミを入れたり……といったところなのだが、逆にさやかが本当に困った時には花帆が「長女」らしい包容力でその悩みを受け止めることも。
また二人とも初めて目撃したスクールアイドルの姿に憧れ、彼女たちに強いあこがれを抱いてクラブに入ったためにそれぞれを受け持ってくれる先輩を慕う気持ちはどちらも勝るとも劣らず、時折「先輩自慢大会」が始まることもある。
そんな彼女だが、一方で色々と「尖っていた」初対面の印象は鮮明に覚えており、後々定期的にこのネタで彼女をイジり倒してもいる。
104期生の中では、特にその生真面目な雰囲気がさやかと似ている人物。
その縁もあってか、104期になって初めて「村野さやかのラジオ」に招いた"村人"でもある。
実際和菓子についてなど共有できる話題も多く、件の初コラボでも息の合った様子を見せていた。
また花帆とのかかわりが深い者同士でもある……のだが、同年代ということもあり親友同士として接しているさやかと、先輩後輩という間柄ではあるが今まであまり見なかったタイプゆえに困惑させられることも多い吟子と、それぞれから見た印象は若干違うところもある様子……?
また、やはりさやかにとっても「吟子といえば"伝統"」という認識であるようで、吟子の口から真っ先に振られた話題がラーメンであったことには少々意外そうなそぶりを見せていた。
ま、がんばってると思うよ私も。
さやかちゃんは漢字も書けるしね……。
めぐちゃんさあ……。
初対面当初こそ幼馴染である瑠璃乃に対する態度の冷たさを目の当たりにした花帆ともども、友達である瑠璃乃を案じる気持ちもあって慈を警戒する向きが強かった。
しかしゆのくに天祥での一件を経て慈が本当は仲間想いであること、綴理や梢にも負けず劣らず「スクールアイドル」にかける想いが真剣であることを知り、彼女に向けていた誤解は花帆とともに解いている。
とはいえ花帆ほどには彼女への警戒心は強くなかったものの、その第一印象と普段の人柄のせいか、他の先輩よりも言動に容赦がない節もちらほら……。
ただ、「怪我を追って以降イップスに陥り、活動復帰にできなくなっていた」というその境遇は姉と重なるものがあり、それゆえに彼女を活動復帰させたいと願う瑠璃乃にも大いに協力している。
昔のさやかちゃんはとんがってたからね!
この学校で人と仲良くする気はありません!って。
誰だそのひと。
いつの話をしてるんですか!ほぼ最初じゃないですか!
夏から編入してきたこともあって花帆ほど一緒にいる時間は多くはないものの、それでもクラスメートにして同じ部の同期ということもあって3人で過ごしている様子はよく見られる。
瑠璃乃の「充電切れ」には当初かなり驚いていたものの、そんな状態になるまで気を遣おうとする姿勢には理解を示していた。
それから徐々にその人柄にも慣れていくものの……充電が切れた瑠璃乃がダンボールに篭っていく光景に慣れつつあることに関しては微妙な心境である模様。
一方の瑠璃乃は花帆と仲良くなって以降のさやかしか知らないため、上記のように出会う前の「尖っていた」さやかの話を花帆から聞いた際は意外……というか、あまりに今の姿と違いすぎて半信半疑というようなリアクションを見せていた。
確かに、さやかせんぱいって完璧なイメージはありますけどね〜。
さやかは姫芽が普段遊ぶようなPCゲームにはあまり縁がないようではあるものの、ナンプレなどのパズルゲームが好きという話を聞いて姫芽から何作か紹介して貰っている。
お互い「ゲーム」と「フィギュア」、形こそ違えど「スクールアイドル以外に頑張っていることがある」という共通点もあり、また「競技者」でもあるという点で二人の意識には通じるものもある。
ん、実際凄く……そう。きらめいていた。
時間を取らせたね。綴理たちのところへ帰るといい。
さやかの成長のため、彼女に「特訓」を課した張本人。
とはいえ、なぜそんなことをしたのかについては同時に特訓を科された103期生の誰より早く理解を示そうとしており、またその真相も概ね言い当てている。
そんな事もあって沙知の考えに対しては理解を示しており、その後に綴理が沙知との軋轢からトラブルを起こしかけた際には和解のための橋渡し役となっている。
むしろ、花帆さんと似ているかもしれません。
元気で、明るくて、気づいたらとんでもないところまで行ってしまうような。
さやかの姉で、綴理と並ぶ憧れの存在。
「姉がいる」と聞いた花帆からはさやかのようなしっかりした人を想像されたが、一方のさやかからは上記の通り「どちらかというと花帆に近い」という人物評。
おっとりとした立ち居振る舞いやそのマイペースぶりには綴理と似た雰囲気も感じさせ、実際さやかにも「同系統の感覚派」と見なされている模様。
上記の通り彼女の挫折がきっかけでさやかはより真剣にフィギュアに取り組むようになっていったのだが、その結果スランプに陥って苦しんでいた様子もやはり見ており、つかさもそんな姿には心を痛めていた。
しかしスクールアイドルとしての活動を通してスランプから脱却しつつあることを偶然ながら知ることとなり、そんな彼女に勇気づけられたつかさも自身のフィギュア人生と改めて向き合うことを決意。
当初は「きちんとけじめをつける」ために引退宣言を出すつもりでいたのだが……その送別会がわりに開いてもらったアイスショーで見せた綴理とさやかのパフォーマンスに感化され、引退を撤回。アイスダンスに転向することを決めた。
関連楽曲
▶Sparkly Spot
ボクにとって、キミが一番のきらめきだから。
どんな翳りも、さしてほしくなかった。それだけなんだ。
っ……。
じゃあ……特等席、空いてます。
隣……でいいのかな。
ほかに、席はありません。
「活動記録」103期第6話挿入歌。
DOLLCHESTRA 1stシングル『Sparkly Spot』表題曲。
フィギュアスケートとスクールアイドル、つかさのアイスショーと綴理のライブ。
唐突に突きつけられた二択を前に、悩んだ末さやかが選び取ったのは───そのどちらでもない、「両方を取る」というわがままだった。
板挟みの中で揺れ動く気持ちと、その隙間で芽生えた激情をそのまま叩きつけるかのように、疾走感のあるピアノ・ストリングスと共に歌い上げる。まさに「オーバードライブ」な一曲である。
衣装は黒に金の刺繍がシックな魅力を放つ、ドレス調でありつつもフィギュアスケートの衣装のようなテイストも感じさせるものになっている。
……失敗なんて、全然平気!
