練馬区立春日町図書館
練馬区立春日町図書館 訪問記
練馬区立春日町図書館は、練馬春日駅に直結している「エリム春日町」ビル内の図書館。書架を奥へ進んでいくといつの間にか入口付近に戻っているというドーナツ状の構造が面白いです。ラウンジやギャラリーなど交流要素もある図書館です。
春日町図書館は都営大江戸線練馬春日町駅からすぐそば。地下鉄の通路が春日町図書館のあるエリム春日町に繋がっているので、外気に触れることなく駅から図書館へ行くこともできます。ただ、建物内をくねくね上っていくよりは一度外に出た方がわかりやすく、練馬春日町駅のA3から地上に出て左先にエリム春日町の入口に入り、左先にある図書館入口から階段・エレベーターで2階へ上がり、階段の周囲を反時計回りに進んでいくと春日町図書館エリア入口に辿りつきます。
2階にあがってから階段をぐるりと回って図書館エリアに行くまでには、ラウンジやギャラリーがあります。ラウンジは飲食もできるスペースですが、友達と話したりしながら勉強できる場所として使われていることが多いです。ギャラリーは広い通路で、特に何もないときは図書館イベント告知ポスターなどを貼っていますが、申し込めばサークルの作品展示などもできるようです。ギャラリーで図書館が企画した展示をしていることもあり、行くたびに何か展示されているかなと楽しみです。
図書館エリアに入るまでの通路も階段の周りをぐるりと回る構造ですが、図書館エリアの中も、お手洗いなどが中央にあり、それを囲むかたちで書架があるという構造です。図書館エリアへ入ると、右に新聞・雑誌コーナーがあり、左にカウンターがあります。少し進むと、右にCDコーナーと家事関連本コーナー、左に児童コーナーがあり、左奥に青少年コーナー。更に進むと一般書架があり、一般書架の奥へ奥へと進むと新聞・雑誌コーナーに戻っているというかたちになっています。
面積が比較的広い(12館ある練馬区立図書館で4番目に広い)うえに構造がドーナツ状なので、どこまでいってもまだ奥に本がある、まだ本がある…という気分になるのが面白いです。通り過ぎた場所に戻るのに、引き返せばいいところを、わざわざもう一度回りなおしたりして(笑)。あてもなくいろんな本棚を見るのって楽しいですが、春日町図書館は構造からしてそうやって歩きたくなるデザインです。
カウンターのそばには調べもの用のネット閲覧PCがあり、利用して30分後に待っている人がいたら交替と書いてあったので、待っている人がいなかったらずっと使うこともできるようです。また、ネット閲覧PCの対面には自動貸出機も2台あります。春日町図書館は駅近なので利用者も多いですが、貸出だけなら自動貸出機を使うなどすれば、それほど待たずに済みそうです。
児童コーナーの棚は、半円ならぬ半多角形の棚に絵本の表紙を見せて並べていたり、鉛筆を立てて並べて横から見たときみたいに三角形が並んだ形の棚があったりと、面白い形の棚があって楽しくなります。靴脱ぎスペースも広いし、棚の間も広くて、ゆったり本を探せます。棚同士の間隔が広いのは、児童コーナーに限らず春日町図書館の書架全体に言えますね。
絵本は、日本のおはなしと外国のおはなしに分けたうえで、絵を描いた人の姓名五十音順に並んでいます。児童読み物は、対象年齢によって「ようねん」とそれ以外に分け、更に日本の作家と外国の作家に分けて、著者姓名五十音順に並んでいます。児童コーナーの中で一番カウンターに近い辺りには、子どもの本のガイドブックなどがあるので、子どものために本を選びたいが何を選んだらいいかわからないという方は、そちらの棚が参考になります。
また、これは貸出ができず図書館内で見るだけなのですが、子ども用の理科や科学の本がある棚のそばに、東京都立図書館が作った「これならできる!自由研究111のアイデアカード」がファイリングされています。タイトル通り自由研究のアイデアが書かれたカードで、こちらのページからも同じものを見ることができますが、ネットで1枚ずつクリックして見るよりファイリングされたものを次々見ていく方が断然見やすいはず。夏休みなどの自由研究に困ったときは、ぜひ活用してみましょう。
練馬区立図書館はどこも青少年コーナーが大きく、春日町図書館の青少年コーナーも広くて本がたくさんあります。机席の本棚が囲っている空間では足らずに、児童コーナーと一般書架の間の棚にまで飛び出しているようなかたち。昔は、この一画に畳コーナーがあり、くつろいで漫画を読む人で賑わっていたのですが、今は残念ながらなくなってしまいました。
机席を囲う棚には「進路」コーナーがあり、学校案内から「なるにはBOOKS」「知りたい!なりたい!職業ガイド」まで、進路を考える際の参考になるさまざまな本が並んでいます。棚としては青少年コーナーにあるものの、これから就職活動をする大学生や違う業種への転職を考えている大人も活用できるコーナーです。
