Excelでセルを絶対参照にする場合、行番号と列番号の前に「$」を付ける。絶対参照とは、前回説明したように、セルを固定的に指定する方法だ。しかし、いちいち手作業で「$」を付けるのは面倒くさい。実はとても便利な方法がある。
絶対参照には[F4]キーを使う
次の図のE列には、合計に占めるそれぞれの品目の売り上げの比率を計算している。E2セルに「=D2/$D$8」と入力して、「表示形式」を「パーセント」にする。合計にあたる「D8」を「$D$8」と絶対参照にしているから、これをE7セルまでコピー・アンド・ペースト(コピペ)しても、割る数にあたる合計の参照先がずれることなく、全品目の比率を一発で計算できる。
このときにE2へ「$D$8」を入力する方法がポイントになる。まず、E2に「=」と入力したらD2をクリックまたは入力して「=D2」にする。次に「/」を入力して「=D2/」にする。さらに「D8」をクリックして「=D2/D8」にする。注目したいのはここからだ。
「=D2/D8」としたら、続けて[F4]キー(機種によっては[Fn]+[F4]キー)を1回押そう。すると数式は「=D2/$D$8」となり、「D8」を一発で絶対参照にできる。[Enter]キーを押して数式を決定し、あとはE7までオートフィルすれば完成だ。このやり方を覚えたら、いちいち「$」を手入力などしていられない。
片側絶対参照で九九の表を作る
先ほどの例では[F4]キーを一度だけ押して、相対参照を絶対参照にした。実は[F4]キーを続けてもう一度押すと、数式は「=D2/D$8」になる。さらにもう一度押すと「=D2/$D8」、さらに押すと「=D2/D8」と元の相対参照に戻る。
注目したいのは「D$8」と「$D8」だ。これらは、片側絶対参照と呼ぶ。
「D8」の「D」は「D列」、「8」は「8行」を意味する。「D$8」の場合、列側の「D」には「$」が付かず、行側の「8」にだけ「$」が付いている。これは、列側は相対参照で、8行のみを絶対参照せよ、という意味になる。これとは逆に、「$D8」の場合、列側のみに「$」が付いている。D列のみ絶対参照し、行側は相対参照せよ、という意味だ。
しかし、こんな片側絶対参照が一体何の役に立つのか。実はこれが大いに役に立つ。