徒町は失敗ばっかりだけど……。
でも───届いて……徒町の気持ち!!
───決めるのはっっ!!自分だ!!!!
104期では小鈴が加入したことに合わせ、104期 NEW Ver.としてアップデート。
こちらはDOLLCHESTRA 4thシングル『Proof』に収録されている。
パート割りや振り付けの再調整だけではなく曲調もフラメンコ調へと大幅なリニューアルを果たし、疾走感を意識したオリジナルから一気にイメージチェンジ。より情熱的な一曲へと進化を遂げた。
そして───小鈴に引き継がれたパートは、ストーリー上で重要な意味を持つことになる……。
▶Runway
改めて、言葉にしますね。
わたしは、声援を頂くことが好きです。
わたしは、「期待」されることが好きです。
頂く想いに、全部全部、必ず応えてみせるぞって、
何よりも強い気持ちが、たくさん湧いてきます。
それがきっと、わたしがスクールアイドルをやる理由。
ステージに立てる、理由です!
だから、皆さん!
”村野さやか”に、たくさん、期待してください!
そして、その気持ちに、応えさせてください!
103期10月度Fes × LIVEにて初披露となった、村野さやかのソロ曲。
沙知に課された「試練」を通して自らがスクールアイドルをやる「理由」を見つけたさやかが、その覚悟を示すためにオープニングアクトの時間を借りて披露。
103期に披露された楽曲中でも唯一のソロ曲であり、そして初披露から1年以上が経っても尚音源化が発表されていないレア曲でもある。
初版時点で本楽曲を聴くことができる公式の手段は、当該のFes × LIVEアーカイブを収録した同時視聴会動画か、リアルライブのみとなっている。
そのリアルライブでは、2ndライブツアー「Blooming with ◯◯◯」千葉公演にて初披露。
歌い出しで野中氏がミスをしてしまうが、それを誤魔化して続けるのではなく初めからやり直すことをその場で決断。
プログラム中唯一のソロステージというプレッシャーもあってか2度目もミスをしてしまうものの、3度目の正直で見事やり遂げる。
そして続く兵庫公演では元々のセットリストにはなかったそうなのだが、野中氏の依頼もあり披露が決定。今度こそ見事一発でやり遂げた姿は大きな話題になった。
▶レディバグ
本来は別のライブ用に作ったものなのですが……
今この気持ちのままに皆さんに伝えたい。
はい!さっきできた曲です!!
それは言わなくていいんです……。
「活動記録」104期第2話挿入歌。
2ndミニアルバム『Dream Believers(104期 Ver.)』に収録。
「小鈴の加わった、新しいDOLLCHESTRAが始まる曲」を求めた綴理が、さやかに作詞を依頼して制作した曲。
しかし敦賀のライブフェスタ本番直前まで執筆は難航していたが……小鈴の姿を見て、抱いた「憧れ」だけは間違いではないと思い直せたことで完成を見た。
中でも【[レディバグ]村野さやか】の特訓後セリフによれば、最後の2フレーズは披露直前にどうしても入れたくなって急遽挿入したものであるという。
……んむ。みんなに期待されている限り、それを成したい。
だからキミは、追記・修正をやっている。
はい。わたしは誰かが期待してくれるから、
追記・修正をやりたいと思えるし、やりたいと思うんです。
……その気持ちは伝わったよ。十分にね。
でしたら……わたしからは、それだけです。
なるほど、なるほどねぃ。
- 誕生日に単独項目化したのね。入学当初から大分成長したよなあ。 -- 名無しさん (2025-01-13 18:18:31)
最終更新:2025年01月13日 21:16