思わず足を止めて眺めてしまうような、街中にある少し変わった形をした物件ーー。
いったいなぜ、そのような形になったのか。そこには、どんなドラマがあり、どのような生活が営まれているのか。
連載「『フシギな物件』のぞいて見てもいいですか?」では、有識者や不動産関係者に話を聞き、“不思議な物件 ”をめぐるさまざまな事情に迫る。
【前編を読む】建築に20年!「三田のサグラダファミリア」の圧巻
1億2000万円かかったコスト
東京・港区三田。東京のど真ん中に圧倒的な存在感を放つビルがある。そこにポツンと1軒、フシギな建物が立っていた。
建物の名前は「蟻鱒鳶ル(ありますとんびる)」。地下1階地上4階建て。建築家の岡啓輔さんが、設計も施工も自ら行う「セルフビルド」で作り上げた。
2024年秋には着工から約20年の時を経て、シートや足場が外されその姿が現れ、今では観光スポットのように人々が集まる。
記事の前編では1階から3階までをたくさんの写真を交えて"探訪"した。後編となる今回は不思議な光景が広がる屋上、そして建築費用や、周辺地域の再開発の影響を岡さんに聞いた。
3階から階段を上がった踊り場の3.5階。高い天井にはコンクリートの大きなオブジェが見える。
窓から、光がたっぷり降り注ぐ。「ちっちゃい部屋なので、寝転がったり2〜3人で酒でも飲んだりっていう場所です。この窓は数カ月前にできたばかりです」と岡さん。階段の踊り場も活用した間取りの配置が斬新だ。
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