合成樹脂製品の総合メーカー 伸縮性で商品を固定させるフィルム 余分な湿気だけを逃がす気密シート 酒井化学工業
23分・
2024.08.10 18:00
今回のガリバーは、合成樹脂を加工した様々な製品で私たちの暮らしを便利にする「酒井化学」。
プラスチックの一種であるポリエチレンフィルムに、多彩な機能を加えた製品を数多く提供しています。
例えば、壊れ物を送る時に包むクッション性の高い梱包材。従来はハサミを使って切り、梱包したあとテープでとめるという工程でしたが、酒井化学の梱包材は手で簡単に切れ、梱包材同士がくっつくためテープ要らず。
梱包材以外にも、生鮮品や冷蔵・冷凍品を入れる保冷袋では、クッション性で商品を守る「発泡ポリエチレンシート」と、熱を遮断する「アルミ蒸着シート」が貼り合わされていて、酒井化学は、こうした異なる素材を貼り合わせる高度な技術力とノウハウを必要とする「ラミネート技術」を強みとしています。
このラミネート技術で、仕分けに欠かせないプラスチック製の段ボール箱の軽量化を追求したことで、作業効率を格段にアップさせ、物流倉庫の課題解決に貢献。
1963年の創業から躍進を遂げた酒井化学は、高度成長期のテレビの需要とともにポリエチレン製の梱包材が大ヒット。
しかし、多くの家電メーカーがテレビの生産工場を海外に移転させたことで経営は窮地に。そこで「用途開発」という顧客それぞれの悩み解決に乗り出します。
その中から生まれたのが、住宅の壁の内側に貼ることで室内の空気や湿気を遮断し、快適さの維持と省エネ化を図る建築資材「すかっとシートプレミアム」。一定の湿度を超えると湿気を逃がし、壁内に結露をつくらずに断熱効果を保ちます。
目指す未来は、“プラスチック製品を使いながら、省エネや環境保護を達成すること”。
ナレーター 渡辺真理
リポーター 小林舞