分からなければ確認しよう!「聞き直し」と「意味確認」の表現
はじめに
皆さんが英語でのやり取りで苦労したり、悩むことは何ですか? 「単語が分からない」「文の形が崩れてしまう」「大勢の前で理解してもらえないか心配になる」など、人によって様々なものが出てくると思います。その中には「相手が言っていることが聞き取れなかった」または「自分の理解が正しいか自信がない」といった悩みを抱える人も含まれるのではないでしょうか。
日本語でも聞き取れないときがあるので、それが外国語であればなおさらで、仕方のないことではあります。しかし、重要なのは「そのようなときにどうするか」です。
今回は、相手が言ったことが聞き取れなかったり、理解できなかったといった際に使える表現をいくつか紹介します。このような表現は沢山ありますが、この記事では代表的な表現に加え、筆者が「覚えておくと良い」と思う表現も合わせて紹介します。
また、似たような表現の場合、和訳はほぼ同じになります。そのようなときは「与える印象が丁寧なものか硬いものか」などを中心に考えてみると良いでしょう。
それでは、早速見ていきましょう!
相手の発言が聞き取れなかった際の表現
まずは、単純に相手が言ったことが聞き取れなかった際の表現を見てみましょう。この場合、一番良いのは「再度言ってもらう」ことです。
- Could you repeat that, please?
(もう一度言っていただけますか) - Could you say that again?
(もう一度言ってもらえますか) - Could you go over that again?
(もう一度説明していただけますか)
これらの表現を使ったことがある方も多いのではないでしょうか。repeatとsay againが含まれた表現は、このような場面でよく使われます。
1.と2.は和訳を少し変えてますが、1.の方が少し丁寧に聞こえるくらいで意味は同じです。3.は説明や手順を聞き逃してしまったといった際に「繰り返してほしい」とお願いする表現です。ちなみに、この表現は「聞き取れたけど再度確認したい」という場合にも使えます。
また、もし自分が知らない難しい単語が使われていた場合は、下記のような依頼表現を使うこともできます。
Could you put it in simpler terms?
(それをより簡単な単語・言い回しで言ってもらえますか?)
相手の発言が理解できないと伝える際の表現
相手が言ったことは聞き取れたけれど、何が言いたいのか分からない場合もあると思います。ここでは、そのようなときに「何が言いたいのか分かりません」と伝える表現を見ていきます。
- Sorry, I don’t (really) follow you.
(すみませんが、話に(あまり)ついていけていません) - I’m afraid I’m not following you.
(すみませんが、話についていけていません) - I'm afraid I don't quite understand what you mean.
(申し訳ありませんが、おっしゃっていることがあまり理解できません)
初対面で良い関係を築きたい場合は、いきなりこのような表現を使うことは避けた方が良いのですが、例えば社内会議の説明で使うことは問題ありません。1.のreallyや3.のquiteといった単語を入れることで少し与える印象が柔らかくなるので、意識してそのような単語を入れても良いでしょう。
意味や意図を確認する際の表現
次は、相手が言った単語や表現の意味、または発言の意図を確認する際に使える表現を見てみます。英語自体は聞き取れたが、何となく濁した単語や言い回しを使ったりしており、理解できなかった場合に使うと良い表現です。
ここで紹介する表現は全てmean byまたはmeant byが入っています。これらは現在形か過去形の違いだけで「どういう意味ですか?」と「どういう意味で言ったのですか?」というほぼ同じ表現です。
なお、以下で紹介する表現は、話者がmean byにするかmeant byにするか選択できます。
1. What (exactly) do you mean by …?
((具体的に)…とはどういう意味ですか)
この表現は比較的短いので言いやすいですね。他の長い表現と比べると少しカジュアルに聞こえますが、特に同僚や知っている相手等にはよく使う表現です。
【例】What exactly do you mean by there’s no time.