この棚には、「feel me!」という青少年向けの図書館だよりのバックナンバーのファイルもあります。号数と発行月から察するに、一度休刊してまた復活したようですが、復活して更にバックナンバーを揃えている(春日町図書館がオープンした1996(平成8)年8月号から揃っている)のが素晴らしい!そのときどきに紹介されている本は大人には懐かしいし、現役青少年には今とは違う状況での小説など面白いのでは。たとえば、開館当時の頃はケータイがなくて家の電話を使わないといけない時代で、そうした状況での恋愛小説は今はないドキドキ感があったりします。バックナンバーのお薦め本からそうした掘り出し物の小説を見つけるのもいいですね。
青少年コーナーには、一般の漫画のほか、『DEATH NOTE』などの漫画の英訳版もあります。英語の本に関しては、「ドリトル先生」シリーズなどのティーン向け英語読み物もあるので、まずは漫画で絵を見ながら英語に触れ、慣れてきたら文字中心の読み物にチャレンジするというのもよさそう。ちなみに、外国語図書としては一般書架でも英語図書と中国語図書を所蔵しています(棚24)。児童コーナーのおはなしの部屋にも英語絵本があるので、こうした様々な外国語本を勉強に活用したいです。
一般書架はドーナツ状の春日町図書館の半分程度を占めるでしょうか。棚と棚の間がゆったりしているだけでなく、本棚の各段の高さも余白をたっぷりとって固定されています。ただ、こちらはあえてそうしているというよりは、下2段だけ裾広がりになっている棚であるために、完全に自由に棚板の位置を決められない(垂直部分と裾広がり部分の境目に棚板を置かざるを得ない)せいのようです。この下段の傾きのおかげで、足元の本もタイトルが見やすいです。
日本の小説とエッセイは一緒にして、著者名の五十音順に並んでいます。但し、複数作家による作品集は、著者名ではなくタイトルの頭文字で分類され、頭文字分類の先頭に配架されています。つまり、小説の「ア」の棚に行くと、まず、書名が「ア」で始まる複数作家の作品集が並び、その次に、著者名が「ア」で始まる小説が著者名の五十音順に並ぶという方式です。外国の小説は、国や地域別に分けることなく「外国の小説」でひとまとめにして、著者姓名の五十音順に並んでいます。
一般書架を見ていてたら「159 人生訓」の本にいろんな色の丸シールが貼ってありなんだろうと思ったら、タイトルの頭文字で分類しているのだそうです。よく見ると、ア行が赤、カ行が橙、サ行が水、タ行が黄…と確かにタイトルの頭文字と色が対応しています。つまり、人生訓は概ねタイトルの五十音順に並んでいると考えてください。職員さん用が書架整理するためのシールだそうですが、利用者も知っていると本が探しやすいと思います。
美術・芸術の本が入っている背が低い棚の上には、美術や映画などの展覧会・イベントチラシがずらっと並んでいます。練馬区内の美術館・ホールの情報はもちろん、都の美術館や国立美術館のチラシもあるので、春日町図書館に来るたびにチェックしていれば、自分の好みの展示・イベントが開催されたときに知ることができます。また、そのチラシが並ぶ棚の隣の棚上や、小説全集棚近くの壁際では期間入替でテーマ展示をしており、書架を回るついでにそれらを見るのも楽しいです。
机席は青少年コーナーやPC優先席、車椅子優先席も合わせて31席と、図書館規模にしては少ないかもしれませんが、それを補うために、図書館エリアを出たラウンジスペース向かって右の会議室を臨時閲覧席として開放することがあります。日時は団体利用が入っていない土日祝で、利用時間は9時~12時、13時~17時。団体利用が入っているかどうかは、1階のエレベーター向かって左の壁に掲示されています。
読もうと思っている本がある棚だけでなく、あてもなくいろんな棚を回っていると「こんな本があるんだ」と本に出会えるのも図書館の楽しさ。春日図書館のドーナツ構造はそんな“書架巡り”ゴコロをますます盛り上げてくれます。同じ方向ばかりでなく、反対回りをすると別の本が目に入ったりもするので、右回り・左回りともにグルグル体験してください(笑)。
児童の部屋はここ、一般書架の部屋はここといった具合に別の区画になっているのではなく、自然な形でつながっているのもいい。本の対象年齢ってその年齢の人しか読んではいけないわけではなく、大人が絵本や子どもの本を読んでもいいし、子どもが実際より対象年齢が上の本を背伸びして読んでもいいですよね。自分にとって専門外のことについて概要をつかみたいときなどは、子ども用にまとめられた本を入門書として使えるので、ぜひ大人もそうしたときに児童コーナーを活用してください。いろんな本へと回遊できる図書館、ぜひ楽しみましょう。
練馬区立春日町図書館 特集・行事・図書館だより感想記
1996(平成8)年8月28日に開館した練馬区立春日町図書館は、2016年が開館20周年。それを記念して設立に関わった区職員さんを講師にお迎えした講演会を聴いてきました。二つの春日町図書館、エリム春日町の名前の由来といった秘密?など、資料だけではわからない貴重な話を伺いました。
部員皆が本を紹介しあう「ビブリオバトル部」、第6回のテーマは「卒業」です。今回は2名の新入部員が参加してくださり、これまで最多の8名による部活動となりました。
春日町図書館の「ビブリオバトル部」、第5回のテーマは「初恋・青春を思い出させる本」。私は遅刻して最初の方を聞き逃したのですが、男性陣が自分の初恋を語り、女性陣は少しひきながらそれを聞くという、愉快な(?笑)展開となりました。
