いつの間にか「"LUUP"急拡大」の知られざる裏側 「まず創業者がしたことは…」入山章栄氏が解説

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両利きの経営 宗教を学べば経営がわかる
巧みなロビイングを仕掛け、「レジティマシー」を勝ち得ながらビジネスを普及させてきたベンチャー企業が日本にもある。電動キックボードのシェアリングサービス「LUUP(ループ)」を展開するLuupだ(写真:dual180/PIXTA)
「宗教」と「優れた企業経営」には実は共通点があり、「現代の強い企業」は、いい意味で「宗教化」していく
それらの主題をもとに、世界の宗教事情に精通したジャーナリストの池上彰氏と、両利きの経営の解説者で早稲田大学教授の入山章栄氏が語り合った宗教を学べば経営がわかるが発売された。
同書を再編集しながら、電動キックボードのシェアリングサービス「"LUUP"急拡大」の知られざる裏側を入山氏が解説する。

ベンチャー成功のカギは「正当性」の獲得にある

ベンチャー企業が社会から選択されるには、ひとつ重要な側面がある。

それは、「社会的正当性」すなわち「レジティマシー(legitimacy)」を獲得することである。

なぜなら、まだこの世に生まれたばかりのベンチャー企業は、社会から異質なものとみなされがちだからだ。

だからこそ、その時代の社会常識に歩み寄って、「当社がやっていることは社会的に正当である」と広く認識させる必要があるのだ。

たとえば現代のベンチャー企業にとって顧客の納期を守ることは、レジティマシー獲得の第一歩だろう。創業間もないベンチャー企業は人も仕組みも足りず、約束した納期を守れないこともある。

しかしそれでは、どんなに技術力が高いベンチャーでも「この会社は信用できない」と認識され、正当性を得られない。社会環境から選ばれないのだ。

したがってベンチャー企業は、その社会環境に合わせて、「レジティマシー」を勝ち得るための地道な作業が不可欠になる。

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