(時間がないとは具体的にどういう意味ですか)
言葉の意味ではなく、状況が正しく理解できていない場合にこういった感じで確認できます。
2. Could you clarify what you mean by …?
(…ということについて、もう少し説明していただけますか)
clarifyには「明確にする」という意味があり、相手が言ったことが明確でない場合、それについて説明してもらうための表現です。これは丁寧な表現なので、ビジネスシーンやフォーマルな場面で使えます。
【例】Could you clarify what you mean by outsource some tasks.
(いくつかの作業を外注するということについて、もう少し説明していただけますか)
3. I’m afraid it’s not quite clear what you meant by …
(すみません、…とはどういうことかよく分かりません)
この表現は少し硬い印象を与えますが、少し緊張感があるような場でも使えます。
【例】I’m afraid it’s not quite clear what you meant by discontinued.
(すみません、中止された・廃止されたとはどういうことかよく分かりません)
単純にdiscontinuedの意味が分からないときにも使えますが、単語の意味は理解しているが、その状況を理解できないときにも使うことができます。
4. I’m sorry, but I don’t understand what you meant by …
(申し訳ありませんが、…ということの意味が分かりません)
この表現も自然ですが、I don’t understandとあるので少々直球に聞こえる可能性はあります。
【例】I’m sorry, but I don’t understand what you meant by it was not successful.
(申し訳ありませんが、成功しなかったということの意味が分かりません)
5. I’m sorry, but could you explain what you meant by …?
(申し訳ありませんが、…とはどういうことか説明していただけますか)
こちらは「分からないので説明してください」という丁寧で分かりやすい表現なので、ぜひそのまま覚えて使ってみてください。
【例】I’m sorry, but could you explain what you meant by “follow someone”?
(“follow someone”とはどういうことか説明していただけますか)
この場合は、純粋に相手が言ったfollow someoneの意味が分からないので説明してほしい、ということになります。相手が難しい単語や表現、または専門用語などを使った場合に、この表現を使うことができます。
また、今まで紹介した他の表現同様、単語等の意味は分かるが意図を説明してほしい、という場合にも使えます。
自身の理解が正しいか確認する際の表現
最後は、相手が言ったことを自分が正しく理解できているかを確認するときに使える表現です。最初の2つは空欄に情報を入れ、最後の2つは表現を言った後に「こういうことですよね」と、自分がどう理解しているか伝えるものです。
1. Are you saying / implying (that) …?
(…と言っているのですか/ほのめかしているのですか)
相手が言ったことを「こう言っているのですよね?」と確認する際によく使われる表現です。
【例】Are you saying that the factory will be closed for a week?
(工場が1週間お休みになると言っているのですか)
2. So, you mean / think / believe (that) …
(つまり、…ということですか/…と考えているのですか)
こちらも1.と同じような意味ですが、相手の考えを正しく理解しているか確認するときに使える表現です。
【例】So, you believe that it was not an accident?
(つまり、それは事故ではなかったと考えているのですか)
3. Correct me if I’m wrong.
(もし私(の理解)が間違っていたら教えてください)
この表現も英語の会話ではよく聞く表現で「自分はこう思っているのですが、違ったら訂正してください」というものです。謙虚な姿勢を表す表現ですが、この表現を使った後には「自分がどう理解しているか」を述べる必要があります。
4. Let me see if I’ve understood you correctly.
(私の理解が正しいか確認させてください)
この表現も3.と同じ使い方をしますが、少し3.とニュアンスは異なり「私はあなたが言ったことをこう受け止めたけれど、どう?」という感じです。個人的には3.の方が好きですが、4.もよく使われる表現なので覚えておくと良いでしょう。
おわりに
また、聞き取れなかったとき以外にも、相手が言った単語や表現の意味が分からないケース、言っていることは理解できたけれど、本当に自分の理解が合っているのかを確認する表現も紹介しました。
状況に応じて、これらの表現をいくつか言えるようにしておくと良いでしょう。ぜひ繰り返し練習して身につけてくださいね。