品川区立源氏前図書館
品川区立源氏前図書館 訪問記
品川区立源氏前図書館は、荏原町駅や中延駅などの近くにある、品川区立図書館の中で一番蔵書数の少ない図書館です。保育園との併設ということもあり、入口近くの児童コーナーが明るく、地域住民のためのこじんまりした図書館です。
源氏前図書館の最寄駅は荏原町駅・中延駅・荏原中延駅・旗の台駅など。徒歩圏内に駅がこれだけあるという事実が東急線の駅間隔の短さを物語っているように思います。東急池上線・大井町線は駅前商店街が現役で充実しており、私も図書館巡りのついでにそうしたお店に寄るのが楽しみです。
源氏前図書館がある付近は、そうした商店街から少し離れた住宅地・小企業が並ぶ地域です。品川区は大田区とともに日本の技術を支える町工場が多い地域ですが、源氏前図書館の隣にある関工芸も日本の伝統工芸である金製品・銀製品を扱っている会社で、大きな看板が図書館に行く際の目印になります。会社外壁のショーケースには輝かしい製品が並んでいて、源氏前図書館に行く際にはそちらも必見です。
源氏前図書館は源氏前保育園との併設施設で、図書館フロアは3階です。図書館に入るとL字型の区画になっており、「L」の左下の端が入口で、進んで行くと途中から右に敷地が折れていくかたちになっています。図書館エリアに入ったすぐの辺りが児童エリアでその中にティーンズコーナーもあります。そして、Lの曲がり角にあたるところにカウンター、角の先の手前側が児童向け読み物や漫画で、奥に一般書架や新聞・雑誌コーナーという配置です。この曲がり角から先は幅が広くなっており、ネット閲覧PCやCD・カセットもあります。突き当たり右には別室で集会室があり、イベントがないときには閲覧席として使えます。
フロア面積の半分程度が児童エリアというのは、保育園との併設の図書館らしい造りです。でも、全体の面積がそんなに大きくないので、児童コーナーが広いというより、一般書架が狭いというのが実際のところ。源氏前図書館は、面積では品川区立図書館で3番目に小さい(1番小さいのは二葉図書館、2番目に小さいのは南大井図書館)のですが、蔵書数では一番少ない図書館なのです。裏を返せば、面積が小さいからといって書棚を詰め込みすぎたりしておらず、のんびり過ごせる空間です。
児童エリアは、紙芝居の棚の下に椅子が片付けられていて普段はすっきり、でも子どもが来たら椅子を引き出して本を読めるようになっています。絵本は、日本人作家の作品も外国人作家の作品も一緒にして、おはなしの作者の姓名五十音順に並んでいます。児童読み物も、日本人作家と外国人作家を一緒にして、著者姓名五十音順です。児童読み物やちしきの本は子ども向けにしてはやや背の高い棚に入っているので、お子さんが自分で取れない本があったら遠慮なく職員さんに頼みましょう。
L字の曲がり角の内側の棚には、漫画もあります。ここには一般書架の特集コーナーもあるので、子ども大人を問わず、ちょっと立ち止まりたくなる空間です。一般書架もそうですが、児童エリアも机席は少ないので、学校の勉強のための調べものをするにはあまり向いていません。椅子に座って絵本や読みものを読むのにいい図書館という感じです。
一般書架も蔵書数が少ないので、各ジャンルともコンパクトにといったところでしょうか。検索機や予約機能を使って、源氏前図書館の蔵書だけにとどまらず、品川区立図書館全体の蔵書を活用したいところです。
日本人の書いた読みものは、小説も随筆も一緒にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。但し、アンソロジーなど複数の著者による小説・随筆は、タイトル名をとって五十音順の並びに入っています。例えば、張間ミカ(ハリマ ミカ)が書いたの本の隣に、6人の作家による『パリよ、こんにちは』という本が並び、その隣に遙洋子(ハルカ ヨウコ)が書いた本がある、といったかたちになります。外国人の書いた小説は、「東洋文学」「英米文学」「ドイツ文学」等の国・地域別に分類された上で、著者姓名の五十音順に並んでいます。
また、図書館では書籍を内容によって分類する中、文庫と新書は別にしていることが多いですが、源氏前図書館では、いやおそらく、品川区立図書館全館でそうではないかと思うのですが、新書は単行本と一緒に内容で分類されています。小説も書くし、エッセイも書くし、新書の読みものも出すような、例えば曽野綾子さんのような作家の本を読みたい場合、読みものの棚に行くとそれら全てがまとまっています。
図書館の規模に応じて机席も14席と少ないですが、行事がないときに開放している集会室が靴を脱いであがる絨毯敷きの部屋で、居心地いいのです。机が用意されているので床に座って読むわけではありませんが、平日の仕事帰りなどに寄ると、靴を脱いで足を楽にして読書できるのが快適。週に1度の子ども向けおはなし会のとき以外はほぼ開放されており、私からもぜひお薦めです。
源氏前図書館は小さいので、調べものをする図書館というよりは、地元の人がのんびり読書をして過ごす図書館という雰囲気です。もっといろんな本を読んだり、しっかり調べものをしたいという人は、源氏前図書館の北にある荏原図書館をご利用ください。源氏前図書館から荏原図書館まで歩いても、距離にしても800m、徒歩で10分という近さです。
逆に荏原図書館が人の出入りが激しくて落ち着かないという人には、源氏前図書館がお薦めです。もちろん、源氏前図書館も休日などは利用者が多いですが、荏原図書館は更に多いですから。徒歩10分圏内に2館もあると、用途によって選べるのがいいですね。源氏前図書館はエレベーターがない3階の図書館なので、階段が辛いご年配の方などには厳しいところがあるかもしれませんが、くつろげる集会室などを活かしてのんびりできる読書タイムを楽しんでください。
品川区立源氏前図書館 特集・行事・図書館だより感想記
品川区立源氏前図書館 データ
住所 | 東京都品川区中延4-14-17 3階 →Google Mapで見る | ||||||
Tel | 03-3781-6273 | ||||||
開館時間 |
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定休日 | 第2木曜(祝日も休館) 12月29日~1月3日 | ||||||
最寄駅 |
東急大井町線 荏原町駅から徒歩4分
東急池上線 荏原中延駅から徒歩10分
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駐輪場 | 建物手前に駐輪場あり | ||||||
駐車場 | なし | ||||||
所蔵資料 | |||||||
図書所蔵数 | 41,675冊 2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』 | ||||||
音声資料 |
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映像資料 |
DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
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設備 | |||||||
ブックポスト | 建物入口向かって左のガラス面ににブックポストあり | ||||||
自動貸出機 | なし | ||||||
自動返却機 | なし | ||||||
セルフ予約受取 | なし | ||||||
音声試聴設備 | カウンター対面の特集コーナー向かって右にCD視聴機1台あり | ||||||
映像視聴設備 | なし | ||||||
ネット閲覧PC | ネット閲覧PC2台あり。利用は1人1時間まで。 | ||||||
持参PC利用 | 不可 | ||||||
LAN接続 | 館内用無線LAN「しながわFree Wi-Fi」の利用可能 2020/02/01に確認
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飲食設備等 | 蓋付き容器(ペットボトル・水筒など)の飲料に限り、館内での摂取可能。但し、飲むとき以外は鞄にしまってくださいとのこと。 2018/06/13に確認
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