部員同士で本を紹介しあう春日町図書館の「ビブリオバトル部」、早くも3回目を迎えました。年度の始まりの時期ということで「スタート」をテーマに行い、紹介本以外の本の話題も沢山出てとても盛り上がりました。
2012年からイベント型ビブリオバトルを開催している春日町図書館が、よりビブリオバトル参加者を増やすべく「ビブリオバトル部」を設置しました。記念すべき第1回は「自己紹介」をテーマに部員が本を紹介しました。
春日町図書館のビブリオバトルも既に4回目。今回は中学生が大勢応募してくれ、13名のバトラーが3ゲームに分かれてのビブリオバトルになりました。
春日町図書館3回目のビブリオバトルに、またまた発表者として参加してきました。今回はテーマなし。6名のバトラーが思い思いのお薦め本を持ち寄って紹介しました。
春日町図書館にとっては2回目となるビブリオバトルに、今回も発表者として参加してきました。今回のテーマは「中高生へのおすすめ本」、中学生から40代までのバトラー5名がお薦め本を紹介しました。
練馬区立春日町図書館で行われたビブリオバトル(知的書評合戦)に、私も発表者として参加してきました。観覧者として参加したときの10倍くらい面白い体験だったので、皆さんにもぜひ参加して欲しいです!
練馬区立春日町図書館 データ
住所 | 東京都練馬区春日町5-31-2-201 →Google Mapで見る |
Tel | 03-5241-1311 |
開館時間 | 9:00~21:00 |
定休日 | 第1,2,4,5月曜(祝日・振替休日の場合は開館し、直後の平日を休館) 12月29日~1月4日 |
最寄駅 |
都営大江戸線 練馬春日町駅から徒歩1分
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駐輪場 | 建物1階北側入口(地下鉄A3出口そばの入口)向かって右に回り込んだ奥に、図書館利用者専用駐輪場あり。バイクは不可。 建物北側入口手前にエリム春日町専用駐車場あり。自転車は最初の2時間は無料、以後2時間毎100円。バイクは125ccまで利用可能で、最初の2時間は無料、以後2時間毎200円。 |
駐車場 | 建物北西側にサミット駐車場あり。利用時間は8:45~閉店時間。1時間400円、それ以降は30分ごとに200円。地下1階、地上1階の店舗での2000円以上のレシートがあれば最初の1時間は無料。 |
所蔵資料 | |
図書所蔵数 | 114,444冊 2023/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和5年版』 |
布絵本所蔵数 | 32冊 2023/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和5年版』 |
CD所蔵数 | 9,170点 2023/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和5年版』 |
カセット所蔵数 | 58点 2023/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和5年版』 |
レコード所蔵数 | なし 2023/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和5年版』 |
DVD所蔵数 | 130点 2023/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和5年版』 |
ビデオ所蔵数 | 32点 2023/03/31現在、出典『練馬区教育要覧 令和5年版』 |
設備 | |
ブックポスト | 建物北側入口向かって右に回り込んだ壁面にブックポストあり |
自動貸出機 | バーコード式自動貸出機2台あり |
自動返却機 | なし |
セルフ予約受取 | なし |
図書の除菌 | 図書除菌機あり |
音声試聴設備 | CD試聴機3台あり |
映像視聴設備 | なし |
ネット閲覧PC | ネット閲覧PC3台あり。順番待ちの人がいたら30分間の利用で交代。 |
持参PC利用 | パソコン優先席5席あり。うち1席は車椅子優先席との併用。電源あり。 |
LAN接続 | 館内で練馬区無料公衆無線LAN「Nerima Free Wi-Fi」の利用可能。利用方法は、練馬区ウェブサイトの練馬区無料公衆無線LAN「Nerima Free Wi-Fi」をご参照ください。 2020/03/11に確認
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飲食設備等 |
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部員同士で本を紹介しあうビブリオバトル部の部活動、今回はしたい人だけする企画として、お薦め本を複数用意し、そのうちどれを紹介するかは本人以外の人のリクエストで決めるという遊びも取り入れました。新入部員も1名来てくださり、総勢9名が本の話で盛り上がりました。