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「え、船じゃないの!?」 陸自の激レア「異形の巨大車両」衝撃の洋上訓練に密着! 隊員の知られざる苦労とは

激レアの水陸両用車、陸上自衛隊の「94式水際地雷敷設装置」の訓練を取材したら、水の上でも緻密に計算しながらかじとりをしなければならない、隊員の知られざる苦労を垣間見ることができました。

水陸両用車は操縦免許も2種類必要

 陸上自衛隊は有事の際、敵の水陸両用車や舟艇などの着上陸侵攻が想定される海岸線や浅海部に「水際(すいさい)地雷」と呼ばれる浅瀬専用の機雷を設置し、敵の侵攻を妨害する戦術を考えています。

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博多湾で訓練を行う第5施設団第303水際障害中隊の94式水際地雷敷設装置(伊藤洋平撮影)。

 そのための専用装備なのが、水陸両用車の上に水際地雷敷設用の機械を搭載した「94式水際地雷敷設装置」です。

 戦車や装甲車、自走砲などと比べると調達数が少なく、運用している部隊も限られるため、なかなか目にすることのない装備です。このたび、そのような「激レア自衛隊車両」の訓練風景を取材できたので、陸上での訓練と水上での訓練、2回に分けてご紹介します。

 今回は後編、博多湾の一角を使って行われた海上訓練の様子です。

 敷設車は、陸上では大型免許で運転できますが、海上では船舶扱いとなるため操縦(操船)には船舶免許が必要です。地雷の設置作業では沿岸近くしか航行しないため、2級小型船舶免許の取得で操縦資格は足りるものの、部隊では操縦者によりハイレベルな1級小型船舶免許の取得を義務付けているそうです。

 なお、1級小型船舶免許は陸上自衛隊内では取得できないため、現在は海上自衛隊に出向して免許の取得を行っているとのことでした。敷設車についても船舶としての登録が必要で、航海灯や錨、救命浮輪など船舶として義務付けられている物は民間船などと変りなく装備されています。今回の航行訓練では、船検(船舶検査)の更新も兼ねて実施されました。

 敷設車が海上に進出することを「へん水:へんすい」といいます。訓練では整備されたマリーナのスロープを使用して、へん水していましたが、有事ではどこが作戦地域になるかわかりません。そのため、へん水時に敷設車が暗礁などに衝突しないよう、中隊内のダイバーチームが海底の様子を事前偵察し、へん水場所を選定するそうです。また水際地雷の設置海域についても、このダイバーチームが適地を事前に偵察するとのことでした。

【画像】車から船へトランスフォーム! 陸自の「激レア水陸両用車」訓練を見る

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