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謎めいた言葉がくせになる金沢のフォーチュンクッキー!お土産『辻占福寿草』

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Dec 24th, 2017

年末年始はなんだか人の世界を超越した存在に心が引かれていきますよね。普段は占いなど信じない人が、初詣の神社でおみくじを引いて1年の運勢を占ったり、神社やお寺に参拝して誰かの幸せや健康を祈ってみたり。

金沢のフォーチュンクッキー!正月に食べたい『辻占福寿草』

そこで今回は、北陸、特に金沢で有名な辻占菓子(フォーチュンクッキー)、落雁諸江屋の『辻占福寿草』を紹介します。

金沢の正月ではとてもなじみ深いお菓子。砂糖ともち米で作ったせんべい皮の中に入っている用紙には、日々を生き抜くうえで大きなヒントや示唆に富む格言が書かれています。正月に大切な人と一緒に食べて、素晴らしい一年を送るためのヒントにしてみてくださいね。

 

ところで辻占って何?

金沢のフォーチュンクッキー!正月に食べたい『辻占福寿草』

そもそも「辻占」という言葉をご存じですか? 「辻」とは交差点という意味で、薄暗がりの交差点を夕暮れどきに通りかかる通行人の言葉を材料に吉凶を占う行為を言いました。後に辻占でおみくじが売られるようになり、そのおみくじをせんべいなどに入れた辻占菓子も登場します。

ちなみにフォーチュンクッキーは、日本の辻占菓子が江戸時代にアメリカに渡り、アメリカで広まったという説もあるのだとか。

辻占菓子は全国にいろいろとありますが、金沢では落雁諸江屋の『辻占福寿草』が特に有名です。元日草とも言われる福寿草に見立てたのか、花のような形をしたお菓子の中に格言やことわざが書かれた紙が入っており、この言葉が謎と示唆に満ちていて、人々にさまざまな啓示を与えてくれるのですね。

 

「かならずおいで」の言葉にドキッとさせられる

金沢のフォーチュンクッキー!正月に食べたい『辻占福寿草』

例えば『辻占福寿草』の中に入っているメッセージには、「かならずおいで」といった言葉があります。

何年か前の正月にその紙を引き当てた筆者は、思わずある恩人の顔を浮かべて、ドキッとしてしまった思い出があります。過去に大変な恩を受けたにもかかわらず、裏切る形になってしまい、それ以来、逃げるように疎遠になっていた方。当時の非礼をわびに行こうかどうか、迷っていたところで引き当てた「かならずおいで」の言葉でした。その方から自分に向けられたメッセージのように当時の筆者には聞こえたのですね。

今回の記事を書くにあたって買ってみた『辻占福寿草』の中では、「ゆびいれてみる」「なによりごすき」などの文言が特に目に留まりました。中でも太いマツタケのイラストとともに「なによりごすき」と書かれた小紙には、いろいろ想像させられてしまいました。

恐らく同じ言葉でも、受け取る人によって解釈が変わる言葉ですよね。抽象的であいまいで、謎めいていてつやっぽさもたまにあるメッセージばかりですが、だからこそドキッとしてしまう力があるように思われます。

 

何種類の言葉があるのかは販売員も知らず

金沢のフォーチュンクッキー!正月に食べたい『辻占福寿草』

記事のために『辻占福寿草』を買ったとき、販売員の方に「ところで、このメッセージは何種類あるのですか?」と聞いてみました。その方は途方に暮れたように「分かりません」と回答。1袋には12個の辻占菓子が入っていますが、当然それ以上のかなりの数があるとの話です。

「なぜ、このような謎めいた言葉ばかりが書かれているのですか?」と聞くと、やはり受け取る人それぞれが自分なりの解釈をできるようにしているのではないかと教えてくれました。公式ホームページには、言葉の意味に関して問い合わせのあった文言について、解釈を一部掲載しているとの耳よりの情報も。

そのページを見てみると、解釈についてある程度のヒントは示されてはいるものの、謎は謎のままにして、解釈の断定を避けているような印象があります。

<絵と言葉の判断は自由です。その時々の感情や気分で解釈も違ってくるのかも
知れません。言葉遊びとしてお楽しみ下さい>(公式ホームページより引用)

との言葉も。年末年始に金沢旅行をする予定がある人は、ぜひとも購入してみてください。広がりと含みのある言葉とイラストの魅力を感じられるはず。金沢で言えば、にし茶屋街、香林坊大和(百貨店)の地下、金沢駅の金沢百番街など、主要な観光地で買えますので便利ですよ。

落雁 諸江屋
http://moroeya.co.jp

「辻占 福寿草」
販売期間:11月26日~1月上旬(ご予約承り中)
値段:12個入648円
賞味期間:60日間
http://moroeya.net/?pid=10012781

[All photos by Masayoshi Sakamoto]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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