大ヒットミステリー小説を実写化したドラマスペシャル「微笑む人」(3月1日[日]夜9:00-11:05、テレビ朝日系)で主演を務める松坂桃李にインタビュー。
同作は、妻子を殺害した罪で起訴された主人公・仁藤俊美(松坂)がなぜ凶行に至ったのか、その理由に迫るミステリー。週刊誌記者・鴨井晶(尾野真千子)の目線で、仁藤の人物像を掘り下げていく。
“サイコパス”な仁藤を演じた松坂が、その胸の内を語った。
自分の中での“普通”は他の誰かから見たら“普通”じゃない
――仁藤を演じるうえで、気を付けた点はどこですか?
仁藤の感情は常に一定していて、妻子を殺してしまう動機に至るまでの感情の爆発がないんです。『本の置き場所が欲しかったから』と殺害の動機を語る仁藤を、周りは理解できずに『他の理由があるはずだ』と言うけれど、仁藤にとってはそれが“普通”。そういうフラットさを意識して演じていました。
サイコパスな仁藤を危険なやつだと拒絶したり、自分とは全く違うと思ったりすることって簡単なんです。そう思うと楽なんですよね。でも、実は自分が“普通”だと思っていたことが、他の誰かから見たら“普通”じゃない、ということってよくあると思うんです。さらに、自分が思っているその“普通”が、時には危ういところまでいってしまうということをはらんでいる。そういったことを、今回あらためて考えさせられました。だから、仁藤が自分とはすごくかけ離れているなとも、最終的には思わなかったですね。