日々流れてゆく膨大な情報量の中からおいしいネタを敏感に察知し、ネット界隈を賑わせてくれるWeb業界の異端児・村上福之氏。同氏独自の経験と価値観から、「キャラ立ちエンジニア」の思考回路を紐解いていく。
Android Wearを2週間使ってみたが、アイデア1つですごく儲かると思う【連載:村上福之】
Android Wearを使って、2週間くらい経ったんですけど、かなりウエアラブルの可能性を感じています。
もちろん、対応アプリが少なく、いろいろと不満は多いので、一般消費者が使うとスムーズにいかない部分があります。ただ、サービス開発者側の人間が使うとかなり未来を感じますし、これでいろんなサービスやビジネスを考えてしまうなーと。
ウエアラブル、ウエアラブルと脳内でグチャグチャ言ってるよりも、肌感覚で分かるのは大きいと思います。
正直言うと、僕はGoogleの最初のハードウエアでさんざん騙されてきたので、オオカミ少年のような気持ちでAndroid Wearを購入したんですが、「思ったよりはアリ」なハードウエアだったので、思いつくままに書いてみます。
スマホ触るのがめんどい病になる
Android Wearでは、LINEやGmailやFacebookメッセージやLINEの通知と内容を見ることができます。「それがどうした!」と聞いた時は思いましたが、使ってみると意外と便利です。
スマホが普及して、もうメールを読むくらいでPCを起動するのが面倒くさいと思うようになりました。同じように、もうメールやLINEくらいでスマホを取り出すのは面倒くさいと思うようになりました。
特に会議や会食中にスマホを触るのは非常に失礼なので、腕時計を見るだけでメールやメッセを読めるのはでかい。この感覚になった時、Android Wearはやばいなーって思いました。
GmailやGoogle Hangoutは、すでにアプリ側で対応が実装されており、返信までできます。返信は音声入力です。「了解しました!」、「検討します!」程度の短くて一般的な返事ならば、問題ないように思えます。
「とりあえず読んだからグチャグチャ言うな」程度のメールなら、これでいいんじゃないですかね。
一方で、LINEなどの重要アプリが、返信まで実装されていないので、そのあたりが残念だったりしますが、時間が解決すると思います。
Android WearはB2Bで儲かりそうな匂いがする
個人的には、B2CよりもB2Bでウエアラブルの可能性をかなり感じています。多くの業務で大量導入をすることができると思っています。
物理的にクリティカルな仕事ほど、意外と両手を使うことができません。そういった案件でウエアラブルはかなり可能性を感じています。
皆さんがオフィスの外で触れるビジネスを考えてみてください。コンビニの店員、タクシーの運転手、医療従事者、スーパーの店員、美容師、調理師、物流センター……。ほとんどがスマホを導入したくても、そもそも両手が別のことに使われているので、導入が難しい領域でしたが、それが全部ターゲットになります。
例えば、医療従事者は多くの施術中にスマホを触ることができません。ウエアラブルになれば、リアルタイムに他の患者の状況を把握することができます。
レストランのコックが厨房でフライパンを握ったまま、次に作る料理を腕を見るだけで把握できたりします。非常に少ない人数でやりくしている美容室でも、美容師さんがハサミを握りながら、ネット予約の状況を知ることができます。
何より、Android Wearは画面が狭すぎて、UIが異常にシンプルです。フリックとタッチくらいしかありません。多くのこういう現場でスマホを導入しようにも、いろいろとトレーニングコストなどが発生しましたが、UIがシンプルすぎて発生しないように思います。
そんなわけで、いろんな提案書や企画書が書けそうな気がしています。
GoogleにできてAppleにできないAndroid Wear
Android Wearがすごいのは、Google Nowを使ったノーオペレーションをやっていることです。
Google Nowは、最初こそヘッポコでしたが、どんどん精度が上がっているように思います。
例えば、PCでGoogleを使ってレストランを検索していたら、どうもGoogleアカウントでの検索履歴を見ているらしく、Android Wearでそのレストランへ行くのに掛かる時間が表示されたりします。
Gmailから僕が買った飛行機のチケットをスクレイピングして、自動的に自分が行くべきターミナルを教えてくれたり、遅延があれば教えてくれたりします。GPS情報から適当に自宅や職場を推測されたりします。GmailからAmazonのメールをスクレイピングして、荷物の状況を教えてくれたりします。
プライバシーとは何なんだと思ったりします。
一番びっくりしたのが、先日、デザイナーの石嶋未来さんからFacebookでコメントいただいて、嬉しかったので、久しぶりに彼女のことをいろいろ検索していたら、彼女の運営するコワーキングスペースまでの道のりを提案されたりしたことです。
いや、彼氏とノロケ記事をあげまくって炎上してる女性に今から会いに行けというのか。なにそれこわい。
プライバシーもへったくれもない機能なのですが、これらの機能はAppleでは実装しにくいように思えます。まぁ、腕時計なので、下手なUIを提供するよりも、勝手に何かを提案してくれた方がいいのは確かです。逆に、Appleがどんなモノを出してくるのか楽しみです。
とりあえず、スマホに飽きたエンジニアにとっては、いろいろ妄想するには楽しいデバイスです。
RELATED関連記事
RANKING人気記事ランキング
NEW!
ITエンジニア転職2025予測!事業貢献しないならSESに行くべき?二者択一が迫られる一年に
NEW!
ドワンゴ川上量生は“人と競う”を避けてきた?「20代エンジニアは、自分が無双できる会社を選んだもん勝ち」
NEW!
ひろゆきが今20代なら「部下を悪者にする上司がいる会社は選ばない」
縦割り排除、役職者を半分に…激動の2年で「全く違う会社に生まれ変わった」日本初のエンジニア採用の裏にあった悲願
日本のエンジニアは甘すぎ? 「初学者への育成論」が米国からみると超不毛な理由
JOB BOARD編集部オススメ求人特集
タグ