トップダウンの会社で頻発「PDCAのPが長過ぎ問題」 「リスクを最小限に抑えたい心理」が失敗を呼ぶ
教科書通りのマーケティングや戦略設計だけでは限界がある。そう感じている方も多いのではないでしょうか。これは「戦略の理論」と「現場の現実」が乖離してしまっているからです。
ここでは、その典型例とも言える、PDCAの「Pが長過ぎ問題」について解説します。
(本稿は『顧客を見れば、戦略はいらない 解像度を上げるボトムアップマーケティング』から一部抜粋・編集したものです)
「トップダウン組織」にありがちな失敗
多くの組織はトップダウン構造となっています。意思決定が上層部、つまり経営陣やリーダー層、マネージメント層から下位のメンバーへと伝達される構造を持つ組織形態です。
この形態では、組織の目標設定や戦略の決定が上層部で行われ、その指示や目標が下位の各層に伝達されることで組織全体が動いていきます。
大規模な企画やキャンペーンを実施する際、企業内部の多くのステークホルダーが関与し、意思決定に関わるため、多人数の合意形成をしながら慎重に進められることが一般的です。
プロジェクトの発端は経営陣が起点となり、マネージメント層、リーダー層を経て現場に落とし込まれます。そして、企画がその逆のプロセスをたどって上申されます。
その際、戦略策定で「失敗したくない」という心理が働き過ぎ、仮説に仮説を上塗りしてしまうという問題が生じるのです。
この「PDCAのPが長過ぎ問題」は、組織のトップダウン構造が生み出す典型的な失敗の一因と言えるでしょう。
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